ニュース

NHK「魔改造の夜」にワニちゃん水鉄砲でバースデーケーキのろうそく消しに挑んだSズキに話を聞いてみた

Sズキの「魔改造の夜」挑戦メンバーに話を聞いた

 NHKで6月27日に放送された「魔改造の夜」。ロボコン超強豪校で優勝多数の「T橋技術科学大」、小型モーターを世界中で製造販売する「Mブチモーター」、軽自動車など四輪車や二輪車の世界的メーカー「Sズキ」の3チームが、ワニちゃん水鉄砲を魔改造して7.5m離れた巨大バースデーケーキに立てられたろうそく10本を消すというお題に挑んだ。

 その挑戦の様子と結果は各自NHKプラスなどで確認していただくとして、今回は魔改造に挑んだSズキのメンバーのうち、江口卓也さん、森敦司さん、徳弘千夏さんの3名へのインタビューをお届けする。

Sズキが魔改造したワニちゃん水鉄砲の「わにわにバンバンバーン」。3匹それぞれに名前がついていて、左から「Burn-魔鈴ちゃん」、「Van-二鈴ちゃん」、「Bang-四鈴ちゃん」。読み方は、まりん、にりん、よんりん……どこかのメーカーの事業紹介か?
Burn-魔鈴ちゃんはピストン高圧噴射タイプのワニちゃん
編み物で包まれた身体は圧縮空気用のペットボトル
弱った炎を消すための長いキャノン部分をおおう3Dプリンタ製の口はきちんと開閉する
全体散布タイプのVan-二鈴ちゃん(左)と、カメラを備えた炎検知タイプのBang-四鈴ちゃん(右)
ほぼ同じようなワニちゃんに見えるが、大きく口を開くとノズルの形状が異なる
それぞれのワニちゃんに水を供給するソレノイドバルブにつながる1.5Lのコーラのペットボトルは、メンバーが探し回って全員で飲んだという逸話つき
Bang-四鈴ちゃんの編み物でできた左腕は牛乳パック製の骨組みで配線を保護
内部にはオフロード車バイク用のバッテリやリレーモジュールなどが組み込まれる
Bang-四鈴ちゃんが高々と掲げるカメラ。斜めから見ることで、ケーキ全体のろうそくが重なることなく検知できるようになっている

Sズキを変えた、魔改造の夜参戦という“ビッグウェーブ”

──ワニちゃん水鉄砲チームでのそれぞれ役割を教えてください。

江口さん:私はワニちゃん水鉄砲チームのリーダーをやっていました。もっとさかのぼれば、前回出ていた小串と一緒にこの魔改造の夜に出ようか、と最初に言い始めた2人のうちの1人です。

徳弘さん:私は後方支援チームを担当していました。法務だったりとか、財務だったりとか、いろいろなエキスパートの方がうまく分散している中で、私はどちらかというと名前のないような仕事が多かったかなと思います。

 また、外装の編み物も担当しました。最初に募集がかかったときにエンジニアを集めるっていう話だったんですけど、魔改造の夜が好きなので「やりたい」と。エンジニアでもないし、何もできることはないけれど、編み物ができますってお伝えして参加したら、それを覚えていてくれたエンジニアの方たちから、編み物を外装でやってくれないか? って声をかけてもらいました。

森さん:自分はこのワニの制御と、血管になるような配線部分をやりました。あと、カメラの制御に関する部分、ワニを動かしたりとか、カメラで火がついているかどうか認識したりとか、口を開けるとか、水を出すとか、そういった部分をつかさどるところをやったっていうイメージです。

左から徳弘千夏さん、江口卓也さん、森敦司さん

──今回、どうして魔改造に挑戦しようと思ったのですか。

江口さん:僕は、バイクとかクルマとかの技術者って直接的な技術勝負ではないというか、どっちが技術力あるんだ勝負にはあんまりならないと思っていて、野球とかボクシングとかと違って、個人の力というよりもトータルのチームで戦いますし、バイクやクルマが売れた、売れないっていうのは結構いろいろな要素が絡んでくるので、自分1人が頑張ってもどうにかできるものではないと思っているんです。なので、自分の技術力ってどれぐらいあるのかっていうのは戦ったことがないので分からない状態で、ハードウェア、僕の専門はシリンダーとかシリンダーヘッドなんですけど、そういうところだと技術力とか競争っていうのがない。どっちが早く作れるかとか、ミスなく作れるか勝負みたいなのってあんまりなくて。なので、戦う場所が魔改造の夜にはありそうだなとずっと思っていました。

 社内でもいろいろ話を聞いていくと、もの作りの趣味を持っているんだけど特に出す場もなくて、共有する場もないっていう話があって、自分もいろいろと作っていたので、クラブ活動にしたら面白いかなと、3年くらい前にもの作りクラブを立ち上げました。でも、メイカーフェアだと自分の思ったものを作るというか、あまり勝負という感じにはならないんですよね。勝ち負けではないところの発表もそれはそれで面白いんですけど、勝ち負けの中で戦うとどうなるかなっていう興味があったので、それが私の動機の1つです。

