ニュース
テクノソフト、マイクロソフトとディーラー向けマネジメントシステム「Technosoft Automotive Solution」説明会
2023年7月3日 21:55
Technosoft Automotiveが日本市場に参入
世界10か国にDMS(ディーラー向けマネジメントシステム)を展開しているTechnosoft Automotiveは7月3日、都内においてDMS「Technosoft Automotive Solution」の日本市場参入会見をマイクロソフトとともに開催した。
日本法人であるTechnosoft Japan株式会社 のPresidentには吉島良平氏が就任し、Technosoft Automotive のCOOと兼務していく。
来日したTechnosoft Automotive CEO フレディ・タン(Fredy Tan)氏は、1996年にTechnosoftを創業。2012年にはTechnosoft Automotiveとし、Microsoft Dynamics 365を基盤として自動車ディーラー向けのDMSであるTechnosoft Automotive Solutionを成長させてきた。採用実績は、創業の地であるインドネシアでは三菱自動車系やトヨタ系など25%のディーラーに採用、フィリピンでは日産自動車系などで50%のディーラーに採用されている。ベトナムでは18%とこれからだが、すでにビリュニスなどヨーロッパ地域への進出もしており、今回日本市場への参入となった。
タンCEOは日本市場への進出について、日本の“おもてなし体験”が優れていることを挙げる。タンCEOは日本のレストランで、入店時には「いらっしゃいませ」とあいさつがあり、退店時には「ありがとうございました」とあいさつがあり、それが素晴らしいユーザー体験につながっているという。そのような最高の顧客体験をDMSで提供していくことがミッションだという。
もちろん日本市場進出の背景には、インドネシアやフィリピン、タイで大きな市場を持っているのが、日本のOEMのため、より深く日本のOEMと一緒にグローバル展開していくという目標もあるとのこと。しかしながら、日本のユーザーと一緒にDMSの質を上げていくことも大切だと語った。
将来的には容易に生成AIを取り込めるとマイクロソフト 竹内氏
このようにアップデートが可能なのは、Technosoft Automotive SolutionがマイクロソフトのクラウドであるAzureを採用したSaaS型のアプリケーションでもあるため。タンCEOは、「春と秋にはマイクロソフトの大型アップデートもあり、常に最新の環境を提供可能」と語り、次々に新たな脅威や新技術の出てくるWeb業界への対応力があり、最新のプラットフォームで仕事が行なえるという。
その1つの例としては、生成AIへの対応を挙げた。参入会見に登壇した日本マイクロソフト 執行役員 常務 モビリティサービス事業本部長 竹内洋二氏によると、マイクロソフトではすでに発表しているようにMicrosoft 365 CopilotでExcelやPowerPointなどのアプリケーションにOpen AIの生成AIを展開していく。同様にクラウドサービスのAzureでもOpen AIのAI技術が使えるようになり、Azure上でサービスを展開しているTechnosoft Automotive Solutionでもそれは同様とのこと。
生成AIの展開例としては、消費者のペルソナ分析や確かなペルソナの作り上げなどを挙げ、ディーラーが本当に必要としている情報を生成AIを使うことで、得られるようになる可能性を挙げた。
マルチブランドディーラーから訴求していくと吉島President
よく知られているように、日本はメーカー直営ディーラーや地場資本ディーラーなどさまざまな経営形態のディーラーがある。Technosoft Automotive Solutionの課金体系は、ディーラースタッフの利用者1人あたりやディーラー数に応じてとなっており、ディーラーのスタッフ構成がベースになっている。
このような課金体系で、まず日本市場で目的とするディーラーはと確認したところ、日本市場を担当するTechnosoft Japan 吉島Presidentは、「当初はマルチブランドディーラーを」と語る。複数のOEMを扱っている会社であれば、複数のシステムが入っている可能性があり、顧客に統合的にサービスできていない可能性がある。また、Technosoft Automotive Solutionでは、Dynamics 365へのERP連携機能があり、たとえばリコール時のワランティなどもTechnosoft Automotive SolutionからDynamics 365へ引き渡して管理・請求できる機能を持っている。このように経理関連をOEMブランドを超えてできることは多大なメリットがあると語る。
その上で、日本で普及していくためには「1にも、2にも、3にもローカライズ」とのこと。これは日本語対応ということだけでなく、日本の法律などに対応することで、法律に従った計上や手続きに要する時間を大幅に減らしていけるとのこと。
少子高齢化社会となる日本では、DMSによって働き方改革を進め、いかに効率的に働いてもらえる職場を作るかということも、今後のディーラーの課題となるという。