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ブリヂストン、二輪用タイヤ新商品「バトラックス ハイパースポーツ S23」発表会 スポーツ走行に必要な性能を全域向上
2023年10月31日 14:17
- 2023年10月29日 発表
ブリヂストンは、二輪用スポーツタイヤ「BATTLAX HYPERSPORT S23」(以降、S23)を2024年2月1日より国内で発売する。2019年に登場した同社主力製品の1つである「S22」の後継商品で、新開発のコンパウンドとトレッドパターンの変更などでグリップを向上させ、ウェット路面でのトラクション・ブレーキング性能もアップ。「スポーツ走行に必要な性能を全域で向上させたプレミアムスポーツタイヤ」とした。
10月29日に、ブリヂストン MCタイヤ事業部長 坂上賢崇氏とMCタイヤ開発部の原田陽一氏が登壇する新商品発表会が開催され、「BATTLAX HYPERSPORT S23」の開発の狙いと特徴について説明がされた。
新開発コンパウンドやパターン見直しなどでドライ・ウェット全性能がS22を上まわる
S23は、街乗りやツーリングだけでなく、ワインディングからサーキットでのスポーツ走行まで幅広くカバーするスポーツタイヤ。S22の後継商品として、タイヤ形状や内部構造は従来品を踏襲しながら、フロントタイヤのショルダー部とリアタイヤのエッジ部に新開発のコンパウンドを採用した。タイヤゴム内のカーボンを従来より増量させてポリマーを補強する設計としたうえで、FIM世界耐久選手権(EWC)などのレース活動から得た知見を活かすことで生まれた「グリップ向上剤」と呼ぶ新素材も追加し、高いグリップ性能を達成したという。
溝のパターンデザインも見直した。上位モデルのスポーツタイヤ「BATTLAX RACING STREET RS11」の意匠を一部取り入れるなどしてパターン剛性を最適化。さらにツーリングタイヤ「BATTLAX SPORT TOURING T32」で初採用した「パルスグルーブ」もリアタイヤに設け、排水性能を高めることでウェット路面におけるトラクション・ブレーキング性能も向上させた。
こうしたアップデートを通じて全体的な性能の最適化も図られた。トレッド面の剛性を可視化するコンピュータ解析では、S22が中央付近に剛性の高い部分が集中していたのに対し、S23ではサイド方向にも広く分散する結果に。開発を担当した同社MCタイヤ開発部の原田氏は、これによって「全域で力を発揮できるようになった。入力に対する応答性が向上し、安心感や操作の楽しさにつながっている」とした。
ドライ路面のサーキット走行テストにおいては、S22と比較してコーナリングスピードが最大5%アップ、ラップタイムが1%短縮。ウェット路面のテストコースでも、水の流速を高めるパルスグルーブが効果を発揮し、制動距離を3%、ラップタイムを4%それぞれ短縮した。タイヤ・路面温度が低い冷間時の性能はS22と同等を維持しつつ、耐摩耗性においても8%の向上を果たしており、あらゆる面においてS22を上まわったとしている。
2023年はブリヂストンのモータースポーツ活動開始60周年の節目であり、さらにBATTLAXブランドのスポーツタイヤとしても、1983年に発売したBT-01およびBT-02から40周年となる。MCタイヤ事業部長の坂上氏は、40年前当時の「新しい挑戦」という製品のキャッチコピーを引き合いに出しながら、「(何かの性能を高めると、他の性能が犠牲になるような)相反する性能が必ずあるが、今回は1つも妥協せず、全ての性能を向上させるという新しいチャレンジ」に挑み、自信をもって送り出せる製品に仕上がったとアピールした。
「BATTLAX HYPERSPORT S23」の発売サイズはフロント1サイズ、リア5サイズ。サイズラインアップは下記のとおり。
発売サイズ
フロント:120/70 ZR17M/C(58W)
リア:160/60 ZR 17 M/C(69W)
リア:180/55 ZR 17 M/C(73W)
リア:190/50 ZR 17 M/C(73W)
リア:190/55 ZR 17 M/C(75W)
リア:200/55 ZR 17 M/C(78W)