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エネコート、トヨタと車載用ペロブスカイト太陽電池の共同開発を開始

2023年6月27日 発表

ペロブスカイト太陽電池の構造(イメージ)

 エネコート(エネコートテクノロジーズ)は6月27日、トヨタ自動車と車載用ペロブスカイト太陽電池の実用化を目指して共同で取り組むことに合意し、開発を開始したと発表した。

 ペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイト構造と呼ばれる結晶構造を持つ化合物を用いた次世代の太陽電池で、2009年に日本で発明され、実用化に向けて世界中で開発が進んでいるという。その特徴は、20%以上の高い発電効率、薄い・軽い・曲がる、少ない工程で製造が可能などがあげられ、少ないエネルギーで製造ができ、低コスト化も期待されているほか、高効率・薄膜・軽量であることからルーフなどに搭載する車載用太陽電池に適するとされている。

 エネコートでは京都大学化学研究所の若宮淳志研究室の研究成果を基に2018年に設立されたスタートアップ企業として、高効率なペロブスカイト太陽電池の材料技術や成膜技術を有しており、モジュール変換効率19.4%(2023年4月時点)という高出力なフィルム型ペロブスカイト太陽電池の開発に成功している。

 一方、トヨタでは、結晶シリコンセルを用いた車載太陽光発電システムの実用化を進めており、さらなる発電効率向上や低コスト化を目指していて、今後両社は、再生可能エネルギーの自給自足を促進しカーボンニュートラル実現への貢献することを目指し、エネコートのペロブスカイト太陽電池の要素技術とトヨタのソーラーパネルの車載技術を融合させ、実用化に向けた開発を進めていくとしている。