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ヤマハ、大型スポーツタイプのLMW「NIKEN GT」モデルチェンジ 排気量をアップした新型CP3エンジン搭載など

2023年7月7日 予約開始

220万円

NIKEN GT

 ヤマハ発動機は7月7日、前2輪のLMW(Leaning Multi Wheel)の大型スポーツモデル「NIKEN GT(ナイケン ジーティ)」のモデルチェンジを発表した。

 受注生産のみとなり、同日から全国のNIKEN取扱店で予約を開始している。価格は220万円。

モデルチェンジのハイライト

 NIKEN GTは、パラレログラムリンクを用いたサスペンションと操舵機構で軽快感と安定感の両立に貢献する、進化したLMWテクノロジーが生み出す安定感に支えられたコーナリング性能と、快適な長距離ツーリングを可能にする上質なクルージング性能を両立させた大型スポーツタイプのLMWモデル。

 操舵系に加えて傾斜系の軸を設定し、相互を位相配置したヤマハ独自の構造「LMWアッカーマン・ジオメトリ」の採用により、トレッド幅が広いLMWで深くリーンしても、滑らかな旋回性を確保。狙ったラインをトレースしやすく、自然で上質感ある操舵性をもたらしている。

LMWアッカーマン・ジオメトリについて

 今回のモデルチェンジは、“Evolution for high-end touring”をコンセプトに開発され、長距離ツアラーとしての快適性と積載性を向上。また、LMWならではの自然な操舵性とリーン特性を両立したハンドリングに加え、細部の上質感など、LMWカテゴリーのフラッグシップにふさわしい仕上がりとした。

 外観は新たな機能をより魅力的に視覚化し、既存のデザインと調和させたスタイリングに変更。エアロダイナミクスと取り付け強度、可動部分の剛性を高めつつ、スムーズな風の流れが感じられるよう可動式スクリーンの先端形状を最適化。スポーツLMWが持つ唯一無二の骨格感を活かしつつ、7インチ高輝度TFTメーターや足つき性を改善したシート、新作スプロケットカバーなど、新しい機能・装備をミニマムな意匠変更で調和させた。

 カラーリングコンセプトは“Premium sport”とし、ボディカラーにエレガントかつ洗練された印象を与える漆黒のブラックを採用。フレームやステムまわり、ホイールといったコンポーネントには強靭な骨格を強調するブロンズカラーを合わせた。

 パワートレーンは、新しく845cm 3 から888cm 3 に排気量をアップし、平成32年排出ガス規制に適合したCP3(クロスプレーン・コンセプトの3気筒)エンジンを搭載。余力のあるパワーと力強いトルクにより、スポーツツアラーにふさわしい、スムーズで扱いやすいモデルとした。

 また、排気量アップに伴い、クランクウェブの形状を変更し(クランク慣性モーメント8%増)、各種制御や吸排気系とのマッチングを図りながら、ドライバビリティ(動力性能/乗り味)を向上。加えて、吸気ダクトとエアクリーナーの形状を最適化することで、クリアなサウンドチューニングとし、長距離走行時の快適性を高めた。

水冷4ストロークの直列3気筒DOHC 888cm3エンジンを搭載。最高出力は85kW(116PS)/1万rpm、最大トルク91Nm(9.3kgfm)/7000rpmを発生する

 ハイブリッドフレームは新設計となり、スチール鋳造(ヘッドパイプまわり)・アルミ鋳造(リアブラケットまわり)・スチールパイプ(メイン部分)を組み合わせたハイブリッド構造を踏襲しつつ、メイン部分を中心にフレームを刷新。パイプ径やその取りまわし、エンジン懸架点を見直し、LMWならではの安定感を維持するとともに、スポーティなハンドリングを実現した。

新設計のハイブリッドフレームを採用

 さらに、安定感に優れたフロントまわりとバランスさせるため、リアサスペンションのセッティングとアームリレイ(リンク)の見直しを実施。リンクレバーとバネ下重量を最適化することで、1名乗車時はしなやかにストロークし、衝撃吸収性が向上。2名乗車や荷物のフル積載時も余裕のクッション特性を実現した。

 各種電子制御類も充実し、電子制御スロットルにはAPSG(Accelerator Position Sensor Grip)が新たに追加され、ナチュラルな操作性を実現。クイックシフターは、これまでのシフトアップに加えて、シフトダウンにも対応する新タイプを採用した。そのほかにも、アシスト&スリッパークラッチや、3つのエンジン特性を選べるD-MODE(走行モード切替システム)、高速道路走行時の疲労度の低減に貢献するクルーズコントロールも引き継いで搭載されている。

 加えて、ツーリングの楽しさを拡張させる、大型で見やすい7インチ高輝度TFTメーターを採用。モニター画面はシーンや好みに合わせて3種類から選択できるほか、ライダー自身のスマートフォン情報を車両のTFTメーターで表示するためのアプリ「MyRide - Link」をインストールし、Bluetooth経由で車両と接続すると、着信やメール受信、現在地周辺の天気、音楽再生など、スマートフォンの情報を車両のメーターに表示可能とした。さらに、ヤマハとGARMINが共同開発した二輪ナビアプリ「Garmin Motorize」(有料)をインストールすると、メーター画面でナビ機能も使用できる。

7インチ高輝度TFTメーター

 そのほかにも、任意の位置に高さ調整可能な可動式スクリーン(スライド量は最大70mm)、大容量約30L・最大積載量5kg(いずれも片側の数値)のハードタイプサイドケース(別売)を固定するための上部ステー、内腿が触れる部分のシート形状とシートパッド厚を変更し、足付き性を高めた新作シートなど、ツアラー機能を高める装備を充実させている。

ツアラーとしての快適性と機能性を高める装備を充実
主要諸元