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BMW、新型5シリーズに世界初の「視線誘導による自動車線変更機能」を搭載

2023年4月26日(現地時間) 発表

BMWが開発中の新型5シリーズに「視線誘導による自動車線変更機能」を世界初搭載した。写真はi5 M60 xDrive

 独BMW AGは4月26日(現地時間)、ワールドプレミアを数週間後に控えた新型5シリーズに、スポーツ性と乗り心地のバランスをさらに高める進化した「バーティカル・ダイナミクス・マネジメント」と、世界で初めて視線誘導によって先行車との距離を調整し、ステアリング調整と車線変更を行なう「ハイウェイ・アシスタント」を搭載したと発表した。第8世代の新型5シリーズは2023年夏にバイエルンのディンゴルフィン工場で生産が開始される予定で、市場投入は2023年10月ごろを予定する。

 新型5シリーズのバッテリEV(電気自動車)モデルである「i5」は1年以上にわたり、スウェーデンのアリエプローグにある雪や氷に覆われた路面設備のある冬季テストセンターや、酷暑や乾燥した条件の地域、市街地走行や田舎道、高速道路や厳選したサーキットなど、変化に富んだテストプログラムを実施。その後、南フランスのミラマ郊外にあるBMWグループの試験場で、走行体験に関わるすべてのコンポーネントの微調整を行なったという。

i5 M60 xDrive
i5 M60 xDrive

 また新型5シリーズは、内燃機関、プラグインハイブリッド、バッテリEVの3タイプを設定するため、車両重量に大きな幅があり、それぞれのパワートレーンごとにシャシーチューニングとセッティングを実施。ホイール速度、ステアリング角度、ヨーレート、加速度など、広範囲にネットワーク化された新開発の制御システムは、利用可能なすべての入力変数を考慮して、理想的な減衰力を設定。システムは、数学的なモデルを使って必要な減衰力を計算するのではなく、現在の運転状態のデータを物理的に計算することを優先し、あらゆるドライビングシーンにおいても、的確なボディコントロールと正確なサスペンションレスポンスを両立するという。

i5 M60 xDrive

 電子制御ダンパーの「アダプティブ・サスペンション・プロフェッショナル」は、トップグレードのi5 M60 xDriveには標準装備され、i5 eDrive40はオプション設定。7シリーズに迫る乗り心地と、3シリーズ並みのスポーツアジリティと、BMW伝統のドライビングプレジャーを実現する。

世界初の視線誘導による自動車線変更機能を採用

 米国・カナダ・ドイツで販売される新型5シリーズには、「ドライビング・アシスタント・プロフェッショナル」がオプション設定され、130km/hまでの速度で使用できる「ハイウェイ・アシスタント」を完備。高解像度カメラ、高精度レーダーセンサ、最新コントロールユニット、そして膨大な距離の走行テストによって改良されたソフトウェアアプリケーションを採用し、安全性と快適性をさらに高めている。

i5 eDrive40

 ハイウェイ・アシスタントが作動すると、車間距離制御と車線制御に必要なステアリング操作をシステムが代わりに行なうため、ドライバーは両手を楽な姿勢に保ち、車両周囲の状況や交通状況の把握に集中できる。

 また、室内カメラはドライバーの運転状態(居眠り・脇見など)を監視するだけでなく、ハイウェイ・アシスタントに世界で初めて採用した「アイ・アクティベーション(視線誘導)」による自動車線変更機能にも活用。この機能により、ドライバーが車線変更を希望し、交通状況が許せばサイドミラーの方向を見ることでクルマが車線変更プロセスを開始し、必要なステアリング操作と速度調整を130km/hまでの速度域で実行。自動運転機能を新たな次元に引き上げたとしている。