 挑戦にあたっては、最初に社内のSNSで小串がやろうよって言ってきたと思っていたんですけど、この前ちょっと調べてみたらやろうよなんて言ってなくて(笑)。「他社さんこんなん出てるらしいです」ぐらいの感じだったのが、僕が「もうぜひやろうよ、すぐ!」っていう軽いノリで返事していて。僕は小串さんに誘われて出たつもりだったんですけど、よくよく見たら全然誘われてもいなかったっていう(笑)。

徳弘さん:私はもともと魔改造の夜という番組が好きで、ものを作る過程の企画をどうやって考えて、どういうふうに作っていくんだっていうところを内部から見られたらどれだけ楽しいんだろうというような動機です。あとは単純に、他の部署の方ってなかなかお話しする機会もないので、そういう方とも関わってみたいというとてもシンプルな動機ですね。なので、ものを作ろうと思って入っているというよりは、後方支援ですね。かぶりつきで、一番近くで見たかった。番組を好きな者としては真横で見られるっていうのはそういう機会はなかなかないですから。

 でも、フタを開けてみたら、実際自分が編み物することになった。関われたっていうのも大きいですし、手芸の分野でしかものを作るっていうのを知らないで生きてきているので、こんなものを作ることができるんだ、みたいな。何人も3Dプリンタを使えるよって方がいたりとか、ソフトの方もそうですし、メンバーみんながものを作るのが好きで、普段から仕事でやっているのもそうでしょうけど、趣味でもやっているというのは大きいのかなって思いました。

森さん:自分は魔改造の夜の事前テストをするっていう案内がメールで来たんですよ、社内全社に。で、そのメールを見落としていて(笑)。なので、実はここにいない人間だったかもしれないんです。なんでそれに気付いたかっていうと、最近結婚した妻が社内にいるんですけど、仕事をしていたときにその妻からメールで「敦司さんのための企画があるよ!」って。なんだなんだと思ってみたら、魔改造の夜に関する案内で。

 でも、それだけだったらたぶん参加しないと思うんですけど、自分がもともともの作りが好きだったんですね。普段から魔改造みたいなことをしていたんですよ。例えば、正規でこういうものですって作られているものに対して、これはもうちょっとできるだろうみたいなことを思って、モーターが回る量をもっと多くするみたいな、電圧をかけるみたいな簡単な話からスタートしていって、いまは既製品に別の機能を持たせたIoTデバイスを自分で作るようなことまでやっています。なので、付加的に何か機能をつけたりするような、突拍子もないことをやるなら楽しみだなと思って、「よし、いくしかないな」と思って、参加しますって送ったんです。

──危うくビッグウェーブに乗り遅れるところだったんですね。

森さん:完全に乗り遅れていましたね(笑)。

──今回、Sズキを代表する仕事として社長が技術戦略説明会で取り上げていましたが、そういうふうになるとは思っていましたか? また、そうやって取り上げられたのは、魔改造の夜の活動のどういうところが会社的によかったのか感じている部分があったら教えてください。

江口さん:割とほかのチームの方のお話を聞くと、少し偉い人から「うちもやったらどうか」って降りてくるパターンが多いようなのですが、弊社の場合は私と小串っていうコネクションがない状態の2人が「やりたいんだけど、どうしようかな」から始めて、そこから順番に上げていったという経緯があるので、上から下りてきた仕事ではなくて、草の根活動って言うんですかね、ボトムアップのかたちで提案が出てきて、それが全社的なところになったっていうところが、いいなと思ってもらえたのかなと。

 自分も技術戦略説明会に参加したときに話を聞いていて、その中でお話させていただいて思ったのが、あまり「小・少・軽・短・美」を意識してマシンを作ったわけではないんですけど、割とそうなっている。このワニですらも、最初僕らが作ったときは「すごいおっきいのができちゃったな」と思って持って行ったんですけど、実際持って行くと1番小さくて(笑)。

 マッサージ器の方も、最初から1番小さいものがいいと思ってそれを目指して作ったわけではないんですけど、結果的にそうなったっていうところが、なんとなくSズキの中に根付いているというか、あまり意識していないようでも、なんとなくそこに落ち着いたというのが評価されたのかなと思います。

徳弘さん:私は入社3年目で、まだ会社の色も分かっていないくらいなんですよ。割とこうやってこういうふうに挑戦できる会社なのかなと思っているんですけど、どうもお話を聞いているとそういうわけでもない(笑)。

江口さん:挑戦できないわけではないけれど、これまでそんなにこういうことをいっぱいやってきたわけではない中で、今回は割とうまくいったとは思っています。いつもやっているわけではないです。

