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トヨタ 豊田章男会長、Joby Aviation ジョーベン・ビバートCEOを「86」のドーナツターンでおもてなし

Joby Aviationのジョーベン・ビバートCEO(中央左)を乗せてドーナツターンなどを披露したトヨタ自動車 豊田章男会長(中央右)

 トヨタ自動車とeVTOLを開発するJoby Aviationは11月2日、トヨタ自動車東富士研究所でトヨタ 豊田章男会長、中嶋裕樹副社長、Jobyの創業者兼CEOのジョーベン・ビバート氏による共同記者会見を開催した。この記者会見では、トヨタが空のモビリティのため出資するJobyのeVTOLのお披露目や技術展示なども行なわれた。

 そのほか、雨が降らなければという条件付きではあったものの、eVTOLのデモフライトも予定されており、会見に訪れた政府関係者や報道陣の前でeVTOLならではの飛行を披露するはずだった。関係者に確認したところ、雨や視程悪化がなければという条件で飛行許可も出ており、東富士研究所の広大でフラットなドライビングパッドを活かしてeVTOLの飛ぶさま、角度がよければ富士山との2ショットも望めたかもしれない。

左から、トヨタ自動車 取締役副社長 中嶋裕樹氏、Joby Aviation CEO ジョーベン・ビバート氏、トヨタ自動車 代表取締役会長 豊田章男氏
Joby AviationのeVTOL
発表会前日に行なわれたテストフライト。トヨタ自動車とJoby Aviationは、開発するeVTOL機の日本での初飛行に成功した

 しかしながら当日は雨の上に霧。視程もなく素人目に見ても難しい状況で、残念ながらデモフライトプログラムはキャンセルとなった。

 本来であればこれで終わりとなるのだが、トヨタのマスタードライバーでありモリゾウ選手としても知られる豊田章男会長は、勝手知ったる東富士研究所であったためか、いきなり86を準備してきた。

 何事かと思ったが、ビバートCEOとの同乗走行をとの流れのようだ。ドライビングパッドは幸いというかなんというか、雨でびしょびしょのためドリフト走行には最適の気象環境。豊田章男会長はビバートCEOを誘い、やや霧がかかったドライビングパッドへ走り出していった。

東富士研究所を走るモリゾウ選手ドライブの86。天候は幸いというかなんというか雨で霧。ドリフト走行には最適な状況だった

 その後のドライビングパッドはモリゾウショーと化し、86が走る、ドリフトする、さらにはドーナツターンをするなど自由自在な走行を披露。86から降りてきたバートCEOは「Amazing!!」とにこやかに叫び、走行時はモリゾウ選手となっていた豊田章男会長と肩を組み合った。

 デモフライトプログラムがキャンセルとなり、eVTOLが飛ぶところを披露できなかったビバートCEOを、モリゾウ流のドーナツターンでおもてなしした形。トップ同士が、互いのモビリティに対する気持ちを理解し合い、その上で仕事を進めていくという豊田章男会長ならではのコミュニケーションが見られたデモランだった。

トップ同士が走行後に肩を組んで記念写真。マスタードライバーであり、モリゾウ選手でもある豊田章男会長ならではのコミュニケーション

【お詫びと訂正】記事初出時、「GR86」と表記していましたが「86」の誤りでした。お詫びして訂正させていただきます。