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ホンダ、米国の四輪レース開発子会社の社名を2024年からHRC USに変更 四輪モータースポーツの開発力をグローバルで向上

2023年9月21日 発表

HRC US IMSA参戦車両「Acura ARX-06」イメージ

HRC USの初レースは2024年1月のデイトナ24時間

 米国の四輪レース開発子会社であるHonda Performance Development(ホンダ・パフォーマンス・デベロップメント:HPD)は9月21日、2024年からHonda Racing Corporation USA(ホンダ・レーシング・コーポレーション・ユーエスエー:HRC US)へ社名変更すると発表した。

 これを機に、HRC USは北米のみならずFIA フォーミュラ・ワン世界選手権(F1)を含むホンダのグローバル四輪モータースポーツの活動を担い、日本のホンダ・レーシング(HRC)とともに日米のHRC各々が独立したホンダのレース開発専門子会社として個々の強みを持ち寄り、ホンダの四輪モータースポーツの開発力をグローバルで高めていくとした。

 2024年1月27日~28日にフロリダ州で開催されるデイトナ24時間レースがHRC USとしての初レースとなり、2023年にデビュー戦で優勝したAcura ARX-06がHPDロゴをあらためHRCロゴをまとい、24時間の耐久レースを戦う。

 HRCは、1982年に二輪のレース用車両・パーツの開発、販売を目的として、埼玉県朝霞市で設立され、以後40年にわたり、ロードレース、モトクロス、トライアル、ラリーレイドなど、さまざまなカテゴリーの世界選手権、および国内選手権で勝利を重ねている。

 2022年には、F1を含む四輪レース開発機能が合流し、栃木県さくら市を拠点とするHRC Sakuraを設立。以降、4輪レースの開発機能を有したHRCは、HRC Sakuraを中心に、F1用のパワーユニット(PU)に関してRed Bull Powertrains(レッドブル・パワートレインズ)に技術支援を行ない、Oracle Red Bull Racing(オラクル・レッドブル・レーシング)のタイトル獲得に貢献している。さらに、2026年からはAston Martin Aramco Cognizant Formula One Team(アストンマーティン・アラムコ・コグニザント・フォーミュラ・ワン・チーム)にPUを供給していく。

 一方、HPDはインディカー・シリーズ(インディカー)へのエンジン供給を目的にホンダの米国販売子会社であるアメリカン・ホンダモーター(American Honda Motor)の100%子会社として1993年に設立。以後、30年にわたってインディカーをはじめ、IMSA ウェザーテック・スポーツカー選手権(IMSA)、SCOREバハ1000への参戦や、ツーリングカーやジュニアカテゴリーレースなどに携わってきた。インディカーでは合計410戦中、180勝をあげ、13回のドライバータイトルと10回のマニュファクチャラーズタイトルに加え、伝統のインディアナポリス500マイルレース(インディ500)では佐藤琢磨選手の2回を含む15回の優勝を達成している。さらにIMSAにはAcuraブランドで参戦しており、2018年から現在までにデイトナ24時間レースを3度制覇、年間ドライバータイトルとマニュファクチャラーズタイトルもそれぞれ3回獲得している。

ホンダ・パフォーマンス・デベロップメント 社長 デイビッド・ソルターズ氏(左)、株式会社ホンダ・レーシング 代表取締役社長 渡辺康治氏(右)

 ホンダ・レーシング 代表取締役社長 渡辺康治氏は「HRCブランドを高め、ホンダのモータースポーツ活動を持続していくために、日米ホンダのモータースポーツ開発力を束ねた一体運用は大きな力になるでしょう。日米HRCのエンジニアが協調すればより強くなることができると確信しています。アメリカのスタッフがHRCの仲間になることを心より歓迎します」とコメント。

 ホンダ・パフォーマンス・デベロップメント社長 デイビッド・ソルターズ氏は「HPDには有能な技術者たちが切磋琢磨して、過去30年にわたる北米でのホンダのレーシング・ヘリテージ構築に貢献してきた実績があります。これからはグローバルなレース組織の一員として、日本のHRCメンバーとともに世界のレース界でホンダ・レーシングを体現していく役割を担うことを光栄に思います。変わらず米国でのレース活動に取り組みながら、グローバルな舞台で人と技術を磨いていきます」とコメントしている。