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三菱自動車、新型コンパクトSUV「エクスフォース」世界初披露 アセアン地域や中東、アフリカなどで順次展開
2023年8月10日 16:41
- 2023年8月10日(現地時間)公開
三菱自動車工業は8月10日(現地時間)、第30回インドネシア国際オートショー(会期:2023年8月10日~20日)において、新型コンパクトSUV「エクスフォース」を世界初披露した。同モデルはミツビシ・モータース・クラマ・ユダ・インドネシアで生産され、インドネシアで販売を開始した後、ベトナム、フィリピンなど他のアセアン地域や南アジア、中南米、中東、アフリカにも順次展開を拡大する計画。
新型エクスフォースは、アセアン地域でのコンパクトSUVの使われ方にこだわって開発した5人乗りのコンパクトSUV。「Best-suited buddy for an exciting life(毎日を愉しく過ごすことができる頼もしい相棒)」をコンセプトとし、スタイリッシュかつ力強い本格的なSUVデザインを特徴とした。また、ボディサイズは4390×1810×1660mmとし、取りまわしのいいコンパクトなサイズでありながら、広々とした居住空間や多彩な収納スペースなどの快適性・実用性を両立しており、さまざまな天候や路面において安全・安心の走破性を実現する、毎日の生活をワクワクさせてくれるコンパクトSUVに仕上げたという。
三菱自動車工業 代表執行役社長兼最高経営責任者の加藤隆雄氏は、「新型『エクスフォース』はコンパクトSUVに求められる走りのよさや運転のしやすさ、快適な居住空間や多様な使い勝手などの要件を満たしたうえで、お客さまが日常の運転においてもワクワクして胸が高鳴るようなクルマにしたい、という想いを込めて開発しました。アセアン地域のみなさまのニーズを徹底的に汲み取りながら、現地の路面環境でチューニングを繰り返して開発しており、自信を持ってお届けいたします。今までよりも一歩先まで踏み出したい、何か新しいことに挑戦してみたいといったドライバーのさまざまな冒険をサポートする、頼もしい相棒のような存在になれれば幸いです」と述べている。
優雅さと堅牢性を融合させた本格的なSUVデザイン
エクステリアでは「Silky & Solid」をコンセプトに、優雅さと堅牢性を融合させたスタイリッシュかつ力強い本格的なSUVデザインとし、アセアンの都会からアウトドアシーンまで圧倒的な存在感を発揮するスタイリングを実現。ボディ上部はフロントのスリーダイヤからサイド、リアへと連続的につながる流れるような面と、浮いているような視覚効果を与えるフローティングルーフによって、シルクのように滑らかな軽やかさを表現。ボディ下部はSUVらしい力強くソリッドなプロポーションとした。また、クラストップレベルとなる222mmの最低地上高や、18インチのホイールと大径タイヤによって悪路走破性を確保することで本格的なSUVスタイリングとし、フェンダーフレアはがっしりとした筋肉を思わせる造形で、アスリートのような敏捷性を表現している。
フロントではデザインコンセプトに合わせて「ダイナミックシールド」を進化させ、パワートレーンのパフォーマンスを象徴するフロントグリルを、左右バンパーでプロテクトする造形と立体的に一体化させることで、奥行き感のあるスポーティなフロントフェイスに仕上げた。LEDデイタイムランニングランプは、L字型とスリット状の造形を組み合わせてT字型に発光させ、遠くからでもひと目で三菱車と分かるアイコニックなデザインとするとともに、ワイド感のあるスタンスを強調した。
また、ボディサイドは彫刻的な前後フェンダーフレアやキャラクターラインによって、張りのある立体的な面構成にメリハリをつけ、SUVの逞しさや躍動感を表現。リアにおいてもフロントと同様にT字型のLEDテールランプを採用し、ワイドで安定感のあるデザインを実現したという。
「パジェロ」で使われた3連メーターをオマージュしたマルチメーター
