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英ジャガー、EV化した「E-TYPE ZERO」の発売決定。2020年夏のデリバリー予定

既存のE-TYPEをEV化するサービスも

2018年8月24日(現地時間)公開

「E-TYPE」をEV化した「E-TYPE ZERO」

 英ジャガーは、8月24日(現地時間)に米国で開催された「ザ・クエイル・モータースポーツ・ギャザリング」でEV(電気自動車)「E-TYPE ZERO」の最新コンセプトモデルを公開するとともに、同モデルの製造・販売を決定したことを明らかにした。スペックや価格については後日発表するとしており、2020年夏にデリバリーを開始する予定。

 E-TYPE ZEROは、英国コベントリーにあるクラシック・ワークスでレストアされ、パワートレーンを電動化したモデル。電動パワートレーンはジャガー「I-PACE」のコンポーネントを取り入れながらE-TYPE向けに特別設計されたもので、リチウムイオンバッテリーパックはE-TYPEの6気筒XKガソリンエンジンと同じサイズ・重量で、同じように配置。

 また、E-TYPEのギヤボックスと同じ場所になるように、電動モーターはバッテリーパックの真後ろにレイアウト。新しいプロペラシャフトが、キャリーオーバーされたディファレンシャルとファイナルドライブに電力を送る構造になっている。航続距離は軽量化とスリークなエアロダイナミクスによって270kmを実現。40kWhのバッテリーを搭載した場合、約6~7時間で充電が完了するという。

英国コベントリーにあるクラシック・ワークスでレストアされ、パワートレーンを電動化

 現行のガソリンエンジンやトランスミッションと同じ重量・寸法を持つ電動パワートレーンを使うため、サスペンションやブレーキといった車両の基本構造は変更なし。そのため、電動パワートレーンの統合がシンプルになり、オリジナルのE-TYPEと同様のドライビングエクスペリエンスを提供できるという。さらに前後の重量配分も変わらず、オリジナルのE-TYPEのような走りとハンドリング、乗り心地、ブレーキングを楽しめるとしている。

 なお、既存のE-TYPEオーナー向けにEV化するサービスも提供するとのことで、E-TYPEのオリジナリティを保持するため、電動化した後もオリジナルのエンジンを付け替えて元の状態に戻すことも可能という。

リチウムイオンバッテリーパックはE-TYPEの6気筒XKガソリンエンジンと同じサイズ・重量で、同じように配置。E-TYPEのギヤボックスと同じ場所になるように、電動モーターはバッテリーパックの真後ろにレイアウトされる

 今回の発表について、ジャガー・ランドローバー・クラシックでディレクターを務めるティム・ハニング氏は、「『E-TYPE ZERO』のコンセプトモデルを発表して以来、その大きな反響に驚いており、感激しています。未来を見据えたクラシックカーの楽しみ方を提案できたことは、ジャガー・クラシックにとっても今後の成長に向けた大きな足掛かりになります。『E-TYPE ZERO』は、『E-TYPE』がもつ伝統と、クラシック・ワークスの専門性やクラフトマンシップを結集させたモデルであると同時に、ジャガー・クラシックを含む、ジャガー・ランドローバーが展開するすべてのビジネスにおいて、ゼロ・エミッションに向けたコミットメントを実現するものでもあります」と述べている。

オプションで最新のタッチスクリーン式インフォテインメント・システムを搭載することもできる