徳弘さん:なので、なんか意外だなって思ったんですよ。あまり印象を持っていないので。こういうものなのかなと。

森さん:僕も入社4年目で徳弘さんに近いかもしれないのですが、どんな会社かを知らないっていうのと、いまの職場しか知らない。なので、Sズキとしてはいろいろいっぱい挑戦していたと思うんですけど、入社したての人が参加して挑戦できる場って、たぶんいままでにないとは言わないけど、すごい珍しいというか、パイオニア的存在になってるんじゃないかなと思っていて。社内でも魔改造の夜への挑戦の影響で、「新しくこういうのやりたいよね」っていうのが出てきていますし、自分のチームの中とかでも「森くんができるなら僕もできるし」とか(笑)「自分も会社を効率化してやるよ」みたいな話とかするぐらい、結構影響が大きかったって思います。

「おもちゃ」の魔改造へのこだわり

──魔改造の夜参戦にあたって、家電かおもちゃだけが分かっていたとのことですが、なぜおもちゃを選んだのでしょうか?

江口さん:うーん……。おもちゃが好きだから(笑)。やっぱりいろいろ全体が見られると思ったからでしょうか。ある程度自分の能力の範囲内で、端から端まで分かるものの範囲内で作れるかもしれないと思っていたような気がします。

 僕は入社18年目で(笑)、完成車メーカーの中でできるだけ小さい会社に入りたくて。小さいクルマが好きだっていうのと、あとはいろいろな範囲の仕事をやりたかったので、小さい会社をチョイスしたかったんです。いまは日本で2番目の大きさになっていますが、十数年前は会社の割にはそんなに技術者の数は多くなくて。入社してから四輪か二輪かと言われたときに、「もしかして二輪の方がいっぱいできるかも」って思って、二輪を志望した経緯があります。

 今回もそれに近いかもしれないのですが、家電はいろいろな技術が入っているものをコントロールしないといけないイメージですが、おもちゃだったらコントロールできるんじゃないかっていう気がして、おもちゃにしたような気がします。ただ、よくよく思い返してみると、おもちゃの方が難しいことをやっていて、家電の方が割とおもちゃに近い動きをする競技がこれまでも多かったので、なんか落ち着いて考えると逆だったかなと思います(笑)。

リーダーの江口卓也さん。前回のインタビューでお話をうかがった小串俊明さんと一緒に魔改造の夜参戦の第一声をあげた中心メンバー

森さん:最初は、おもちゃがよければ家電から移ったり、家電がよければおもちゃから移ったりできるっていう発想のもと、とりあえずいったんチーム分けしましょうってなったんですね。ただ、自分はその後、移動できるっていうチャンスが来たってときにもおもちゃを選びました。自分はもともと中高生のときにロボットをやっていて、そのときは地球儀ぐらいのサイズのものを扱ってきました。だから、おもちゃもそれぐらいの規格だったら扱いきれるかなって思って、おもちゃにしようと思ったんですね。

 あと、家電ってそもそもコストがめちゃめちゃかかると思ったんですよ。だからギミックとかを入れるにしても、家電よりおもちゃの方が単価が安くなると踏んで、おもちゃの方がギミックいっぱい入れられるし、例えばTVに仮に出るとして、TVに見えないところでも何か面白いものをぶち込んでおけば、1人で「みんなはこういうふうにやってると思ってるけど、実はこうなんだぜ」ってニヤニヤしたいと思っていました(笑)。

 それに、変な話ですが、おもちゃだと単価が安かったらいくらでも壊せる、失敗できるなと。例えばワニちゃん水鉄砲を1個壊したら数百円だとして、家電を1個壊したら数千円ですって言われたら、ちょっと壊せないよね……っていう。すぐ手に入りそうか、入らなさそうかというところも含めて、おもちゃを選びました。

徳弘さん:後方支援チームも2つに分かれたのですが、ほとんど機械的にみなさんがどれぐらい参加できるかによって分けていました。なので、たぶんどちらかにこだわりがあるというのはないと思うのですが、実は私にはこだわりがあって。魔改造の夜が好きなのでずっと見てきて、おもちゃって外側が柔らかい場合が多いんですね、ぬいぐるみとか。私は手芸を趣味でやるので、裁縫を使える機会があったら手伝えるのはおもちゃの方になるのではないかと思ったのですが、まさか編むことになるとは思いませんでした(笑)。そういう理由でおもちゃを選びました。

江口さん:なんかね、俺、徳弘さんに編み物をどういうふうにお願いしたのか記憶にないんだよね。最初に徳弘さんが応募してきたときに、編み物が得意ですって書いてあって、小串と2人で「やった。これはカワイイやつができるぜ」って言った覚えはあるんですけど。その後、作ってってお願いしましたっけ?(笑)

 最初、ワニのポンチ絵みたいなものを書いていて、ここを毛糸で作ってもらえばって言ったような気もするし……。ちょっとね、いろいろな記憶がごちゃまぜになっていて、当時どうだったか覚えてないんですけど……。

