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「ジャパンキャンピングカーショー2025」で展示されている日産「キャラバン マイルーム」「NV200バネット マイルーム」を見てきた

2025年1月31日~2月3日 開催

ジャパンキャンピングカーショー2025の日産ブースでは「キャラバンMYROOM」と、2024年12月に発売された「NV200バネットMYROOM」を展示している

 2025年1月31日~2月3日の4日間に渡り、幕張メッセ(千葉市美浜区)で「ジャパンキャンピングカーショー2025」が開催されている。毎年この時期に開催されるジャパンキャンピングカーショーでは、開催ごとに来場者数と出展車台数が増えていて、2025年は過去最大の400台以上の展示車数となったため、6つのホールを使っての開催となる。

 なお、日本RV協会が会員企業のキャンピングカーメーカーおよび販社、そしてキャンピングカーユーザーを対象に調査し、業界動向を取りまとめた「日本RV協会 年次報告書2024」によると、キャンピングカーの販売売上総額は増加傾向にあり、2024年のキャンピングカー販売売上総額は新車・中古車を合計して過去最高の1126億円(対前年比107%)と、ここ10年で約4倍となり、市場規模は急激に拡大。この傾向は続くと考えられているとのことだった。

幕張メッセの6つのホールを使って開催。キャンピングカーオーナーはペットを連れて旅を楽しむケースが多いので、このイベントもペット同伴入場が可能だ
ジャパンキャンピングカーショー2025の開催時間は10時~17時(2月3日は16時まで)で、入場料は大人・電子チケットが1500円、紙チケットが1800円。中学生以下無料。ペット同伴入場もでき、ペット1頭の入場料は500円、2頭以上は1000円となっている

キャラバンMYROOMは2種類あり

 ジャパンキャンピングカーショー2025には多くのキャンピングカービルダーや関連企業がブースを出しているが、今回はその中で日産自動車のブースを紹介しよう。

 日産ブースに展示されているのは「MYROOM(マイルーム)シリーズだ。部屋のようにリラックスできる空間を提供するクルマで、現在はキャラバンとNV200バネットに設定されている。

 MYROOMは2023年にキャラバンをベースに登場していて、宿泊施設代わりに寝泊まりすることを重視したキャンピングカーではなく、休日は部屋でのんびりと過ごすことが好きという人に対して、部屋のようにリラックスできる空間を持つ特装車のこと。自然の中に出かけていきそこでのんびりすることや、落ち着ける空間で趣味や読書に没頭するなど、これまでとは違った「くつろぎの空間」を提供するという新しい視点のクルマだ。

ジャパンキャンピングカーショー2025の日産ブース。MYROOMのほかにもキャラバンのバリエーションが展示されている
キャラバンMYROOMは2台展示。こちらは「折りたたみベッド」を装備した標準車
折りたたみベッド仕様。ボディカラーはピュアホワイトパール
折りたたみベッドを畳んでベンチシートにした状態
ベッド展開した状態。ベッド長は2228mm(シート部含む)
架装オプションとして設定されている「MYROOM跳ね上げベッド」装着車
ボディカラーはMYROOM専用のサンドベージュ/ホワイト 2トーン
カーテンではなくてウッドブラインドを装備する
ブラインドは閉めることもできるし、巻きあげてガラス面にもできるので走行中の側方視界が制限されることはない
ブラインドの開け閉め操作用のバーやロープは走行中の振動で揺れて音を出さないよう固定できる作りになっている
MYROOM仕様車では荷室との境にあるパーテーションバーを取り外しているが、車検時はバーの装着が決まりなのでブラケット部はそのまま。ただ、インテリアの雰囲気に合わないので内装と同じ素材で作ったヒンジ式カバーを設けて見えないようにしている
跳ね上げベッドは右の壁面にセットされている。ロックを外すと開くがダンパーが効いているので開き方はとてもゆっくりで安心、安全
ベッドを展開した状態。ベッド長は2192mm(シート部含む)
2in1シートをリビングルームモードで展開
オプションのロールスクリーンを付け、プロジェクターを用意すればプライベートシアターになる

デビュー間もないNV200バネットMYROOMも展示

 MYROOMシリーズに新たに加わったのが「NV200バネット MYROOM」だ。このクルマの発売は2024年12月なので、ジャパンキャンピングカーショー2025がイベントでの初公開となった。NV200バネットMYROOMの価格は2WDが464万3100円(CVT。4WDは496万7600円)。排気量はともに1.6リッター(自然吸気エンジン)。

 なお、今回のジャパンキャンピングカーショーでは日産以外の出展車でもNV200バネットをベースにしたものが多く、ビルダーに聞いてみても近年は取りまわしのしやすさや販売価格の面からNV200バネットの人気が高いということだった。

NV200バネットMYROOM。ボディサイズは4410×1695×1885mm(全長×全幅×全長)とキャラバンよりコンパクト。ベッドスペースは長さが1840mmで幅が1200mm。ベッド上高さは955mm
ボディカラーはサンドベージュ/ホワイトパール。なお、サンドベージュは過去に販売されていた「ラシーン」に設定されていたものだが、MYROOMの企画段階でデザイナーがデザイン画に用いたカラーと近いものだったので採用されたという

