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世界初公開されたトヨタ「新型クラウンセダン」のコクピットと内装を見る 左ハンドルのグローバル仕様

左ハンドル仕様で世界初公開された新型クラウンセダンのプロトタイプ。あえて左ハンドル仕様が展示されたようだ

富士24時間で突如世界初公開された新型クラウンセダン

 スーパー耐久富士24時間レースが開催されていた富士スピードウェイのイベント広場に突然登場した新型クラウンセダン。新型クラウンセダンは、4月の上海モーターショーでコクピットや内装が作り込まれていないモックアップが世界初公開されていたが、富士スピードウェイに登場した新型クラウンセダンは、コクピットや内装まで作り込まれた本物となる。

 とはいえ、2023年の発売とされているため、まだプロトタイプという状態。内装を細かく見ていくと、シボのない部分があったりなど、仕上げはこれからであるし、今後デザインが変わっていくことも予想される。ここでは、そんなプロトタイプ、FCEV(燃料電池車)仕様の新型クラウンセダンを、コクピットと内装を中心に紹介する。

クラウンらしい主張のあるデザイン。ハンマーヘッドデザインだが、クロスオーバー、スポーツ、そしてプリウスととがったものを見慣れてしまうと、落ち着きのあるデザインに見えてくる

 新型クラウンセダンのボディサイズは、全長5030mm、全幅1890mm、全高1470mmでホイールベース3000mm。タイヤサイズは19インチと20インチが用意され、展示されていたのは20インチ使用。定員は5名を予定していた。

 FCEV用のGA-Lプラットフォームを採用。つまり新型ミライと同じものをベースとしているが、新型ミライのホイールベースは2920mmに対し、新型クラウンセダンのホイールベースは3000mm。80mm延長されており、この余裕は後席まわりにすべて割り当てられているという。ショーファーとしても用いられる新型クラウンセダンのため、後席を重視した骨格になっているというわけだ。

運転席と助手席をしっかりセパレート
セレクトレバーまわり
ステアリングまわりを横から。よく見ると「AC220V」スイッチがある
助手席は、後席の視界などのため、このように折りたためる
IVIは簡体字。中国マーケットを主張しているのだろうか?

展示された新型クラウンセダンは、左ハンドルのグローバルモデル

後席
センターコンソールの後席側。USB-Cを用意

 コクピットは、新型クラウンクロスオーバーやスポーツに用いられている「アイランドアーキテクチャー」を基本としながら、木目を多く使用したものになっている。ステアリング基部にドライバーモニタリングシステムもあることから、ADASシステムの期待も持てるものだ。

 後席を重視したショーファーとしての工夫として、助手席のヘッドレストが前方へと倒れるようになっていた。これにより、後席に座る人の視界を広く確保することや、運転手との会話がしやすくなる。

 そして、最大の特徴は左ハンドル仕様であること。つまり、新型クラウンの発表会で宣言されたとおりに、グローバル販売を意図していることになる。日本ではビッグネームとなるクラウンが、ショーファーカーとして世界へ旅立っていくことになる。その辺りは結構作り込まれており、FCEVらしい室内給電機構も「AC220V」スイッチがあるなど、グローバルで広く使われている電力になっていた。