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日産、英国サンダーランド工場にて「キャシュカイ」「ジューク」「リーフ」の次期型バッテリEVモデルの生産を宣言

2023年11月24日(現地時間) 発表

英国サンダーランドにある日産の工場

 日産自動車は11月24日(現地時間)、英国のサンダーランド工場で生産するモデルを将来的にすべてEV(電気自動車)にすると発表した。

 これは今後欧州に投入する新型車はすべてEVとすること、2030年までに欧州における乗用車のラインナップを100%EVにするという9月の発表に続くもので、よりクリーンで安全、インクルーシブな世界を目指す「Nissan Ambition 2030」のビジョンに基づくもの。

2021年11月に発表した「Nissan Ambition 2030」では、2030年度までにEV15車種を含む23車種の新型電動車を投入し、グローバルの電動車のモデルミックスを50%以上へ拡大するなどを掲げている

 今回の発表にあわせて、ゼロ・エミッションの未来に向けたビジョンの実現を加速させるため日産は、3つのEV、3つのギガファクトリーに対して最大30億ポンドの投資を行なうとしている。また、車両とバッテリの生産は、風力発電と太陽光発電の設備を融合し、日産と近隣サプライヤーに100%再生可能な電力を供給する「EV36ZERO」のマイクログリッドによりまかなう予定としている。

サンダーランド工場の生産施設を革新的なものにし、世界初のEV生産エコシステムを構築するプロジェクト「EV36ZERO」

 3つのEVとは、2022年に英国でもっとも売れたクルマで、英国で生産される全車の5台に1台を占めるオリジナルクロスオーバー「キャシュカイ」、販売台数100万台を突破したコンパクトクロスオーバー「ジューク」、サンダーランドで25万台以上生産された世界初の量産EVである「日産リーフ」と、現在サンダーランド工場で生産されている象徴的な3車種。

サンダーランド工場で生産されているジューク(左)とキャシュカイ(右)
サンダーランド工場で生産されているリーフ

 これら3車種の次期型モデルは、流麗でモダンな美しさが特徴のクロスオーバーEVである「ハイパーアーバン」、多面的かつ多角的なエクステリアが美しいコンパクトクロスオーバーEVである「ハイパーパンク」、2021年に発表したサンダーランドで生産される将来のEVのインスピレーション源である「CHILL-OUT(チル‐アウト)」など、次世代EVコンセプトモデルからインスピレーションを得ているという。ただし、モデル名称、仕様、発売日などの詳細については現段階では未発表。

次期型モデルは次世代EVコンセプトモデルからインスピレーションを得ているという
CHILL-OUT
ハイパーアーバン
ハイパーパンク

 日産自動車 代表執行役社長兼CEOの内田誠氏は、サンダーランド工場の従業員に計画を発表し、「エキサイティングなEVは、カーボンニュートラル達成を目指す当社の計画の中核をなすものです。欧州の主力モデルがEVになることは、日産、産業界、そしてお客さまにとって新たな時代への加速を意味します。“EV36ZERO”プロジェクトでは、英国最大の自動車工場であるサンダーランド工場を、当社の将来ビジョンの中心に据えています。したがって、当社の英国チームは将来のクルマのデザイン、設計、生産を行ない、欧州における日産の完全EV化を牽引していくことになります」とコメントしている。

 英国のリシ・スナク首相は、「日産の投資は、英国の自動車産業に対する大きな信頼を示すものであり、すでに年間710億ポンドという巨額の経済効果をもたらしています。この投資により、サンダーランドは間違いなく、将来EVの技術革新と生産における英国版シリコンバレーとしての地位を確保することになるでしょう。私たちは、英国を最高のビジネス拠点にすることを、経済計画の中心に据えています。私たちは、日産のような企業が英国で事業を拡大し、根を張って成長できるよう、そして明るい未来のために正しい長期的な決断を下せるよう、あらゆる面で支援していきます」と述べている。