ニュース

トヨタ、欧州向け大型商用バン新型「プロエースマックス」初公開 バッテリEVとディーゼルエンジンを設定

2023年12月4日(現地時間) 発表

欧州で発表された大型商用バン「プロエースマックス」

ステランティスとの協業モデル

 トヨタ自動車は12月4日(現地時間)、欧州向けの大型商用バンとなる新型「プロエースマックス(PROACE MAX)」を初公開した。バッテリEVモデルとディーゼルエンジンモデルを設定し、2024年の発売予定。生産は2012年から現地のトヨタモーターヨーロッパが業務提携を結んでいるステランティスのグリヴィツェ工場(ポーランド)とアテッサ工場(イタリア)で行なわれる。欧州の大型商用バンセグメントへの参入は、トヨタとしては初となる。

 新型プロエースマックスは、「プロエース(PROACE)」および「プロエースシティ(PROACE CITY)」といったプロエースシリーズに追加される1台で、パワフルな走行性能とクラストップレベルの積載容量、低燃費の走りと大胆で堅牢なデザインを兼ね備えた大型商用バン。

 バッテリEVモデルの最高出力は200kW(270HP)、最大トルクは410Nmを発生。走行モードは「エコ」「ノーマル」「パワー」を備え、ドライバーは作業に適した性能と航続距離を選択可能。バッテリ容量は110kWhで、航続距離は最大420km(WTLP標準)と日常業務に十分な距離を確保した。最大150kWの急速充電なら55分で約80%まで充電が可能で、ほかに11kWのAC車載充電器も完備する。また、ディーゼルエンジン搭載モデルも設定し、最高出力は88kW~132kW(120~180HP)と仕様によって異なり、トランスミッションも6速MTまたは8速ATが選択可能。駆動はすべて前輪駆動となっている。

 ボディは、3450mmと4035mmの2種類のホイールベースが選べるだけでなく、5413mm、5998mm、6363mmの3つの全長、さらに2254mm、2524mm、2764mmの3つの高さがあり、全6種類のボディタイプが用意され、ユーザーがニーズに合わせて最適なサイズを選択できるとしている。

 また組み合わせにより荷室容積は、10m 3 ~17m 3 と広々としていて、欧州サイズのパレットを5枚積載できるほどの大きさを確保している。さらに、オプションで2列目に4人掛けシートを装着すれば、7人乗りにも変更可能。

 車両重量はディーゼルエンジン搭載モデルが3300kg~3500kgで、バッテリEVモデルが3500kg~4250kg。また、グレードやボディサイズによって異なるが、ディーゼル搭載モデルは最大1425kgの積載量と3000kgの牽引力、バッテリEVモデルは1500Kgの積載量と2400kgの牽引力を誇る。

マットブラックグリルのスタイリッシュなフロントフェイス。左右にはコーナリング機能付きフォグランプを完備
16インチアルミホイールを採用

 スタイリッシュなフロントフェイスを中心に、フルLEDヘッドランプ、視認性を高めるコーナリング機能付きフォグランプ、マットブラックグリル、そして上級グレードのコンフォートには、特徴的な16インチアルミホイールを装備し、大胆で力強い外観に仕上げている。

 リアの開口部は1562×2030mm(幅×高さ)と広くて低床のため、荷物の積み下ろしを容易にしたほか、側面のスライド式ドアは1.25mと欧州サイズのパレットを積載するのにも十分な幅が開くようになっている。

 インテリアは堅牢かつ快適で、コンフォート・モデルには情報を明確に伝える最新の7インチ・カラー・デジタル・インストルメント・クラスターを装備するほか、センターカップホルダーやダッシュボード収納など、実用的なオプションを設定するほか、外観ではスタイリッシュなクロームトリムをオプション設定で用意した。

 上級グレードは新機能を備えたトヨタの最新マルチメディアプラットフォームを搭載。また、さまざまな照明条件下でも見やすく、すっきりとシンプルなインターフェイスを実現する10インチの高精細タッチスクリーンディスプレイを完備。さらに、Android AutoとApple CarPlayにも対応し、ワイヤレスでのスマートフォン接続が可能としつつ、コネクティッドサービス対応のスマホアプリを使用すれば、施錠や解錠などの操作や車内のエアコンを遠隔操作できる。そのほかにも、安全運転を最優先する運転支援機能「Toyota Safety Sense(トヨタ・セーフティ・センス)」も標準装備となる。

 ボディ・オン・フレーム形式を採用しているので、フラットなリアデッキを備えた「プラットフォームキャブ形式」、露出したラダーフレームを備えた「シャシーキャブ形式」など、ユーザーのビジネスニーズに合わせたカスタムメイドも可能のなほか、フロア、ホイールアーチ、サイドパネルには、荷物の積み下ろし時の摩耗や損傷から保護するためのカバーをオプションで設定。さらに、ルーフラックで積載スペースを追加することも可能。

プロエースシリーズは、プロエースマックス、プロエースシティ、プロエースの3車種