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ジャガー・クラシック、1961年にレース初勝利を収めた「E-TYPE」にインスパイアされた限定モデル「E-TYPE ZP COLLECTION」
2023年6月14日 19:12
- 2023年6月6日(現地時間) 発表
2台1組、7組限定モデル
ジャガー・クラシックは6月6日(現地時間)、アイコニックなモデルである「E-TYPE」のレースでの初勝利を称え、2台1組、7組限定の「E-TYPE ZP COLLECTION」を製作すると発表した。
E-TYPEは1961年に市場に導入されてから1か月後、レース用に小規模な変更を施し、初めてサーキットに投入された。それぞれ「ECD 400」「BUY 1」という登録番号で、GTカーレースのオールトンパーク・トロフィーに参戦し、グラハム・ヒルとロイ・サルバドーリがドライバーを務め、1位と3位を獲得した。
E-TYPE ZP COLLECTIONは、このオリジナルのレース車両からインスピレーションを得て製作され、オールトンブルーのエクステリアとレッドのレザーインテリアを組み合わせた「ドロップヘッドクーペ」は、グラハム・ヒルが運転したECD 400にインスパイアされ、クリスタルグレーのエクステリアとダークブルーのインテリアを組み合わせた「フィックスドヘッドクーペ」は、ロイ・サルバドーリのBUY 1から着想を得ている。
2台1組で構成されるすべての車両は、ジャガー・クラシックのエキスパートが約2000時間をかけて作業し、高度なクラフトマンシップと丹念が込められているとのこと。
また、各車両には、ドライバーのヒルとサルバドーリが着用していたものを再現したヘルメットが付属。これらは、1950年代からヘルメットを製造してきた英国の専門メーカー、エバーオークのビル・ヴェロが製造。インテリアと同じレザーを使い、ジャガー・クラシックのトリムエキスパートが製作した、テーラード・レザーのヘルメット収納用バッグ、車両ハンドブック用のレザーポーチも提供される。さらに、「ZP」ロゴ入りの専用車両カバーと、トランクフロアの下に収納できる特注のジャッキ(専用の収納バッグ付き)も付属する。
ドロップヘッドクーペは、グラハム・ヒルがドライブしたインディゴブルーのECD 400から着想を得たオールトンブルーで塗装。ボンネットとドアにあるラウンデル(ゼッケンを表示するための丸いエリア)はホワイトで仕上げ、フロントエアインテークの内側には、同色のリップスティックを装着。オリジナル車両を忠実に再現するため、グリル全体のモチーフバーとフロントオーバーライダーは削除され、ジャガー・クラシックのエンジニアはノーズを再加工し、さらに40時間以上かけて手作業で仕上げ完璧な美しさを追求した。
フロントとリアのバンパーはクロームで仕上げられ、ワイヤーホイールおよびジャガーヘリテージのロゴ入りホイールキャップを装着。1961年当時の仕様を正確に再現するために、ブナ材のステアリングホイール、溶接されたボンネットルーバー、ロック可能なキー付きの外部ボンネットラッチ(「ZP」ロゴ付き)と革製ボンネットストラップを採用している。
リアエンドには「ZP」「JAGUAR」ロゴが、燃料フィラーキャップ、車両カバー、ルーフカバーにも「ZP」ロゴがレイアウトされる。さらに、フロントフェンダー後方のシルバーのシールドの中にはユニオンジャックと「E-TYPE」のシルエット、「Project ZP」のレタリングが配置される。
インテリアは、ブリッジ・オブ・ウィアーのレッドレザーを採用し、当時と同じくハードデュラトリム仕上げとし、ゴールドのグラウラー・ホーンボタンに加え、アルマイトアルミニウムのセンターコンソールには、英国の彫刻アーティストであるジョニー“キング・ナード”ダウェル(Johnny "King Nerd" Dowell)が手掛けたビスポークのパネルを追加。オールトンパークのサーキットレイアウト、ヒルの名言「In a race my car becomes part of me, and I become part of it(レースでクルマは私の一部となり、私はクルマの一部となった)」、栄光の勝利を象徴する月桂樹の冠(ペアのもう1台と組み合わせるために半分)が描かれている。
フィックスドヘッドクーペは、ロイ・サルバドーリが勝利を収めたBUY 1からインスピレーションを得て製作され、オリジナル車両のパールグレーに着想を得たクリスタルグレーのボディカラーを採用。クリスタルという名称は、サルバドーリがE-TYPEで初めて勝利を収めたクリスタルパレスが由来となっている。
エクステリアはドロップヘッドと同様に、ホワイトのラウンデル、クローム仕上げのバンパー、溶接されたボンネットルーバー、専用のサイドグラフィックディテールを装備。さらに英国バーミンガムのジュエリークォーターに拠点を置くスペシャリスト、ヴォートンズ(Vaughtons)と協力して製作したエクステリア・エンブレムも装着される。
インテリアはダークネイビーのブリッジ・オブ・ウィアーのレザーインテリアと、それにマッチするハードデュラトリム、ブナ材のステアリングホイールを採用し、アルマイトアルミニウムのセンターコンソールのパネルには、月桂樹の冠(残りの半分)、クリスタルパレスのサーキットレイアウト、車両のシルエットに加え、ロイ・サルバドーリのニックネームであった「King of the Airfields(飛行場の王)」の文字が彫刻される。
パワートレーンは、シリーズ1 E-TYPEをベースとした265bhpを発生する3.8リッターエンジンを搭載。日常的な扱いやすさを考慮して、電動クーリングファンや電子イグニッションを備えたアロイラジエータ、光沢仕上げのステンレススチール製エキゾーストシステムを装着している。
組み合わせられる5速MTは、ジャガー・クラシックがこのモデル専用に開発。すべてのギヤにシンクロメッシュ機構を備え、ヘリカルカットギヤと強化鋳造アルミニウムケーシングを採用することで信頼性と耐久性を向上し、クロスレシオのギヤによりスムーズな変速を可能としている。このトランスミッションを搭載するために、ボディシェルやそのほかのコンポーネントの変更はされていないとのこと。オリジナル車両の完全性を維持することは、ジャガー・クラシックのチームにとってもっとも重要なポイントであり、ジャガー・クラシック・ワークスが開発したギヤボックスを搭載することにより、ボディのオリジナリティを維持した上で利便性も向上させる。
また、2023年後半、ジャガーのSV BESPOKEパーソナライゼーションチームは、E-TYPE ZP COLLECTIONにインスピレーションを得た限定モデルとして「F-TYPE ZP EDITION」を発表する予定。このモデルは、V型8気筒 5.0リッタースーパーチャージドエンジンを搭載した最後のジャガーのスポーツカーとなる。この限定モデルのうち14台は、E-TYPE ZP COLLECTIONの購入者に割り当てられ、今後再現されることのないカルテットが誕生するとした。