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BMW、新型「5シリーズ」販売開始 シリーズ初のEV&48Vマイルドハイブリッド搭載モデルラインアップ 価格は798万円から

2023年7月13日 発売

798万円~1548万円

新型5シリーズ

 ビー・エム・ダブリューは7月13日、プレミアムセグメントにおけるミドルクラスセダン「5シリーズ」を全面改良して発売した。

 ラインアップは48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載するガソリンエンジンモデルの「523i」、同じく48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載するディーゼルエンジンモデルの「523d」、EV(電気自動車)の「i5」を用意。先代モデル同様に、ドイツのディンゴルフィング工場で生産される。

 価格は523iが798万円~868万円、523dが918万円、i5が998万円~1548万円の予定。納車時期は523i、i5が2023年第4四半期以降、523dが2024年第1四半期以降を予定している。

モデル価格
523i Exclusive7,980,000円
523i M Sport8,680,000円
523d xDrive M Sport9,180,000円
i5 eDrive40 Excellence9,980,000円
i5 eDrive40 M Sport9,980,000円
i5 M60 xDrive15,480,000円

新型5シリーズのハイライト

 5シリーズは1972年に初代モデルが誕生し、今回の新型5シリーズは第8代世代目。約7年ぶりにフルモデルチェンジを行ない、BMW伝統のデザインを踏襲しつつコンセプトを一新し、格式のある存在感とエレガントさを高めた。ボディサイズは5060×1900×1515mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2995mm。

新型5シリーズ

 走行性能面では、約半世紀にわたる5シリーズの歴史の中で初めて、電気のみで走行するEVのi5を量販モデルとMパフォーマンスモデルの2モデル同時にラインアップ。さらに、新型5シリーズにおいて初となる48Vマイルドハイブリッドシステムモデルを、ガソリンおよび、ディーゼルエンジン搭載モデルに設定するなど、パワートレーンを充実させた。

 加えて、先進のデジタル技術で高い安心、安全、快適な機能も採用。一定の条件下でステアリングから手を離して走行できる運転支援システム「ハンズ・オフ機能付き渋滞支援機能」のほか、「OK, BMW」と話しかけることで車両の操作や目的地の設定などができる最新のコネクティビティも搭載。「BMWデジタル・キー・プラス」も標準装備され、車両のキーを持たなくても対応のスマートフォンやスマートウォッチを携行していれば車両に近づくだけでロック解除が可能。車内にロック解除に使用したデバイスがあるだけで、エンジンも始動できる。

新しいデザイン言語を用いた新型5シリーズ

 新型5シリーズのデザインは、新しいデザイン言語によってスポーティさに加え、エレガンスとセダンらしい格式のある存在感を強調。フロントデザインは現代的な解釈によるツインヘッドライトを採用し、BMW伝統のキドニーグリルを垂直方向に拡大し、やや前方に突き出たシャークノーズ&ロングボンネットが特徴となっている。ほぼ垂直に配置されたLEDはデイライトライニングおよび、ウインカーとして機能し、キドニーグリルには夜間走行時にBMWブランドの象徴である造形を印象的にライトアップするBMWアイコニック・グローを備えている。

 サイドデザインは、高いショルダーライン、金属を削り出したような塊感のある力強くデザインされたドアパネルとフェンダーの造形、正確にトレースされた2本のキャラクターラインで躍動感を創出。ブラックのサイドスカートがサイドビューをスポーティに引き締め、ドア表面に埋め込まれたドアハンドルから、特徴的なホフマイスターキンクを形成するガーニッシュへとダイナミックに伸びたシルエットがリアエンドへ流れ込む力強いプロポーションが印象的となる。

 リアデザインは、クロームストリップで分割されたフラットなリアライトが特徴的なL字型を高品質かつ表情豊かに表現し、リバースライトをリアバンパー内に配置することで、斬新かつエレガントなデザインとしている。

 インテリアは、BMW特有の“駆け抜ける歓び”を感じられるデザインとし、長距離走行では高次元の快適性を提供するデザインエレメントを採用。広々としたスペース、随所に取り入れられたモダンな機能、高次元のオーディオ性能、高品質で精密に加工された素材、高度なデジタルサービスがインテリアの雰囲気を特徴づけている。

 新型5シリーズの運転席は先代モデルに比べてボタン類が大幅に削減され、無駄を省いた洗練された印象を与えている。BMWカーブドディスプレイは、最新の12.3インチのインフォメーションディスプレイと14.9インチのコントロールディスプレイで構成。インストルメントパネル中央からドアトリムにかけて立体的なクリスタル面が貫くBMWインタラクションバーを標準装備し、ドライバーの好みの走行モードに応じて室内空間をアーティスティックに演出する。

 ステアリングホイールも再設計され、下部セクションが平らになり、ステアリングまわりに空間を付与。コントロールパネルとセンターコンソールのセレクターレバーには操作時のフィードバックが追加されている。