 キャラバンMYROOMがファミリーユースも意識しているのに対して、NV200バネットMYROOMは1~2人での使用を考えた作りになっているのが特徴だ。室内はキャラバンMYROOMで開発した「2in1シート」が採用されていて、通常走行時は前向きの形態ではあるが、後ろ向きに展開してリビングルームモードとすることが可能。また「2in1シート」をフラットな形状に展開すると、後方のベンチとつなげてベッドモードにすることができる。

 車中泊にも使えるのが「MYROOM」で、車中泊に限らずどこか景色のいい場所まで走らせクルマを止めたあと、ベッドを展開してゴロゴロ過ごすという楽しみ方もできるのだ。

 内装に使われる素材は日産の厳しい社内規定に合うものなので品質がよく、難燃性でもある。また、木目調パネルなどは複数のパーツを組み立てているため、走行時に「きしみ音」などが出ないかを長期に渡って走行テストを行ない問題ないことを確認している。また、素材類についてはアレルギー反応の原因になるホルムアルデヒドなどが発生していないかも機材を使用して検査しているという。

リビングルームモード
ベッドルームモード。ベッドスペースは長さが1840mmで幅が1200mm。ベッド上高さは955mm。ベッド下にはスペースがあり高さは258mm、床長は1065mm、床幅が1050mm
セカンドシートはキャラバンMYROOMと同じく「2in1シート」。一般的なキャンピングカーでは汎用品のキャンピングカー用セカンドシートを使うことが多いが、「2in1シート」は日産が開発したものでMYROOM車のみに使用されている。ヘリンボーンの表皮は以前の型のノートに使用されていたもので、デザインのイメージに合うので採用されたという
2in1シートは背面、座面とも裏と表でクッション材を変えている。座席モードの際の「表面」は背もたれ、座面とも柔らかいクッション。そしてベッドモードでは身体が沈み込みすぎないよう堅めのクッションとなる
リビングルームモードでも2in1シートはリクライニング可能
フロントシートを前に出して最大まで倒した状態
前席とリビングルームの境には遮光カーテンが装備される。天井には木目調パネルにスポット照明(調光機能付き)が備わる。また、サイドには間接照明も付く。照明のパネル類は角が丸く処理してあるが、こういった部分も単に丸めるだけでなく、デザイン的にもキレイなものになるよう考えられている
左右のカーテンをセンターで合わせるが、合わせ目に隙間ができないよう「プリーツ」の部分を重ねて留める仕様になっている。MYROOM開発チームにはデザイナーもいるので使い勝手のよさや見栄えのよさは細かい部分まで追求されている
両サイドの窓にも同様のカーテンが付く
カーテンを開けているときにカーテンを束ねる「ふさ」はカーテン展開時にプラプラしないようしまえる作りになっている
すべてのカーテンを閉めた状態。遮光カーテンなので日の明かりはしっかり遮る。また、室内が明るくても外に透けることもない
後方にサイドボックスが設けてある。この中に外したヘッドレストが楽に収納できる
ボックス内に電源コンセントを用意。左は外部電源を引いたときに使うもの、右はポータブルバッテリにつながるもの。NV200はキャラバンほど室内空間がないので、電源が居住スペースに出ていると繋いだコードがジャマになることがあるのでボックス内にコンセントを設置している
ふたを閉じた状態でもコードを取り出せるよう、本体とふたにはクリアランスが設けてある。太めのコードにも対応するよう設計しているとのこと
ふたを開けるためのノブもプッシュ式で、普段はふたから出っ張らないようセットしておける。これも居住スペースを快適に使うための仕様
スライドドアの窓は換気ができるよう手動での開閉式となっている
閉めた状態
サンドベージュ色では上側がホワイトパールの塗り分けになっているが、よく見るとピラーごとの白い部分の長さが違う。開発時は同じ長さで塗り分けをしていたが、人の目で見ると塗りわけのラインが揃ってなく見えた。そこで「人の目で見てまっすぐ」になるよう何度も塗り直して、白い部分の長さを決めている
スチールホイールを標準装備。スチールホイールはキャップを取ると黒色であることが多いが、このホイールは別途ブラックで塗装をしているので、一般的な黒色スチールホイールとは質感が大きく異なる
NV200のFF車はリアサスがリーフスプリングだが、MYROOMではリアサスを改良(コンフォートサスペンションを採用)し、乗り心地を良くしている。なお、車内装備があるので最大積載量の数値はベース車より低い400kgとなっている

 以上が日産ブースで展示されているキャラバン&NV200バネットMYROOMの紹介だ。ブースではNV200バネットMYROOMとキャラバンMYROOMに乗車して「居心地のよさ」を体験できるので、興味のある方はジャパンキャンピングカーショー2025の日産ブースを訪れてほしい。