徳弘さん:左の腕の方は江口さんだと思いますよ。キャノンは別の方だと思います。それよりも前にほかのメンバーさんから何かできないかって言われていて、そのときにちびのワニちゃんを作っています。このちびワニちゃんは、デザインも何も決まっていないときに、お洋服を着せるとか、もしノズルが入るんだったら口を開けたようなワニを作ることもできるというような見本として、自分の家にある糸を使って突発的に小さいサイズ感で作りました。ちびワニちゃんはどなたかがWebで公開している図面で作りましたが、(わにわにバンバンバーンの)腕は完全創作です。そんな図面ないですよ(笑)。

森さん:図面どころか、その場で頭で考えていましたよね。

徳弘さん:そうですね。合わせながら考えていました。

後方支援担当だったはずが、編み物でがっつり関わることになった徳弘千夏さん。見本として編んだというちびワニちゃんは、緑色の毛糸がなかったことから黄色い身体に赤い目のアルビノ種になったという。かわいいお洋服も着用可能

Sズキらしく狙った10本消し

──おもちゃを選んで、ルールが開示されたときの第一印象はどうでしたか?

江口さん:私は結構難しいと思いました。水を飛ばすっていう行為も、火を消すっていうのも、自社内に技術がない。方法も思いつかなくて。「さて、困ったなあ。とはいえ、別にほかのチームだって一緒かな」と思って。分かっているものを作るのはそんなに難しくないというか、いつもの仕事って大体積み重ねなので、本当にゼロからスタートすることってあまりないんですけど、今回は最初の第1歩をどうしたらいいかが難しくて。水鉄砲を買ってきたりとか、ろうそくを持ってきてまずは短い距離で消してみたりとかっていうとこからスタートしたので、作り始めるまで時間がかかりました。というか、どうやったら火が消えるのかとか、どうやったら水が飛ぶのかっていうのが最初は難しかった。

 最初は、まず水を飛ばすというところから。作り始めたときには全然本当に手探りで、完成するかどうかも分からないけれど、とにかく作ってみる。右と左と別々のチームで作っていたんですけど、最初の2週間ぐらいは完成するのかなっていうか、どこに向かっているか分からないくらい難しかったですね。

 キャノンは割と中盤ぐらいに出来上がってきて、出来上がってから「これってインジェクターと一緒だな」っていう話になったんです。ピストンを押して飛ばしたいっていうチームがいて、まずは作ってみる。作ってみて飛ばしてみたら、どんどんスピードを上げていくと霧になっちゃって。そこで、ノズルをいろいろと変えていくうちに、これって、インジェクターではガソリンがくっつくと液体になって霧化しなくなっちゃうんですけど、それでダメだったときのノズルになんとなく近いなって気付いて。なので、前回(インジェクターで)失敗したときは水になっちゃったんだけど、むしろ今回はそうしたい。水を水として飛ばしたい。あんまりスピードを上げると霧化しちゃうんで、っていう話で、なんとなく理屈が分かって納得感があったっていうか、手を動かしてから分かるっていうか。理屈があって作っているというより、作ってから理屈がついてくるというのに近かったように思います。

──チームSズキの特徴としては、3パターンのロジックで攻めるということで3つの手段を作りましたが、3つにしようと思った理由は何かあるのですか?

江口さん:最初はおそらく弊社はほかのチームより人数が多かろうと。なので、人数が多いところを活かすっていう意味で、1回いろいろなところに手を広げて、いろいろな可能性を見つつ作っていった方がいいかなって思って、2チームか3チームぐらいに分かれて、それぞれの水鉄砲を作りました。でも2週間目か3週間目ぐらいのときには、どれもうまくいっていなかった。僕らとしては10本消しというところは最初に目標に置いて、できれば最後までそれを持っていきたかったんですね。なので途中でその目標を変えたくなくて。とはいえ、それぞれに弱点と強みがある状態で、同じものを3種類出すと10本消しは時間をかけてもできなさそうで。でも、3つ組み合わせればいけるかもしれないと思って、当時はそれで進めました。あとからだとまた違う作戦も思いつくんですけど、作っていたときにはおそらくほかのチームにはいろいろな種類のものを作るのは難しかろうし、Sズキらしさも出るだろうと思っていました。さらに、10本消しを狙っているっていうところでもいいかなという気はしていました。

森さん:僕は3つでいくという作戦に決まったとき、たぶんその場にいなくて(笑)。でもいま思うと3つやっておいてよかったかなとは思います。ただ、先ほども江口さんが言われてましたけど、あとで理論がついてくるみたいな状態なので、最初は3つじゃなくてバラバラがいいっていう発想で始めていたんですけど、途中でこれ3つでもいいかもしれないっていうのが、もう時間がないっていうときに発覚して。それが絶対にいいとも言えないし……って。

江口さん:思いついても戻れないんですよね。時間がないので。例えば、6本消しをしましょうっていう場合には最適解がまた違うと思いますし、現場でMブチさんができていたことは、僕らにはちょっとできそうになかったんです。いま思うと……っていうか、答えを知ったあとだと、また違う方法があるなと思っちゃうんですけど、答えが分からない中でやっているとそのときはこれが最適解だと思いました。

──「全部消すぞ」っていう最初の宣言があったと思うのですが、Sズキ的にはやっぱり全部消さないといけないものだったのでしょうか?

