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DSペンスキー フォーミュラEチーム、次シーズンもジャン-エリック・ベルニュ選手とストフェル・バンドーン選手が参戦

2023年9月28日 開催

DSオートモビルの「DSペンスキー フォーミュラEチーム」から参戦するジャン-エリック・ベルニュ選手(左)、ストフェル・バンドーン選手(右)

 ステランティスのハイエンドブランドとなるDS オートモビルは9月28日に記者発表会を行ない、「DSペンスキー フォーミュラEチーム」として参戦しているEV(電気自動車)のフォーミュラカーレース「フォーミュラE」の次のシーズン(シーズン10、2023~2024年シリーズ)のドライバーに、シーズン9(2022~2023年シーズン)にも同チームから参戦したジャン-エリック・ベルニュ選手とストフェル・バンドーン選手であると明らかにした。

ジャン-エリック・ベルニュ選手、ストフェル・バンドーン選手がDSペンスキーに残留してシーズン10参戦

会見の様子

 DS オートモビルは、元々はシトロエンのハイエンドブランドとして誕生したが、プジョー・シトロエングループ(PSA)やフィアットなどが合流してステランティスが創設されたことに伴い、今ではステランティスのハイエンドブランドとして位置付けされている。

 フォーミュラEにはシーズン2(2015~2016年シーズン)からDSヴァージン・レーシングとして参戦し、シーズン9からは米国のペンスキー・オートスポーツと提携して「DSペンスキー」として参戦をしている。シーズン9に関してはシーズン4(2017~2018年シーズン)、シーズン5(2018~2019年シーズン)のチャンピオンであるジャン-エリック・ベルニュ選手と、シーズン8(2021~2022年シーズン)のチャンピオンであるストフェル・バンドーン選手という2人のチャンピオン経験者を擁して戦い、第4戦のインドでベルニュ選手が優勝するなどの結果を残している。

 DSペンスキーチームの発表によれば、次のシーズンとなるシーズン10には、引き続き両ドライバーが残留して、シーズン9で導入されたGen 3カーとDS オートモビルが製造するパワーユニット「DS E-TENSE FE23」を走らせることになる。

ジャン-エリック・ベルニュ選手

 ベルニュ選手は「DSとペンスキーの統合は最初のレースからそれなりにうまくいっていたが、本年は昨年の経験を初日からさらに生かせる。ただ、フェアにいって昨年のわれわれのレベルはタイトル争いができるレベルではなかった。そのため、昨年はそれを解決してより高いパフォーマンスを出すことに注力したシーズンだった。次のシーズンに向けては、車両とパワーユニットのレギュレーションには変更がないので、主にソフトウエアの改良に取り組んでいる。DSとペンスキーにはポテンシャルがあり、必ず車両のパフォーマンスを上げてくれると信じている」と述べ、シーズン9では苦労もしたが、それがシーズン10で役立つと強調した。

ストフェル・バンドーン選手

 バンドーン選手は「チームに残留できてうれしい。昨年は新しいプロジェクトとしてチームをスタートし、さまざまな苦労に直面し、1つのチームとして機能するまでに時間を要した。しかし、1シーズンを一緒に過ごして経験も蓄積され、次のシーズンではそれを生かして正しい方向に進め、タイトルを争うことが可能だと期待しているし、それがチームにとっての究極の目標だ。われわれはそれが可能だと信じている」と述べ、シーズン9は新体制になって最初はなかなか体制が整わなかったが、シーズン10に向けてはそうした問題も解決しており、タイトル争いが可能だと期待を述べた。

3月30日には東京お台場の公道コースで日本初のフォーミュラEレースが開催

DS パフォーマンスディレクター エウジェニオ・フレンゼッティ氏

 DS パフォーマンスディレクター エウジェニオ・フレンゼッティ氏は「DSの立場としては、昨シーズンは非常に素晴らしかったと言える。モータースポーツに対しても、パフォーマンスに関しても、そしてコミュニケーションとマーケティングに関しても、同じ方向性をもって戦った1年だった。DSがパフォーマンス面を改善していき、ペンスキーはサーキットでの取り組みを改善していった。このチームは、2026年までの契約もあり、継続性が保証されており、今後も改善していきたい」とDSとペンスキーという2つの組織が1つになって初めてプロジェクトが成功を収めたと強調した。

DSペンスキー 副チーム代表 ニコラス・モーデュイ氏

 DSペンスキー 副チーム代表 ニコラス・モーデュイ氏は「昨年DSとペンスキーで1つのチームをつくってやってきた。そうした中ですでにDSと一緒に働いてきたエンジニアもいて、新しい組織への移行は比較的スムーズに行なわれた。これから3年間1つのチームとしてやっていけることをうれしく思っており、ベルニュ選手とバンドーン選手というドライバーラインアップも強力だ」と述べ、今シーズンのチームの活躍に期待感を表した。

 また、モーデュイ氏は「今シーズンは車両側も、パワーユニット側も基本的には開発が凍結されており、大きく変えることはできない。このため、性能を向上させるには、主にソフトウエアの開発が重要で、そうした取り組みを行なっていく」と述べ、シリーズのレギュレーションで2023年に投入されたGen 3カーとパワーユニットは変更ができないので、開発の中心はソフトウエアになると強調した。

 シーズン10のフォーミュラEは、1月13日にメキシコシティのレースで開幕する予定で、それに先だって10月24日~10月27日の4日間、スペイン バレンシアで行なわれるオフィシャルテストに両ドライバーは参加することになる。また、3月30日には東京 お台場の特設コースでレースが行なわれる予定になっている。フォーミュラEとしては初めての開催となる東京のレースで、DSペンスキーの両ドライバーがどのような活躍を見せてくれるかに注目が集まることになるだろう。