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フォーミュラEとGoogle Cloud、ドライバーのパフォーマンス分析に生成AI活用など複数年パートナーシップを締結

2025年1月6日(現地時間) 発表

 フォーミュラEとGoogle Cloudは1月6日、最新型マシン「GEN3 Evo」に対応したAI(人工知能)やテクノロジーに関して、複数年パートナーシップを新たに締結したと発表した。

 Google Cloudが、フォーミュラE公式のクラウドテクノロジーサービスパートナーおよびクラウドセキュリティパートナーとなる今回の提携は、フォーミュラEがデータ移行をGoogle Cloudに、組織内の情報共有をGoogle Workspaceに移行できたことに基づいて実現。Google Cloudとの提携拡大により、生成AIを活用してドライバーのパフォーマンスを向上させるなど、さまざまな取り組みを通じて、同シリーズの成長の可能性を広げていくとしている。

 具体的にはGoogle CloudのエンタープライズAIのプラットフォーム「Vertex AI」と「Gemini」より、個別にカスタマイズされた分析結果やリアルタイムのフィードバックなど、若手からベテランまで、あらゆるレベルのドライバーに役立つ情報を提供。このデータ分析・提供により、ドライバーのスキル向上やトップレベルのドライバーコーチングに繋がるとともに、膨大なマシンデータやサーキットデータを集約し、レーシングスタイルやタイヤ、エネルギーなどといったドライバーの戦略をサポートする。

 また、ファンエンゲージメントの強化として、Google Cloudの生成AI対応データプラットフォーム「BigQuery」が、フォーミュラEのCRM(顧客管理システム)に接続し、一人ひとりに対して高度にパーソナライズされたファン体験を実現。TV用のレース予測に関する詳細な情報や、ビデオデータや車両テレメトリデータ、SNSといったあらゆる種類のデータにアクセス可能になる。

 そのほかにも、フォーミュラEのクラウド環境内の重要なデータやオペレーションを安全に保護するサイバーセキュリティの強化、未来のEVレーシングカーと乗用EV車に使用される新素材や技術の開発・革新を目指すプロジェクト「GENBETA」の拡大も含まれる。

 フォーミュラEのCEO(最高経営責任者)であるジェフ・ドッズ氏は「Google Cloudと新たな複数年契約を締結し、パートナーシップ拡大を発表できることを大変うれしく思います。この提携は、単に我々の技術力を高めるだけでなく、チャンピオンシップとしての幅広い成長と進化を促進するでしょう。また、先進的な考えをもつグローバル企業と提携することで、世界で最も刺激的で革新性に富んだレースを持続的に開催でき、フォーミュラEに飛躍的な変化をもたらします。GENBETAプロジェクトなど、これまでの成功と記録を基に、Google Cloudとともに開発された新技術やソリューションが、レーシングカーの性能と能力をさらに高め、ファンの方々により速く、より近く、より迫力あるレースをお届けできるでしょう。シリーズの継続的な成長と4億人近いファンベースの拡大という、世界で最も革新的で急成長を遂げているスポーツ分野のひとつにおいて、この新たな提携がさまざまな価値を高めていくことでしょう」とコメント。

 Google Cloud EMEAのタラ・ブレディ社長は、「Google Cloudの生成AIツールと先進的なデータ分析、そしてVertex AIやGeminiを活用することで、私たちはフォーミュラEがモータースポーツのイノベーションを加速させることをサポートしていきます。私たちはともに、サステナブルなレースの限界に挑み、多様な視点で実現可能性について再定義していきます」とコメントしている。