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トヨタ 中嶋副社長、世界初公開したセンチュリーは「新しいタイプのセンチュリー」「我々は一言もSUVとは言っていない」

トヨタが新しく発表したセンチュリー。追加モデルの位置づけなので新しいセンチュリーになる

セダンも併売することから、新型センチュリーではなく、追加モデルとなる新しいセンチュリー

 9月6日、トヨタ自動車は「新しいセンチュリー」を追加した。この新しいセンチュリーは、従来のセダンタイプのセンチュリーと併売される最上級ショーファーカーで、「リアに重心のあるショーファーカーならではのプロポーションと、よどみなく大らかなドア平面を几帳面でくくった織機の『杼(ひ)』をモチーフとした造形を組み合わせ、時代に左右されないセンチュリー独自の世界観を表現」した、新しいタイプのセンチュリーと位置付けている。

 そのため、トヨタの発表では新型センチュリーではなく、「新しいセンチュリーを追加」という位置づけとなっており、「次の100年を見据えたセンチュリー」としている。

トヨタ自動車 新型車発表会

 つまり、噂されていたような「センチュリーSUV」ではなく、「The Chauffeur」をコンセプトに開発し、センチュリーならではの「継承と進化」を考え抜き、品格と快適性、機能性を兼ね備えたセンチュリーが誕生したものという。

新しいセンチュリーは、センチュリーならではの作り込みが行なわれているクルマ

発表会に登壇したトヨタ自動車株式会社 CTO兼取締役・執行役員・副社長 中嶋裕樹氏(右)

 トヨタ 取締役・執行役員・副社長でありChief Technology Officerである中嶋裕樹氏は発表会後に、グローバルカーとなった新しいセンチュリーについて「SUVタイプの~」という質問が飛んだ際、「我々は一言もSUVとは言っていないのです。今日も誰も(発表やプレゼンテーションで)言っていません。ですからSUVとは書かないでほしいです。センチュリーはセンチュリーです」と回答。

 では、どう呼べばよいのかということに関しては、「センチュリーの2つのタイプ。両ウィングです。セダンはセダンという言い方をしています。(これは)新しいタイプでよいじゃないですか。ぜひともみなさんに想像をかき立てるような書き方をしていただけばありがたいなと」と答え、新しいセンチュリーは、セダンに対する追加モデルと位置付ける。

 その上で、「これがど真ん中のセンチュリーだと我々が確信したからですね。次の世代の新しいセンチュリーのあるべき姿ということで、先ほどの乗り降りの姿勢だとか。ターゲットのお客さまがこういう方だと明確に言ってるわけじゃありませんが、少し年代的には若い方にいかれるのではないかという思いがあります。今のセンチュリーに乗られてる方のご年齢よりは、比較的に若い方が乗られる可能性があるかなと。こういうクルマですから、すぐにフルモデルチェンジをして形が変わるということではなくてですね、やはり並走期間が必要。長い並走期間が必要だと思うのです。やはりこういう伝統があるクルマに長い間お乗りいただいてるトップの方々もおられますので。セダンタイプのものと新しいタイプのものが、ある並走区間を持っている。このツーウィングの意味がご理解いただけるかなと」と語り、新しいセンチュリーは決して新型センチュリーではなく、センチュリーの幅を広げる追加モデルであると語った。

 これは企画段階からも貫かれており、商品化決定会議では「誰一人SUVという言葉を使わなかった」とのこと。「センチュリーかどうかが大事なのです」と、センチュリーならではの作り込みが行なわれているクルマであると紹介した。