カワサキ、スズキ、ホンダ、ヤマハからなる水素小型モビリティ・エンジン技術研究組合、「ダカール2024」に参加

HySE-X1（写真はイメージ）

　カワサキモータース、スズキ、本田技研工業、ヤマハ発動機が構成する技術研究組合 水素小型モビリティ・エンジン研究組合（特別組合員：川崎重工、トヨタ自動車）は10月18日、サウジアラビアで開催される「ダカール2024」（ダカールラリー。2024年1月5日～1月19日開催）の新カテゴリー“Mission 1000”に水素燃料エンジン車「HySE-X1」で参加すると発表した。

　HySE-X1（モックアップ）は「ジャパンモビリティショー2023」（一般公開日：10月28日～11月5日、場所：東京ビッグサイト）のモータースポーツプログラムブースに展示される。

　ダカールラリーは1978年から毎年開催されている砂漠から泥濘地、山岳地帯などの路面を走破するラリーレイドで、2020年からは中東・サウジアラビアで開催されている。その新カテゴリーとなる“Mission 1000”は水素エンジンや電動およびバイオフューエルとのハイブリッドなど、カーボンニュートラルに向けた次世代パワートレーンの技術開発を自動車メーカーに促す、「Dakar Future Program」の一環として新たに導入されるもの。

　HySEはこの“Mission 1000“に参加し、世界一過酷なモータースポーツと言われる厳しい環境条件下で研究中の水素燃料エンジンを搭載した「HySE-X1」を実走行させる。そこで小型モビリティにおける課題を早期に抽出し、水素エンジンの基盤技術構築を加速させるとともに、ダカールラリーへの参加を通じてHySEのプレゼンスや取り組みをアピールすることで、小型水素モビリティの実現に向けたグローバルで業界の垣根を超えた仲間づくりを図っていくという。

　今回出走するHySE-X1は、協力会社であるオーバードライブレーシング（ベルギー）の車体フレームをベースとして、水素燃料タンクや燃料供給系統の設置のためのレイアウト変更を行なった車体に、HySEが研究活動に用いているモーターサイクル用水素燃料エンジンを搭載。現地での出走にかかる給水素やメンテナンスなどの作業も同社協力のもと行なわれる。ボディサイズは3530×2070×1700mm（全長×全幅×全高）で、車両重量は約1500kg。水冷4ストローク直列4気筒1.0リッタースーパーチャージドエンジンを搭載する。

　今回の発表について、HySE理事長 小松賢二（ヤマハ発動機 執行役員 技術・研究本部長）氏は「このたび、歴史と伝統のあるダカールラリーに参加することとなりました。研究の成果を分かりやすい形で伝えたいという思いがあり、今回のラリー参加を決断しました。過酷な環境下での課題を洗い出し、技術を磨くことで、1日も早く水素エンジン小型モビリティ成立に必要な技術テーマを解決するべく、組合員一同力を合わせて頑張っていきますので、応援の程よろしくお願いいたします」とコメントしている。