 さらに、地球環境に配慮して、シート、ダッシュボード、ドアパネルの表面、ステアリングホイールに、植物を主原料とした持続可能な素材で、上質なレザーと同等の柔らかさと風合い、耐久性を実現したビーガンインテリア仕様を一部モデルに標準装備した。

48Vマイルドハイブリッド&EVで全ラインアップを電動化

 パワートレーンは、大幅に進化をとげた第5世代のBMW eDriveテクノロジーが搭載されたEVのi5を2バリエーション用意。さらに、高効率ガソリンエンジン、クリーンディーゼルエンジン搭載モデルには48Vマイルドハイブリッドシステムが組み合わせられ、新型5シリーズの全ラインアップが電動化された。

 i5 M60 xDriveは、最高出力192kW(261PS)を発生する1つの電気モーターを前輪に、最高出力250kW(340PS)を発生する1つの電気モーターを後輪に搭載する4輪駆動のMパフォーマンスモデル。システムトータルでの最高出力は442kW(601PS)、最大トルクは820Nmとし、MスポーツブーストまたはMローンチコントロール機能が作動している場合、0-100km/h加速は3.8秒となる。ボディ床下に収納されているリチウムイオン電池の総エネルギー量は81.2kWhで、一充電での最大走行可能距離は455~516km(ヨーロッパ仕様値)。

 i5 eDrive40は、最高出力250kW(340PS)を発生する電気モーターで、後輪を駆動するBMW伝統の後輪駆動モデル。最大トルクは430Nmで、スポーツブーストまたはローンチコントロール機能が作動している場合、0-100km/hは6.0秒となる。ボディ床下に収納されているリチウムイオン電池の総エネルギー量は81.2kWhで、一充電での最大走行可能距離は477~528km(ヨーロッパ仕様値)。

 523iは、EfficientDynamicsエンジンの新世代モジュール式高効率直列4気筒2.0リッターBMWツインパワーターボガソリンエンジンを搭載。従来モデルに対してより高精度なターボシステム&バルブ制御に加え、ツインインジェクションを搭載したミラーサイクルエンジンに進化させることで、より低燃費かつダイナミックな走りを実現すると同時に、48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせ、システムトータル最高出力140kW(190PS)、システムトータル最大トルク310Nmを発生する。

 523d xDriveは、EfficientDynamicsエンジンの新世代モジュール式高効率直列4気筒2.0リッターBMWツインパワーターボディーゼルエンジンを搭載。ピストンの軽量化などの改善に加え、低速側を可変ウィングとしたシーケンシャルツインターボの電子制御精度を向上したうえで、48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせ、システムトータル最高出力145kW(197PS)、システムトータル最大トルク400Nmを発生する。

 ドライビングダイナミクスにおいては、ダイナミックな走行性能、あらゆる運転状況における安定性、高精度なハンドリング性能、優れた乗り心地、世界最高のドライビングダイナミクスの実現を目指し、ロングホイールベース、フロントアクスルとリアアクスルのトレッド幅の拡大、バランスのとれた50:50の前後重量配分、インテリジェントな軽量構造、ボディとシャシーの接続剛性の向上などに加え、さまざまな最先端シャシーテクノロジーを採用。

 広範囲に進歩したシャシー制御技術はモデルバリエーションごとに最適化され、センシングと同時に最短時間で直接制御されるホイールステップテクノロジー、統合ブレーキシステム、可変ステアリングレシオを備えたスポーツステアリングを全車標準装備。4輪操舵を可能とするインテグレーテッドアクティブステアリングと、電子制御のショックアブソーバーを備えたアダプティブサスペンションをi5に標準装備、523iと523d xDriveはオプション設定とした。Mパフォーマンスモデルのi5 M60 xDriveには、さらにアクティブロールコントロールを備えた電子制御スタビライザーを含むアダプティブMサスペンションプロフェッショナルを標準装備し、ダイナミックな走行性能と快適な乗り心地を高い次元で両立することで、EVの特性を最大限に活かした新時代の「駆け抜ける歓び」を実現している。

各種最新運転支援機能を搭載

 新型5シリーズには、ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能や、高性能カメラ&レーダー、高性能プロセッサーによる高い解析能力によって、精度と正確性が向上した最先端の運転支援システムを標準装備。アクティブクルーズコントロール(ストップ&ゴー機能付)、レーンチェンジウォーニング(車線変更警告システム)および、レーンディパーチャーウォーニング(車線逸脱警告システム)、ステアリング&レーンコントロールアシスト、再度コリジョンプロテクション、衝突回避・被害軽減ブレーキ(事故回避ステアリング付)、クロストラフィックウォーニング、ペダル踏み間違い急発進抑制機能を標準装備としている。

 加えて、標準装備となるパーキングアシストプロフェッショナルには、35km/h以下で車両が直前に前進したルートを最長200mまで記憶し、その同じルートをバックで正確に戻れるリバースアシストプロフェッショナル機能が採用されている。

