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TDKアスリートアンバサダーに鵜澤飛羽選手が就任 「200mで日本人初の19秒台に入れるのが1番の目標」

2024年9月13日 開催

「TDKアスリートアンバサダー」に就任した陸上競技短距離走の鵜澤飛羽選手(右)

 TDKは9月13日、同社がオフィシャルスポンサーとして協賛する「第20回東京2025世界陸上競技選手権大会(世界陸上)」に向けた「TDKアスリートアンバサダー」に、陸上競技短距離走の鵜澤飛羽(うざわとわ、筑波大学所属)選手を任命したと発表した。

 同日、後楽園ラクーアガーデンステージ(東京都文京区春日)においてアンバサダー就任式を行ない、TDK 戦略本部 広報グループ ゼネラルマネージャーのノルバート・パラノビチ氏が同社と世界陸上の関わりについて説明するとともに、鵜澤選手が世界陸上に向けた目標などについて語った。

TDK株式会社 戦略本部 広報グループ ゼネラルマネージャーのノルバート・パラノビチ氏

 TDKは各種エレクトロニクス機器で幅広く使われている電子材料「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立。自動車、産業電子機器、コンシューマー製品、情報通信機器など幅広い分野でビジネスを展開している企業となるが、このことについてパラノビチ氏は「昔はカセットテープなどのレコーディングメディアが中心でしたが、現在のTDKは皆さまが日常的にお使いになっているさまざまな製品に使われているテクノロジやデバイスを支えているグローバル企業です。私たちの製品は、皆さまの日常生活の中で直接目にすることはほとんどありませんが、例えばスマートフォンや自動車などの中でたくさん使われています」と説明。

 一見すると同社と世界陸上の関係は見えにくいものもあるが、実は世界陸上第1回目のヘルシンキ大会(1983年)からサポートを行なっており、2025年9月13日~21日に東京で開催される世界陸上もオフィシャルパートナーとして協賛することが決定している。

 この理由について、パラノビチ氏は東京2025世界陸上に向けて「Transformation starts from the passion within」とのテーマを掲げたことについて触れ、「このテーマに込めた私たちの思いというのは1つ、アスリートたちの内なる情熱とトランスフォーメーションを応援したい。これまでさまざまな試行錯誤を繰り返しながら、テクノロジを通じてより良い未来社会の実現のために挑戦を続けているTDKは、アスリートたちの困難や逆境に立ち向かい、内なる情熱と勇気を持ってそれを乗り越えていく姿に共感し、アスリートを応援したいという強い思いがあります。未来を担う子どもたちが、世界陸上で躍動するアスリートに大きな憧れを持ち、自らもそうなりたいと勇気と情熱を持って1歩を踏み出す。そんな子どもたちの夢に向かうトランスフォーメーションも応援したい」とし、内なる情熱をもって挑戦する全ての人たちをさまざまな活動を通じて応援していきたいと述べた。

TDKは世界陸上第1回目のヘルシンキ大会(1983年)からサポートを行なっている
東京2025世界陸上に向けて掲げたテーマ「Transformation starts from the passion within」
世界陸上に込めたTDKの思いを示すステートメント
鵜澤飛羽選手について

 今回TDKアスリートアンバサダーに就任した鵜澤選手だが、中学校時代は俊足中堅手として甲子園出場を夢見る野球選手だったという。ところが練習中に肘を痛めたことで野球への思いを諦めざるを得なくなったことが転機となり、高校進学後、陸上競技の短距離走を選択。驚くことに、鵜澤選手はたったの1年半で高校ナンバーワンスプリンターになるまでに成長したとのことで、筑波大学に入学後は世界の主要大会で活躍。パリ2024オリンピックでは陸上競技男子200mに出場し、初出場ながら日本人選手として同種目で3大会ぶりの準決勝に進出している。

 そんな鵜澤選手をTDKアスリートアンバサダーに任命したことについて、パラノビチ氏は鵜澤選手が陸上選手を目指したバックグラウンドと将来へのビジョンがTDKのテーマであるトランスフォーメーションと一致したことに加え、「鵜澤選手はこれから活躍が期待できる未来のある選手です。TDKは今後さまざま活動を通じて、鵜澤選手と一緒に彼と同じ未来の年代を応援したいと考えています」などと説明した。

「200mで日本記録を出すということが自分の中で目標」と語った鵜澤飛羽選手

 なお、登壇した鵜澤選手からは「最初お声がけいただいた時に、本当に自分でいいのかという確認を何回もして、自分がいいと言っていただけたので、その気持ちに応えようと思いすごくうれしい気持ちになっています」と、TDKアスリートアンバサダーに就任したことについて喜びの声を寄せた。

 また、今後挑戦したいことを聞かれた鵜澤選手は、「陸上競技で言えばやっぱり200mで日本記録を出すということが自分の中で目標になっています。末續慎吾さんの20秒03を更新して、日本人初の19秒台に入るというのが1番の目標です」と力強くコメントしている。

会場では東京2025世界陸上のビブスデザインも披露された