インテリアでは、インストルメントパネルにおいて水平基調の「HORIZONTAL AXIS(ホリゾンタル・アクシス)」コンセプトを採用し、前方の視認性を高めるとともに、悪路走行時の車体姿勢の変化をつかみやすくした。さらに、インストルメントパネルをドアトリムまでつながるダイナミックな形状にすることによって、広々とした開放的な空間を実現。インストルメントパネルのパッド素材には三菱車で初めてメランジ生地を採用し、ドアトリムまで連続させることによって包まれ感を演出した。また、12.3インチのスマートフォン連携ディスプレイオーディオとデジタルドライバーディスプレイを一体化させた大型のモノリス形状のパネルによって、先進感も印象付けている。
また、コンパクトなボディサイズでありながら、すべての乗員がゆったりと過ごせる広々とした室内空間を実現しており、前席では肩口のゆとりなど、クラストップレベルの座席空間を確保して快適性を向上。さらに、座席においてはサポート性とゆったり感を両立させることで、レーンチェンジや荒れた路面などでも体が左右に揺れにくく、渋滞時でも窮屈さを感じずに過ごすことが可能という。
後席では大人3名が乗車しても快適に過ごせる空間にこだわり、クラストップレベルの座席空間を確保することでゆとりある足下スペースを実現し、3名乗車時でも快適に過ごせるよう配慮。リクライニングは8段階調整とし、乗員がゆったりと座れる角度から荷室容量をより広く確保できる角度まで、幅広いニーズをカバーした。
さらにヤマハと共同開発した新開発のオーディオシステム「ダイナミックサウンドヤマハプレミアム」を初搭載。すべての座席で音楽を楽しめる8スピーカー構成とし、両サイドのAピラーにフロントツイーター、フロントドアにウーファー、リアドアにはウーファーの同軸上にツイーターをレイアウトしたコアキシャル2-wayスピーカーを配置した。スピーカーの性能を最大限に発揮できるよう、車両側に最適な音質向上策を施すとともに、走行時は車速に応じて音量と音質を補正することで、荒れた路面でも輪郭のはっきりした中高音と躍動感のある低音を楽しめるという。また、音の好みや気分によって選択できるライブリー(初期設定)、シグネチャー、パワフル、リラクシングの4つのサウンドタイプも用意した。
また、12.3インチのスマートフォン連携ディスプレイオーディオを採用し、マルチウィジェット表示では画面を3分割することでさまざまな情報を提供することが可能。往年の「パジェロ」で使われていた3連メーターをオマージュしたマルチメーター表示では、高度や前後左右傾斜、方角などの情報を組み合わせて表示する。さらにダカールラリー2連覇の経験をもつ増岡浩氏が監修する、三菱自動車初のドライビングスコア機能など、多彩なコンテンツを備えた。また、同社初採用となるWebLinkのアプリケーションをワイドな画面で楽しめるほか、スマートフォンの画面のミラーリングも可能としている。
利便性については乗員の使い勝手を考慮し、車内の各所に便利な収納スペースを豊富に用意。ドアトリムやフロアコンソールなどには合計21本の600mLのペットボトルが収納可能なドリンクホルダーを設置。フロアコンソールには空調の冷気を利用して飲み物を冷やすことができるドリンククーラーを設けた。また、センターコンソールにワイヤレスチャージャー、前席と後席それぞれにUSB Type-AとType-Cのポート、各席にスマートフォンを置けるスペースを用意するなど、スマートフォンに配慮した収納スペースも充実させた。
ラゲッジルームではクラストップレベルの床面積を確保するとともに、荷室フロアの高さも調整可能とすることで、スーツケースなどの大型の荷物でもゆとりをもって積み込むことを可能とした。また、後席のシートは4:2:4分割を可能とすることで、4名がゆったりと座ったまま長尺物を積むことができるなど、高い積載性を実現したという。
三菱自動車初採用のウェットモードも