 さらに、駐車時にステアリング、アクセル、ブレーキ操作が一切不要な「パーキングサポートプロフェッショナル」も標準装備。自宅駐車場や勤務先駐車場を車両に登録しておくことで、駐車スペースが近づくと車両が自動で検知し、検知後は完全自動運転が可能となる。駐車場所は最大10か所の記録ができ、最長200mまでの駐車操作(合計600mまで)を記録できるため、狭いスペースで複雑な切り返しが必要な場合でも正確に再現できるとした。また、駐車スペースが狭い場合はドライバーが下車し、車外からスマートフィンでコントロールできる「リモートパーキング」機能により、スマートかつ快適に駐車操作を行なえる。

 また、新型5シリーズには車載カメラを使用した全方向(前後&左右)記録可能なBMWドライブレコーダーを標準装備。後付けのドライブレコーダーと異なり、車両後方の映像もウィンドウ越しではなく直接撮影するため、あおり運転などの危険運転車両と遭遇した際に車両のナンバーも鮮明に記録すると同時に、サイドのカメラで幅寄せの映像記録にも対応。前方カメラを使ってドライビング中に前方の美しい景色を記録することもできる。

 車両の盗難や車上荒らしなどの被害を事前に防止できる、車両の異常をスマートフォンに知らせるアラームシステムも標準装備。車両がロック中に異常を検知すると、登録されているスマートフォンに通知を行なうと同時に、車両周辺や車両室内の映像もスマートフォン上で確認できる。

 進化したBMWカーブドディスプレイ「QuickSelect」機能を備えた制御システムも採用。BMWオペレーティングシステム8.5をベースにしており、運転席側に機能アイコンを縦に並べた再設計されたホーム画面を備え、QuickeSelect機能によりサブメニューに切り替えることなく機能に直接アクセスできるため、メニュー構造が大幅に改善され、操作しやすくなっている。

 最新のBMWオペレーティングシステム8.5により、新型5シリーズで初導入されるAirConsoleプラットフォームを用いた革新的な車内ゲームが使用可能となった。ドライバーと同乗者は車両が停止している際、スマートフォンをコントローラーとして14.9インチのセンターディスプレイを使用して対戦型ゲームをプレイ可能としている。

 そのほかにも、車載通信モジュールにより、ドライバー、クルマなどをITネットワークでつなぐことで「もしものときに備える万全の安全性」「カーライフを進化させる革新の利便性」「充実の情報と最新のエンターテインメント」を提供する総合テレマティクスサービスの「BMWコネクテッドドライブ」も採用。

 加えて、快適でスマートなモビリティライフをサポートするスマートフォン向けアプリ「My BMW」や、「OK, BMW」と話しかけることで起動するAI技術を活用する「BMWインテリジェントパーソナルアシスタント」も採用されている。

5シリーズは「BMWの本質的な価値を持つ中心のクルマ」

 発表に先駆けて行なわれたメディアプレビューでは、BMWジャパン プロダクトマネジメント 御館康成氏が新型5シリーズの商品概要を説明した。

BMWジャパン プロダクトマネジメント 御館康成氏

 その中で御館氏は、「5シリーズは、世界のスポーツセダンの絶対的ベンチマークである3シリーズに対して、より長距離の快適性を提供します。さらに、昨年、大きなモデルチェンジを行ない、よりショーファードリブンカーとして快適性を高めた7シリーズに対して、オーナードライバーズカーとしてのスポーティさを持つ5シリーズこそ、われわれBMWの本質的な価値を持つ中心のクルマというふうにわれわれは考えます」と、5シリーズの位置付けについて解説。

 続けて、「昨今SUV系のクルマの需要が高まり、セダンが相対的に落ちてきたとしても、やはり着座位置が低く、人とクルマが一体となって操れるセダン。リアがハッチゲートではなく、独立したトランクを持ち、後席の快適性が高いセダン。やはりこのクルマこそが、突き詰めて考えればBMWの本質であると考えます」と、セダンこそがBMWのアイコンであるとした。

 また、「5シリーズこそ、BMWのセンターオブカスタマーバリューとして、最高の商品にしたいと考えました。新型5シリーズはBMWらしい美しいスタイルを持つセダンであり、なんと言っても“駆け抜ける歓び”があります。そして、最新のデジタルエクスペリエンスに注力をしました。特に日本のお客さまの、国産車からアップグレードされる方は、この領域に対して非常に強い関心を持っているという声をいただいておりますので、日本仕様は特にこだわって取り組んでおります」と、日本仕様においてこだわった点を語った。

フロントビュー
サイドビュー
リアビュー
キドニーグリルにはBMWアイコニックグローを採用
諸元
インテリアスタイリング
i5 M60 xDriveの特徴
523iのマイルドハイブリッドガソリンエンジンの特徴
新型5シリーズに搭載されるデジタル機能