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ルノーとセレンス、パートナーシップを拡大 「ルノー 5 E-Tech electric」に搭載の車載コンパニオンに生成AI活用

2024年10月30日(現地時間) 発表

ルノーの車載コンパニオン「Reno」にセレンスの生成AIを活用

 セレンスとルノー・グループは10月30日(現地時間)、パートナーシップを拡大し、ルノーの次世代マルチモーダル車内コンパニオン「Reno」に生成AIを活用して、人間との対話のような自然なインタラクションを実現したと発表した。

 Renoは2024年9月に欧州で発売された「ルノー 5 E-Tech electric」に搭載され、2025年には「ルノー 4 E-Tech electric」でも利用可能となる予定。ルノーの公式アバターで、インテリジェントで愛らしい車載コンパニオンのRenoは、これまで以上に直感的で楽しい運転体験をもたらすとした。

ルノー 5 E-Tech electric

 Renoの人間らしい音声インタラクションの実現に向けて、ルノーはセレンスとの共同開発の複数年契約を拡大。生成AI対応で、セレンス独自のインテリジェントな自動車グレードの大規模言語モデル統合である「Cerence Chat Pro」を活用してRenoの機能を進化させ、インテリジェンスをまったく新しいレベルに引き上げたという。

 新しい生成AIを活用したRenoの基盤は、「Cerence Assistant」をベースにした高度に統合された音声対応のエクスペリエンスとなり、Renoはクルマの主要な機能の音声制御だけでなく、車両データとセンサーを活用してドライブモードを変更して航続距離を伸ばしたり、特定の天候でフロントガラスのデフロスター(曇り除去)機能をONにしたりするなど、運転パフォーマンスを向上させる方法を予測して提案。また「Cerence Car Knowledge」により、Renoはルノーの情報ソースから、信頼できる正確な情報を直接入手し、クルマに関する一般的な質問にも回答できるとのこと。

 また、Renoのインタラクションは、セレンスのニューラルテキスト読み上げ(TTS)機能によってさらに強化され、不安、陽気、共感、悲しみ、深刻などのさまざまな感情をドライバーに伝えることも可能。ドライバーはChatGPTを含む多数のソースを活用して、ほぼすべてのクエリに対して正確で適切な回答を得ながら楽しく会話できるとした。

 ルノー・グループの最高科学責任者(Chief Scientific Officer)であるリュック・ジュリア氏は「Renoは、ルノーの次世代の車内体験のシンボルであり、直感的で自然なインタラクションを提供し、お客さまに付加価値と楽しさをもたらします。Cerence Chat Proにより最新の生成AIを運転体験に適用することで、Renoは電気自動車の運転にまつわる状況を学習を強化し、ドライバーと同乗者の安全性と快適性を向上させる新たなレベルのインテリジェンスと機能を実現します」とコメント。

 セレンスの最高収益責任者であるクリスチャン・メンツ氏は「ルノーとの長期的なパートナーシップを継続し、ルノーのお客さまの車内インタラクション体験を変革する高度な機能をRenoに提供できることを誇りに思います。車内体験の未来に向けて、Renoはより人間的なインタラクションを実現する重要なマイルストーンとなります。Renoは、多くの拡張機能でドライバーのあらゆるニーズをサポートする、楽しく、知識豊富なコンパニオンです」とコメントしている。