パワートレーンは、実績のある1.5リッター DOHC 16バルブ MIVECエンジンに高効率CVTの組み合わせ。アクセル高開度では多段変速のようなエンジン回転数の制御によって、力強くキレのある加速感を実現するとともに、アクセル低開度ではCVT特有の滑らかな変速によって、エンジン性能を最大限に引き出して低燃費と高い静粛性を実現するとのこと。また、坂道では駆動力を向上させることでアクセルペダルを強く踏み込まなくても力強い登坂性能を発揮し、降坂時はエンジンブレーキを強めることで、頻繁なブレーキ操作の煩わしさを軽減し、快適な走行が可能になっている。
サスペンションは、アセアン地域の路面状況を再現した国内のテストコースでの走行試験に加え、実際に現地でも評価を繰り返してチューニングを施すことで、荒れた路面やうねりのある路面でも快適な乗り心地を実現。フロントはキャスタートレールの最適化とステアリングギヤ比のクイック化により、操舵感と直進安定性を向上させた。リアはサスペンションブッシュとショックアブソーバーのシリンダーサイズの最適化により、操縦安定性を高めている。
また、18インチのタイヤとホイールを採用し、クラストップレベルとなる222mmの最低地上高を確保するとともに、見晴らしのいい前方視界によって見切りがよく、運転がしやすいため、荒れた路面や冠水路でも安心して走行することが可能。また、クラストップレベルとなる21.0度のアプローチアングルと30.5度のデパーチャーアングルによって、大きな段差でも安心して乗り越えることができ、さらにクラス最小レベルの5.2mの最小回転半径により、アセアン地域の街中で頻繁に見られるUターンでも、取りまわしのいい運転を可能にした。
駆動方式は前輪駆動を採用しながらSUVならではの走破性を実現。路面状況に応じて選択できるノーマル、ウェット、グラベル、マッドの4つのドライブモードでは、前左右輪の駆動力を調整して高い操縦性を実現するアクティブヨーコントロール(AYC)、タイヤのスリップを制御するトラクションコントロール、エンジン制御、パワーステアリング制御を統合制御することで、さまざまな路面状況に対応することを可能とした。三菱自動車として初採用となるウェットモードでは、雨天時の濡れた路面では旋回性・安定性が向上し、激しい降雨による冠水路でもハンドルが取られにくく、不安なく走行できるという。
エクスフォース諸元表(インドネシア仕様)
エクスフォース諸元表 | |
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全長×全幅×全高 | 4,390×1,810×1,660mm |
ホイールベース | 2,650mm |
トレッド フロント | 1,560mm |
トレッド リア | 1,565mm |
最低地上高 | 222mm |
室内長×室内幅×室内高 | 2,601×1,444×1,221mm |
車両重量 | 1,245kg |
乗車定員 | 5名 |
最小回転半径 | 5.2m |
アプローチアングル | 21度 |
ランプブレークアングル | 20.5度 |
デパーチャーアングル | 30.5度 |
型式 | 4A91 |
弁機構・気筒数 | DOHC 16バルブ・4気筒 |
内径×行程 | 75×84.8mm |
総排気量 | 1,499cc |
圧縮比 | 10 |
最高出力 | 77kW/6,000rpm |
最大トルク | 141Nm/4,000rpm |
燃料供給装置 | MPI |
使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
タンク容量 | 42L |
変速機形式 | CVT(自動無段変速機) |
変速比Dレンジ | 2.480-0.396 |
変速比後退 | 2.604 |
最終減速比 | 5.698 |
ステアリング形式 | ラック&ピニオン(電動パワーステアリング) |
サスペンション形式フロント | マクファーソンストラット式 |
サスペンション形式リア | トーションビーム式 |
主ブレーキ形式 前/後 | ディスクブレーキ |
タイヤ | 225/50R18 |