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ピレリ、SUV向けオールシーズンタイヤ「スコーピオン MS」 従来品比25%騒音低減を実現

2023年8月2日(現地時間) 発表

ピレリがSUV向けオールシーズンタイヤ「スコーピオン MS」を発表した

 ピレリは8月2日(現地時間)、SUV向けオールシーズンタイヤ「Scorpion MS(スコーピオン エムエス)」を発表した。自動車メーカー向けのOE製品から納入を開始していて、アフターマーケットへは2024年にAPAC地域から導入するとしている。

 スコーピオン MSは、「スコーピオン Verde オールシーズン」「スコーピオン ゼロ オールシーズン」の後継モデルで、ピレリのエコ・セーフティ・デザイン哲学に基づき、最高水準の安全性と環境負荷の低減の両立を実現したSUV向けオールシーズンタイヤ。

SUV向けオールシーズンタイヤ「スコーピオン MS」

 ドライコンディションでもウェットコンディションでも優れたグリップを発揮し、従来モデルよりも転がり抵抗が低減するほか、各国の需要に対応するため、特にアジア市場で要求される快適性に加え、アメリカ市場で好まれるロングライフを両立しつつ、SUV向けに軽いオフロード走行や雪道走行も想定して設計したという。

 自動車メーカー向けのOE共同開発プロジェクトでは、自動車メーカーの要望に応じて、EV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド)向けのELECTテクノロジーを75%が採用。具体例としては、マセラティの「グレカーレ・フォルゴーレ」で、ピレリは新たに2種類のスコーピオン MSを開発している。サイズはフロント&リア用255/50 R19、フロント用255/45 R20、リア用295/40 R20(すべてELECTテクノロジー搭載モデル)。

 なお、すでにスコーピオン全シリーズの30%以上が、ELECTテクノロジー搭載モデルになっているという。

マセラティのバッテリEVのSUVモデル「グレカーレ・フォルゴーレ」など、新車装着も増えている

 そのほかにも、パンク防止システムの「シールインサイド」、タイヤの空気圧がゼロでも走り続けられる「ランフラット」、走行中のキャビンノイズを低減する「PNCS(ピレリ・ノイズ・キャンセリング・システム)」なども搭載。将来的には要望に応じて、新型「P Zero E」でデビューしたばかりの、パンクしても走行を継続できるようにする新技術「ピレリRunForward」も搭載する可能性があるとしている。

 また、オールシーズンタイヤとしての性能を高めるため、ピレリの研究開発部門はコンパウンドとトレッドパターンを新たに設計。自動車メーカーの要求を満たすためにポリマーと特殊樹脂の新配合により、グリップ性能とウェット&ドライブレーキング性能を向上させ、サイプは雪上性能を最適化するよう設計したという。

ピレリの研究開発部門はコンパウンドとトレッドパターンを新たに設計した

 静粛性についてはピッチ配列のカスタマイズ、メイングルーブの間隔と傾斜、そしてシングルプライ・カーカスの採用によって従来品より25%騒音を低減させた。シングル・プライカーカスは、軽量かつ強靭で路面からのあらゆる衝撃を吸収してドライビングをより快適なものにすると同時にステアリング精度も向上させるほか、コンパウンドとトレッドパターンの最適化によって転がり抵抗の低減にも寄与。加えて、タイヤが横方向や縦方向の力を受けても、接地面を一定に保つため、タイヤの寿命を通して均一な摩耗を実現するとしている。

ELECTテクノロジー搭載モデルには、サイド面に「ELECT」の文字が入る