江口さん:完全に初回で、しかも他社の状況も分からない中で、中途半端に目標を立てるのって難しいんですよね。でもそんなに、すごく自信満々に「全部ですけど」みたいな感じではなかったと思うのですが(笑)。

 ただ、弊社が出る中で「6本消します」というのはちょっと言えないかな(笑)。絶対1位を取るんだ、どんな手を使ってでも1位を取るんだ、っていうのであれば別の戦い方があるんですけど、やっぱりSズキらしさも示したいですし。10本消すっていうところを目標にみんなで頑張ったっていうことが重要で、1位になったから何をやってもいいっていうものじゃないだろうというところはあったので、どんな手を使っても絶対勝つっていうのではないかもしれないです。

森さん:でも、全部消すっていうのは、たぶんみんな考えていたと思います。課題として出されたら、答えがあるから出してきてるんだろうなって、深層心理じゃないですけど、10本消せるものだと思いませんか?(笑)

 とはいえ、出しているがわも別に答えを持っているわけではないから、数人は全部じゃなくて確実に消す方がいいって思っていたというようなことをちょっとだけ聞きました。だけど、大多数はSズキらしく10本で全部消そうって思っていました。

──開発中に鈴木社長が訪れて、「いま苦しんで当日は楽しんで来いよ」と声をかけている場面があったと思うのですが、その苦しみと楽しみをそれぞれ教えてください。

徳弘さん:編み物の話だと、私は10年近く編み物をやっているのですが、基本的にかたちが決まっているものを編んでいきます。自分で図面を考えてペットボトルカバーを1から作るとかだったら、元のかたちがありますし、同じようなものを作ってらっしゃる方がいるので参考にできるんですけど、まさか「ワニのかたちをした機械に左腕をつけよう」みたいなことを考える方はいらっしゃらないじゃないですか(笑)。なので、何から始めていいのか分からず、「こういうかたちになる予定です」ってことは言われるんですけど、まだものが出来上がっていない状態なので「じゃあこんな感じかな」って作ると、「ここはこういうふうにしてほしい」って言われて、また戻すっていうのがあって。縫い物とかだとやりやすいんですけど、編み物だと全部ほどかないといけないですし、棒編みに比べて時間のかかるかぎ針編みになるので、こういう短納期にあまり向いていないんですよ。そこが結構大変でした。

江口さん:手の部分は1回作ったやつを1回ほどいて、また作り直しているんですよね。もうちょっと、ってなったときにわーってほどいて、1時間くらいで編み直しているんです。

森さん:皆で話し合っている横でずっと編んでいましたね。

徳弘さん:最終日ですね。みなさんが調整をしている中、カメラに合わせながらワニの手を編んでいました。マシンにちゃんと合って、マシンを見せるようなものを作りたいってなったときに、早くできるのは棒編みだけど、ちゃんとこだわるならかぎ針編みをやりたくて。時間ないけどばーって(笑)。

 編み物だと、それこそ自分で完結する作品しか作ってきていないんですね。人と合わせて初めて出来上がるものっていうのがこれまでなかったので、左腕をかぶせたときにはすごくうれしかったです。作品の一部になれるんだ、全然違うジャンルの方とコラボレーションして、こんなことできるんだって思って。今後使えたらいいなと。

森さん:僕は本当にいっぱいあります。終わったときは本当は泣いちゃうぐらい悲しかったし。でも楽しかったですよ。自分がいままで挑戦したことがない場所に挑戦する機会をもらって挑戦しにいけた。その状況っていうのはすごい楽しかったですし、社長に会ったときに「本当にやらせてもらってありがとうございました」と言いました。こういうことを社内でやっていくと仕事に対してもモチベーションが上がるから、続けさせてほしいです。続けていきたい、参加していきたいって社長にお話させていただいたぐらいには楽しみました。

 苦しんだところは、みんなで作っているので自分の頭で思ったようにはいかないうえに、自分の担当が制御とか電気系の内容だったので、さっきの徳弘さんとちょっと近いのですが、実物がないとそもそも想像もつかない。だから、全部シミュレーションで100個ぐらいプログラムを作って、たぶんこういう動きをするだろうな、こういうふうに動くかな、この角度だろうか、この高さだろうか、みたいなことをずっとやっていましたが、一向に答えは出ないんですよね。じゃあ本番のものが出てくるっていつなの? ってなったときに、どうしても工程が後ろに全部ずれちゃうんですね。後ろにずれると、後工程の自分が担当するプログラムのところとかが、ギュッてなるんですよ(笑)。なので、もう本当に覚悟を決めてやらなきゃいけんと思って、そういう気持ちになるぐらい切羽詰まっちゃうっていう苦しさはありましたね。

