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2023-2024 日本カー・オブ・ザ・イヤー最終選考会・表彰式 今年の1台に選ばれた「プリウス」開発責任者の大矢賢樹氏が喜びの声を寄せる

2023年12月7日 開催

2023-2024 日本カー・オブ・ザ・イヤーはトヨタ自動車「プリウス」に決定。トロフィーを受け取ったのはプリウス開発責任者の大矢賢樹氏(右)

 日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会は12月7日、今年の1台を決定する「2023-2024 日本カー・オブ・ザ・イヤー」の最終選考会・表彰式を東京ポートシティ竹芝 ポートホールで開催。トヨタ自動車「プリウス」がイヤーカーに選ばれるとともに、BMW「X1」がインポート・カー・オブ・ザ・イヤー、三菱自動車「デリカミニ」がデザイン・カー・オブ・ザ・イヤー、日産「セレナ」がテクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれた。

 第44回目となる今年度は、34のノミネート車両から選考委員60名による一次選考でスバル「クロストレック」、トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」、トヨタ「プリウス」、日産「セレナ」、ホンダ「ZR-V」、三菱自動車「デリカミニ」、アバルト(Stellantisジャパン)「500e」、BMW「X1」、マセラティ「グレカーレ」、フォルクスワーゲン「ID.4」の「10ベストカー」を選出。最終選考会では、この10ベストカーの中からイヤーカーを選出する投票結果が発表された。

選考委員60名が1位に10点、2位に4点、3位に2点という配点を行なった
今年は4賞が用意される
「10ベストカー」に選出された各社の担当者が壇上に上がり、途中経過を受けての感想などを語った
最終選考会ではお笑いコンビのおぎやはぎ(写真)とサッシャ氏が司会進行を務めた

 みごと2023-2024 日本カー・オブ・ザ・イヤーに輝いたことについて、プリウス開発責任者の大矢賢樹氏は「まず今回カー・オブ・ザ・イヤーに投票いただいた皆さまに感謝申し上げたいと思います。今回プリウスの開発に携わった社内のプロジェクトメンバー、仕入先さまだとか販売店さまとか、本当に多くの方々に協力いただいてこのクルマを実現させていただきましたので、本当に皆さまに感謝申し上げたいと思います。本当にありがとうございました」と喜びの声を寄せた。

プリウス開発責任者の大矢賢樹氏

 日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会の実行委員長である加藤哲也氏も最後に登壇し、プリウスが受賞したことについて「プリウスは今回、本当にコモディティ化してもいいんじゃないかと、つまりハイブリッド技術がもうすでに一般化してしまった今、プリウスが代名詞的存在である意味がないんじゃないかということで、トヨタ社長から『タクシー専用車にしたらいいんじゃないか』というご意見も出たそうです。それを覆したのが開発者の熱意で、結果ああいう大胆なデザイン、実は空気抵抗係数は先代に比べると落ちているそうです。ただ、前面投影面積を小さくしたことによって、従来型とイーブンの空気抵抗になっていると。なおかつ低重心でロングホイールベース、そうやってダイナミズムを突き詰めた。つまりスタイリッシュでエモーショナルなクルマに生まれ変わってカー・オブ・ザ・イヤーを受賞したと思っています」と説明。

 また、BMW X1がインポート・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したことについては「パワーオブチョイス、色々なパワーユニットを搭載できて、なおかつ補助金も加えればの話ですけれど、同じプライスレンジに納めたことが理由だと思っています」と述べるとともに、デザイン・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した三菱自動車 デリカミニに対しては「デザインのランゲージを変えたことが商品性の向上に繋がった」、テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した日産 セレナに対しては「セレナの場合は脇役に徹するべき技術がここで評価されたということも日本カー・オブ・ザ・イヤーのある意味の良識が反映された結果だと私は感じてます」と、それぞれのモデルが受賞した理由などについて触れた。

日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会 実行委員長 加藤哲也氏

 各車の受賞理由は以下のとおり。

日本カー・オブ・ザ・イヤー:プリウス

 ハイブリッド車のパイオニアであり、長く牽引役、推進役を務め続けたプリウスが、5代目にしてついにその殻を破った。ハイブリッド技術が一般化した今、もはやそのシンボルである必要はなく、自らブレークスルーを図り新しいフェーズへ移行したのである。

 首脳陣からはコモディティ化を進める案も出たが、それを覆したのは開発陣の熱意。クリーンな車というだけでなく、愛される車を目指した。

 これまで空力性能最優先だったボディは、スタイリッシュなモノフォルムに大変身。Cd値では従来型に少し劣るものの、前面投影面積を減らすことでCdA値は従来型並みに抑えることに成功している。

 その上で低重心化とロングホイールベース化を図り、動的性能の著しい向上を実現したことが高く評価された。操縦性はプリウス史上最も敏捷かつ正確なものに変貌を遂げ、スポーツドライビングが楽しめる。

インポート・カー・オブ・ザ・イヤー:BMW X1

 日本市場に相応しいコンパクトサイズでありながら、BMWらしい動的質感の高さを実現。パワー・オブ・チョイス。つまりユーザーのライフスタイルに応じてBEV、ガソリン、48Vマイルドハイブリッド・ディーゼルの3種類のパワーユニットが用意され、そのどれもがハイレベルな走行性能を獲得している点が支持された。

 補助金を含めればほぼ同一のプライスレンジに収まるインポーターの努力も見逃せない。

デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー:三菱自動車 デリカミニ

 近年厳ついフロントマスクがブランド・ランゲージだった三菱が一転、愛らしく魅力的な表情を採用したことが評価された。しかも販売台数はekクロススペースの3倍強を達成。デザインが商品性の高さに直結する大切な要素であることを自ら証明してみせた。

 同社にとってアイコン的存在でもあるデリカのモデル名を用いるだけでなく、外観面でも同じ世界観を共有した意義も大きい。

テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー:日産 セレナ

「セレナはモノより思い出」の公約通り、脇役に徹するための数々のテクノロジーが高評価を呼んだ。ミニバンでありながら高速道路でハンズオフ可能なプロパイロット2.0を最上級グレードに採用。空力面ではミニバンの弱点である横風に強い細部処理を施す等抜かりない。

 5ナンバー枠に収めながらタイヤサイズを拡大したにも関わらず、従来型並みの室内スペースを確保。e-POWER用に新開発された3気筒1.4リットルエンジンに対する評価も高い。

実行委員会特別賞:ジャパンモビリティショー2023

 4年ぶり開催の「東京モーターショー」を「ジャパンモビリティショー2023」と改称し、新しいコンセプトを打ち立て、「人と人」、「会社と会社」、「人や会社と社会」を繋げる役割としてのモビリティの重要性を確立し、スタートアップ企業を含めた日本のモビリティ産業全般に新たな道筋を示したことを高く評価する。