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スバル&STI、2024年シーズンのSUPER GT参戦車両「SUBARU BRZ GT300」を富士スピードウェイでシェイクダウン

2024年2月28日 公開

2024年のSUPER GT GT300クラスに参戦するSUBARU BRZ GT300

 スバルとSTI(スバルテクニカインターナショナル)は2月28日、富士スピードウェイにて2024年のSUPER GT GT300クラスに参戦する「SUBARU BRZ GT300」のシェイクダウンを公開した。

 今シーズンを戦うマシンは基本的に2023年のマシンに改良を加えたもので大きな変化は見られないが、新たにルーフに大きくゼッケンの「61」が大きく描かれているのが外観上の違いだ。61はスバルのマークにもあるプレアデス星団=六連星の“6”にファンが願う「スバルこそNo.1」の想いを込めた“1”を組み合わせたゼッケンだ。

ルーフに61と描かれた新カラーリング

 シェイクダウン前の記者会見ではSTI代表取締役社長 平岡泰雄氏、チーム総監督 小澤正弘氏、チーム監督 澤田稔氏、そしてドライバーの井口卓人選手、山内英輝選手があいさつを行なった。掲げたチーム目標はもちろんシリーズチャンピオン獲得。2021年以降チャンピオンを獲得できていない状況と、2023年はチャンピオン争いにすら加われなかった悔しさに触れ、「今年こそチャンピオン奪還」との想いを例年以上に強く感じる会見であった。チャンピオンに向けた目標として全戦ポイント獲得とともに、マシンのコーナリング性能のさらなる向上を掲げている点は興味深い。元々コーナリングスピードで勝負していたBRZ GT300だが、さらにそこに磨きをかけ、勝機を見い出すというのだ。

STI代表取締役社長 平岡泰雄氏
チーム総監督 小澤正弘氏
チーム監督 澤田稔氏
新体制となったBREEZE。左から桜田莉奈さん、楠木絢さん、青山水咲さん、一ノ瀬のこさん
占有された富士スピードウェイのコースでたった1台走行するSUBARU BRZ GT300

 マシンの変更点は「空力性能向上」「シャシー性能の向上」「エンジンの信頼性と性能向上」の3点。実はこの3点、2023年も2022年も掲げてきたもので、その方向性に変更はない。目に見える部分としてはリアディフューザー下部のバーチカルフィンの形状変更やフロントスポイラー下部へのボルテックスジェネレーター追加などが挙げられる。いずれも2023年に改良案として上がっていたものの、シーズン途中での変更が認められない部分のため、2024年シーズンのマシンに盛り込んだとのこと。

 また、2023年シーズン終了直後から取り組んでいるCNF(カーボンニュートラル燃料)への合わせ込みなどで性能を引き出し、ライバルに差をつけていきたいとのことだ。なお、この燃料変更にともない、エンジンオイルの油温を制御するサーモスタットを追加している。新しい燃料への対応も今シーズンの戦いの大きなポイントとなるだろう。

リアディフューザー下部には新形状のバーチカルフィン
フロントスポイラー下部に追加されたボルテックスジェネレーター
エンジンルーム
中央に見えるのがエンジンオイルの油温を制御するサーモスタット
新設されたレインライト
リアのフード内部
フロントブレーキ(AP Racing)
リアブレーキ(AP Racing)
ダンロップタイヤ+BBS
走行を前にピットで整備中のSUBARU BRZ GT300

 2024年シーズンの見どころは、マシンの進化や新しい燃料のほか、予選方法のルール変更が挙げられる。Q1、Q2の合算タイムで競われる予選は、BRZ GT300の一発の速さが生きにくい部分もある。一方で2人のドライバーどちらでもトップタイムを叩き出せる実力を持っていることは有利に働くであろう。2024年はそんな点も踏まえつつ、例年以上に予選に注目しながら観戦したいものだ。

「山内選手(写真右)とは妻より長い時間一緒に過ごしています」と井口選手(写真左)

 2024年のSUPER GTシリーズは3月16日~17日に岡山国際サーキットで、3月23日~24日に富士スピードウェイでの公式テストを経て、4月13日~14日に岡山国際サーキットで開幕する。