 あともう1個は、やっぱり最初はみんな仲がいいんですよ。やりたいことをやっているので。別に最後に仲がわるくなったってわけじゃなくて、さっきの時間の話もありますが、やり方や考え方とかがずれたりすると、ちょっとギスギスしてくる。ギスギスしてきて、それを直すっていうことにも時間を使えない。じっくり膝をつき合わせて話をすれば分かるんだけど、そんな話をする時間がない。そういうのがいろいろなところで起きていたわけです。そういうちょっとギスギスしていたときは、つらいなって思いました。でも、それぐらい熱意をそそげたというか、集中できたのかなって思います。

制御担当の森敦司さん。募集メールに気付かず、「もしかしたらこの場にいなかったかもしれないし、別の人の制御が乗っていたかもしれない」と言いつつも、短い期間でプログラミングをやりきった

──江口さんはいっぱいあると思います。

江口さん:そうですね。今回の場合、期限が本当に決まっているので、1日持って行くのが遅れたら撮影できなくなっちゃうし、価格も5万円って決まっているので、5万円を1円でも超えると失格になってしまうんです。いつものクルマだと、言い方はわるいですけど、1円上がってもほかで調整できますし、やりようもあるのですが、今回の場合は本当に手がない。なので、大変といえば大変ですけど、その調整はしなくていいっていう楽さが実はありました。私は普段、コストだとか日程だとか、こういうものを作りましょうっていう商品企画の仕事をやっていて、納期が遅れたから後ろの日程はどうするのっていう調整をするのも通常業務なのですが、今回の場合は遅れても後ろは伸びないから調整できない。なので森さんが怒る(笑)。「今日から俺の仕事のはずなのにものがない!」と。でも調整のしようがないので、ごめんなさいって(笑)。できると思って余裕も持って日程を組んだのですが、どれも作ったことないのでやっぱり難しかったですね。そこはいつも以上に読めなかったですし、コストもギリギリ入るかなって思ってやっていたんですけど、最後の最後に計算してみたらすごい少なくて(笑)。

森さん:オーバーしてたからって減らしたら、減らしすぎちゃった(笑)。

見えないところに詰め込まれたものすごいこだわり

──今回はなぜカメラを使おうと思ったのでしょうか。

江口さん:カメラの場合は「こういうことができます」ではなく、「できると思うよ」ぐらいで走り始めて、横浜研究所のメンバーがいったん自分で組んでみて、「ほら、カメラで撮影できるでしょ」って持ってきました。そういう意味では「こういうのが作りたい」って言うだけではやっぱり難しくて、原案からある程度作るところまで、自分で手を動かして作れるメンバーでないと参加が難しかったかもしれません。今回は手を上げたメンバーが割とそういう人が多くて。3Dプリンタを自分で持っている人がこんなに社内にいると思ってなかったです(笑)。

 3Dプリンタはワニの口の長いところなどに使われていますし、社内だと火が使えないので最初はろうそくを使えなかったのでLEDのろうそくを作りました。本番と同じサイズのろうそくを3Dプリンタで作って、100円均一で売っているろうそくのLED部分を移植して、っていうのを割とサクサクっと作って持ってくるメンバーがいて。いつもの仕事でこんなの見たことないっていう(笑)。

3Dプリンタで作られたろうそく。色もサイズも本番で使用するものとまったく同じで、中にLEDライトを点灯させるための配線やボタン電池が収められている

──カメラでは明るさを見ているのですか?

森さん:いろいろ試行錯誤したんですけど、これは明るさじゃなくて、火の輪郭が存在するかっていうところを見ています。もともとは明るさという考えもあったのですが、どんな現場か分からないので、だったら目で見ているような状態で感知するのが1番いいよねっていう発想で実現しました。

江口さん:ソレノイドを動かすためにもコントローラーがあるので、カメラ単品だと2000円か3000円ぐらい。もうちょっといいカメラを使うと全然違うんですけど、コストの壁があるので判定できるギリギリ安いカメラを使っています。Sズキとしてカメラをミスるのはちょっとヤバイっていう話もあったのですが、今回の場合は本当にコストギリギリの中で詰め込んでいるので、僕らが普段使っているカメラとは段違いに低いスペックで、制御は逆に相当難しいことをやってるっていう。

森さん:さっき見えないところでニヤニヤするって言いましたけど、中身はいろいろいっぱいしています(笑)。実はカメラのレンズも社内の人が焦点距離を測って削ってくださっていますし、ノズルの先端もパイプを熱して引っ張って切るっていう作りになっているのですが、何回かやって同じようなものが作れるっていう技術を身につけた人もいて。Sズキの中には職人さん気質の人が結構多いです。

