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ラリチャレ利府で熊谷町長が紹介した、auの「おもいでケータイ再起動」 東日本大震災で亡くなった方の声の復元も

おもいでケータイ再起動用に作られた充電装置。2本のピンでバッテリに電力を送り込む

ラリチャレ利府と合わせて開催された「おもいでケータイ再起動」

 9月29日に開催されたTOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ利府。アマチュアラリーとして人気の高いラリチャレ戦の中でも上位に位置する参加者の多い大会で、2024年も宮城県利府町のグランディ・21をベースに開催された。

 このラリチャレ利府の関連イベントとして行なわれたのが、auの「おもいでケータイ再起動」。TOYOTA GAZOO Racing、au/KDDI、イオンモール新利府、そして地元自治体である利府町の協力によってイオンモール新利府で開催されていた。

 おもいでケータイ再起動は、スマートフォン以前の携帯電話(いわゆるガラケー)を再度充電し、ケータイの中に記録されている写真や音声を取り出せるようにしてくれるサービス。ガラケーは、それぞれ独自の電池を採用していることが多く専用の充電器が必要になる。しかしながら、充電器がどこにあるか分からなくなったり、充電器があっても一度空になった電池は充電状態にならないなどの現象が起きる。そのため専用の充電装置で電池を充電し、ガラケーを再起動してくれる。

auショップで使われていた充電装置を活用して、ガラケーの再充電を行なっている
おもいでケータイ再起動用に新たに作られた充電装置
こちらはプリントサービス用のカラープリンタ

 一度起動すれば再び充電可能になることが多く、あとはメモリカード経由などで写真や音声、そして留守番電話のメッセージなどを取り出せる。おもいでケータイ再起動サービスでは、写真であれば1枚はサービスプリントしてくれ、その場で「懐かしい~」などの声も聞くことができるとのことだ。

 実際、ラリチャレであいさつに立った利府町長 熊谷大氏は、おもいでケータイ再起動サービスを視察したときのことを語り、「KDDIさん、auさん、そしてイオンモールさんと利府町でコラボした事業『おもいでケータイ再起動』というガラケーに収められた写真をプリントアウトするというイベントがありまして、ラリーカーの展示とともに数多くのお客さまがいらっしゃっていました。その中で、音声データの復元というものもございまして、東日本大震災で犠牲になられた方の生前の声が復元されたりしていて、むせび泣いたりしていらっしゃる方もいらっしゃいました。言いようのない悲しみの中、懐かしさのあまりに見せた涙なのか私には分かりかねますが、日常の中でもまだまだ震災は終わっていないことが印象として伝わってまいりました」と、震災の記憶が深く刻み込まれている地であることをラリチャレ参加者にも伝えた。

利府町長 熊谷大氏

 おもいでケータイ再起動を運営している KDDI ブランド・コミュニケーション本部 ブランドマネジメント部 エキスパート 西原由哲氏によると、おもいでケータイ再起動は全国各地をまわっており、予約制でサービスを受けることができるとのこと。利府のイベントについては人気が高く、すぐに枠が埋まってしまったという。

KDDI株式会社 ブランド・コミュニケーション本部 ブランドマネジメント部 エキスパート 西原由哲氏

 この利府では、震災で亡くなった方の留守電メッセージなどを思いがけず聞けるなど、所有者ですら忘れてしまっている記録がケータイの中から見つかるという。おもいでケータイ再起動は、すでに1万8000人以上の人がサービスを受けており、起動しなくなったケータイから人生の記録を引き出すことができる。

 KDDI/auが行なっているサービスだが、ほかのキャリアのケータイでもサービスを受けることは可能で、参加費は無料。おもいでケータイ再起動のX(旧Twitter)、Facebook、Instagramでイベント予定を告知している。

 もし自宅に起動できなくなったケータイがある人は、おもいでケータイ再起動のSNS告知を確認してデータの取り出しサービスを受けてみてはどうだろうか。自分自身忘れてしまっている思い出を取り戻せるかもしれない。

イオンモール新利府におけるおもいでケータイ再起動のイベント。ラリーマシンの展示とともに行なわれていた