ニュース
トヨタ、豊田自動織機の新たな違反行為を受け「ランクル」「ハイエース」「ハイラックス」「ダイナ」など一時出荷停止
2024年1月29日 16:34
- 2024年1月29日 発表
トヨタ自動車は1月29日、トヨタが認証申請手続き用に豊田自動織機に委託した自動車用ディーゼルエンジン3機種の出力試験において違反行為があったことが判明したと発表。
豊田自動織機で対象のエンジンの出荷を一旦停止すること決定するとともに、トヨタとしても該当エンジンが搭載された車両について出荷を一旦停止することを決定した。今後、当局に丁寧に説明を行ない、速やかに立会試験などの適切な対応を進めていくとしている。
今回新たに判明した違反行為は、トヨタから自動車用ディーゼルエンジンの開発を委託していた豊田自動織機が、フォークリフト、建設機械用エンジンの国内排出ガス認証不正について調査を委託した特別調査委員会から報告書を受領し、その報告により明らかとなったもの。
具体的には、出力試験時に量産用とは異なるソフトを使ったECUを用いてエンジンの出力性能を測定し、測定する数値が安定するようにバラつきを抑えて報告する行為が行なわれていたとしている。
該当するエンジンは「1GD」「2GD」「F33A」で、搭載された車両は、「ランドクルーザープラド」「ハイエース」「グランエース」「ボンゴブローニイバン(マツダ)」「ダイナ」「デュトロ(日野自動車)」「ハイラックス(欧州、中東、アジア、アフリカ向け)」「フォーチュナー」「ハイラックス(日本向け)」「イノーバ」「ランドクルーザー 300 」「LX500d」と、グローバルで10車種、うち日本6車種となる。
なお、該当するエンジン/車両については、工場で生産した量産品を改めて検証し、エンジン出力の規準を満たしていることを確認しているため、ただちに使用を停止する必要はないとしている。
トヨタはリリースにおいて「『認証』とは、お客さまに安心してクルマにお乗りいただくためのさまざまな基準を満たしているかを、あらかじめ国に審査・確認いただくものであり、認証の適切な取得は、製造業として事業を行なう大前提であると考えております。ダイハツに続き、豊田自動織機において不正行為が繰り返されてきたことは、認証を行なうメーカーとしての根本を揺るがす事態であると大変重く受け止めております。豊田自動織機として、お客さまや各ステークホルダーの皆さまに、認証を行なうに値するメーカーとして、再び信頼していただけるのか、まずは、今回判明したことを当局に丁寧に説明し、ご指導をいただきながら対応を進めていくと聞いております」とコメント。
また、該当する事業の再生に向けては、「経営陣から従業員まで1人ひとりの意識の変革、企業風土の抜本的な改革が必要となります。これらは、一朝一夕にできることではないため、ディーゼルエンジン事業を移管したトヨタとしても、豊田自動織機のエンジン事業の再生に向けて、継続的にサポートをしてまいります。さらに、今回、該当する試験を委託した立場としても、法規に従った手順に則っていなかったことを認識できておらず、十分な目配り・把握ができていなかったと反省しております。今後は会社立て直しの全社の活動に入り込み、安全と品質が最優先に徹底されるよう、見直しを図っていきます」とした。
不正行為対象エンジンの搭載車両
エンジン | 搭載車両 | 販売開始時期 | 生産事業体 | 車両仕向け地 |
---|---|---|---|---|
1GD | ランドクルーザープラド | 2020年8月(生産終了) | トヨタ、日野 | 日本、欧州、中東、アフリカ、アジア |
ハイエース/グランエース/ボンゴブローニイバン(マツダ) | 2017年12月 | トヨタ車体、岐阜車体、トヨタ車体(タイ) | 日本、欧州、中東、アジア | |
ダイナ/デュトロ(日野) | 2021年5月 | 日野 | 日本、アジア | |
ハイラックス | 2020年5月 | トヨタ・モーター・タイランド、トヨタ・モーター・サウスアフリカ、トヨタ・キルロスカ・モーター(インド) | 欧州、中東、アジア、アフリカ | |
フォーチュナー | 2020年5月 | トヨタ・モーター・タイランド、トヨタ・モーター・インドネシア、トヨタ・キルロスカ・モーター(インド) | 欧州、中東、アジア | |
2GD | ハイラックス | 2020年5月 | トヨタ・モーター・タイランド | 日本 |
イノーバ | 2020年7月 | トヨタ・キルロスカ・モーター(インド) | アジア | |
F33A | ランドクルーザー 300 | 2021年8月 | トヨタ車体 | 日本、欧州、中東、アジア、アフリカ |
LX500d | 2022年1月 | トヨタ車体 | 欧州、中東、アジア |