江口さん:仕事には全然関係ないんですけどね(笑)。

──技術戦略発表会で社長が「ろうそく消しでは、原理原則の重要性や外乱への対応の難しさを再認識しました」と言っていましたが具体的にどのあたりを指しているのでしょうか。

江口さん:原理原則の話は、火を消すという行為ですね。ろうそくの火に水が当たれば消えるだろうって思うのですが、実は火の芯のど真ん中に水が当たるか、もしくは火の熱でロウが気化したロウだまりのところを気化しないように水でフタをするか、全体を気化しないように温度を下げちゃうか、っていうアプローチが必要となります。そういうアプローチに対して時間がなかったって言うとあれなんですけど、なんとなくそのあたりに答えがありそうだという感じはしていたのですが、そこを起点に設計はできなかったっていうことですね。

 今回はスプレーを作ってから「これだったらこの方法、この原理に合うな」っていう話になったのですが、本当は火が消える原理を知った上で機械を作らないといけないよねっていう。それはクルマ作りっていうところで考えると、仕組みを分かった上で設計するっていうアプローチにしていかないと、なかなかうまくいかないよねっていうのが原理原則にてらしたっていうところがあったかなと。

 もう1つの外乱の方はカメラの話だと思うのですが、現場で何が起きるか分からないというか……。カメラもそうですし、実際はそのほかの部分もそうでしたね。現場に持って行くまでは、例えばキャノンはほぼ百発百中で3本消してたんですけど、現場に行くと微妙に風の向きで上にずれたり下にずれたりする。そうすると思ったよりも消えなかった。カメラも浜松でやったときにはほとんどミスがなかったし、現場で練習したときもうまく映っていた。

 そういうことを含めて、何があってもある程度結果を出せるように準備しておかないといけないというところかなと。本当だったらいろいろなバックアップのプログラムを作っておけばいいのですが、それを作る時間、そもそも本当は森さんが割り当てられた時間は1週間かプラスアルファぐらいあったのに、実際は3日くらいしか割り当てできなくて。本来ならもっと詰められた作業が詰められなかった。

 競技の場合はそういうこともあるし仕方ないのですが、クルマ作りだとかバイク作りだとかの場合には、僕らが全てのお客さまの横に行ってセッティングするわけにいかないので、ある程度ロバスト性を持たせておくというのは必要だよねと。

 あと、僕らの場合は課題が残るというか、次はこうしたいっていう課題がいっぱい出てくるし、競技が終わってからも延長戦になっている。僕らとしては勝ちにいっているのでつらいんですけど、Sズキ全体とすれば次につながる結果だったのかなと思っています。

一夜明けて得た成長

──魔改造の夜に参戦して、何か学びはありましたか?

徳弘さん:後方支援という意味で言いますと、後方支援のメンバーは10人くらいいるのですが、マッサージ器とワニちゃんとを兼任している方もいて。本当にいろいろな部署から1人ずつ参加したぐらいの感じになっていて、普段からほかの業務の部門とも関わりはあるのですが、なかなか全体としては見られないという中で、今回はSズキをぎゅっと圧縮させて、集約した感じのチームだったので、隣が見えるんですよ。現場の方の仕事をこの規模で見られたというのは、直接的には仕事には関わらないですけど、今後の仕事には絶対生きてくることだろうなと思いました。

 編み物に関して言うと、趣味の幅が広がりました(笑)。なかなか編み物って表に出てくるようなものでもないので、そういう意味では魔改造の夜に編み物で出るっていうのは面白かったとは思います。結構みなさんが見てくださっていてとてもうれしかったです。

江口さん:誰が作ったのかって聞かれることも何回かありました。おじさんが編んでたの? って(笑)。最初は足とか手とかはなかったんですよ。気付いたら途中からできていた。

徳弘さん:最初は胴体だけ作って、足はほかの方に木で作っていただいていましたが、間に合いそうだったので足もやりました。胴体と足で編み方を変えていて、胴体の方は指が通るぐらいに目が粗くて、足の方は目が詰まっているのがこだわりです。本来のあみぐるみはこの(足の方の)編み方でぎゅっと目が詰まっていて、綿が出てこないようになっている。でも今回は時間を重視していて、30分間で編める長さが全然違うので、編み方を変えました。

江口さん:3Dプリンタより全然早いですよ。

徳弘さん:3Dプリンタは寝ていても動いてくれますが、これは私が手を動かさないとできないです(笑)。

編み方によって30分で編める長さが変わってくるという。左が胴体の編み方、右が足や手の編み方

森さん:僕はすごいシンプルな話なのですが、自分ってそもそも普段の業務でもプログラミングをやっていないんです。ロボットを中高でやっていた経験はあるんですけど、今回のプログラミングはそのときとは違う言語のPythonを使うので、1から勉強しなきゃいけない。ただ、時間はない。なので、短期間で何をどうやったらうまいことできるかを考えるっていうところと、シンプルにプログラム技術っていうところは、もう跳ね上がったって言っていいぐらい学べました。なぜなら3日間なんで(笑)。

 最初はほかの制御をやるって言っていた方々はC言語を使っていて、自分だけパイソンで絶対やります、って言って始めました。その結果かどうかは分からないですが、社内でも解析とかにPythonのコードというか、ライブラリーとかを使ってやっていきましょうっていう流れも作れたかなと。

江口さん:自分は割と新しい業務が多くて、最近だとモーターショーに出していた折りたたみ電動モペットの「e-PO」を担当していて、割といままでにないことをやることが多かったと思っていましたが、なんとなくバイクだったりするので、思ったよりもそんなに新しくないというか、自分の知識の中で階段を上っていくようなレベルでした。

 だけど今回、いろいろな人の技術、それも仕事の中では出てこなくて、実際にやってみると出てくるような技術がいっぱいあって。思ったよりも新しいことをやっても結構達成できたりするんだなぁと思いました。

 あとは、例えば江口が20人いるよりも、いろいろな人が集まって20人でやった方がいいものができるっていう、あまりいままで体感できる瞬間がなかったことを実感できました。今回はおそらく自分が20人集まってもこうはならないし、さっきの編み物もそうですけど、自分が把握できてる部分とできていない部分があっても、うまくそれをメンバーの力で、それぞれの個性を活かすとこうなるのかなと。分かっていないことにチャレンジしても結構いけるなという感触があって、それはなんか面白かったですね。

 自分なら「こうだったらできるでしょう」っていう企画を作りがちというか、僕が勝手に思った限界ラインで企画を作ってしまいがちなんですけど、もう少し話をすれば、通常業務の中は出てこない技術を実はみんな持っていて、「実はこういうことできるよ」っていうことがあったりするということが学びですかね。

森さん:カメラとかプログラムとか、今回仕事で関わっている人誰もいないですしね(笑)。

新しいことに挑戦するということとは

──最後に、メッセージをお願いします。

徳弘さん:私は後方支援なので毛色が違ってきてしまうかもしれないですけど、でもとりあえずやってみるっていうのはすごい大事だと思いました。今回は最終的に編み物でがっつり関わることになりましたが、でも当初この予定はなかったですし、何もできないけれど何か関わらせてほしいというスタンスで入っていくのは勇気がいるかもしれませんが、専門じゃないからとか、別に私にできることはないからっていうところで止まってしまうのではなくて、そこで結果がどうであれ、1歩踏み出してみるっていうのはすごい大切なのかなと思っています。

 あとは、編み物だからって編み物だけでクローズする必要はなくて、いろんなもの作りに触れていった方がいろいろ広がるんじゃないかなって今回すごい思いました。

森さん:まずはやってみるってところを実践していってほしいと思います。それはそれこそ魔改造の夜への参加を見落として参加できなかったかもしれないときの当時の自分にも言いたいですが、いつも何か自分の挑戦できる場がないかを探っていてほしい。それによって、参加しなかったとしても、参加していたとしても、どちらにしても得られるものは絶対にあるって思っています。

 この前のCNチャレンジ(鈴鹿8耐)も自分は参加志望しなかったんです。でも、参加志望をしなくても情報を知っていたら、参加志望した人の話とか、現場に行った人の話とかを聞けます。話を聞くだけでもプラスになるのに、そういう情報を知らなかったら聞くこともできません。魔改造の夜に関しては参加をしたので当然得られるものがいっぱいあったわけですし、自分でやりたいことも、新しく踏み出そうと思う気持ちも、マインドも変わりました。なので、自分が何か変わりたいとか思っていなくても、絶対にプラスのエネルギーをもらえるので、なんでもいいから何か自分が挑戦できる場がないかっていうのだけでもリサーチする、探すっていうのをやってほしいです。そして、可能であらば参加してほしい。それが僕が1番伝えたいところです。

江口さん:魔改造の夜のようなチャレンジが少しずつできるようになってきていて、実際参加もできているのですが、これまではあまりこういう例は弊社の中になくて。ある程度新しいことをやっていかないとダメなときに新しいことをやれそうな土壌が少しずつできてきています。まだ途中ですけど、これからこういうことをもっとできるようになっていけるといいなとは思っています。そしてそれをうまくクルマとかバイクとか、製品に活かしていけるといいなとは思いますね。

 あと、通常業務であまり関わらない方と顔なじみになったので、雑談の中で「こういう仕事でこういうことしたいんだけど、やり方が分かんないんだよね」って言ったら「できるよ」って言って割とサクッと数日で仕組みを作ってきて、こんな簡単にできるんだって驚きました。通常の仕事の中では関わらない人とも交流ができるといいことがあるよっていうことを、社内でも広めていきたいと思いました。

浜松の某歴史館では魔改造の夜参戦マシンの展示も行なわれている