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日産自動車本社公式野球部が本格始動 上地克明 横須賀市長「栄光ある日本一にもう1回復活していただきたい」と激励

2025年2月17日 発表

日産自動車本社公式野球部のメンバー

 日産自動車は2月17日、2025年より活動を再開する日産自動車本社公式野球部の体制を発表した。新チームは神奈川県横須賀市に拠点を置き、都市対抗野球大会・日本選手権大会の出場を目指す。

 この発表に先立ち、横須賀スタジアム(神奈川県横須賀市夏島町)で横須賀市長の上地克明氏が激励に訪れるとともに、チームは公開練習を行なった。

 日産自動車本社公式野球部は1959年に創部し、都市対抗野球大会では第55回(1984年)と第69回(1998年)に優勝、さらに第30回(2003年)社会人野球日本選手権大会でも優勝した実績を持つ。リーマンショックのあった翌2009年に休部するも、2023年に14年の長期ブランクからの活動再開を発表。2025年1月から活動を本格化している。

 ユニフォームは日産のコーポレートカラーで、活動拠点となる横須賀市の市章にも使われているブルーを基調にしたほか、過去に都市対抗野球大会と社会人野球日本選手権大会を制した際のデザインを採用し、再び日本一を目指す意思を表現。ホーム用のホワイト、アウェイ用のブルーの2色が用意される。

 また、胸にデザインされたバットをつかみ飛翔する青い鳥は、野球部が創設された1959年に発売され、横須賀市の追浜工場で長期間量産された乗用車「ブルーバード」にちなんだもので、「野球を通じて人々に幸せを届けたい」という思いと横須賀市がホームタウンであることを表しているという。

日産自動車本社公式野球部による公開練習が行なわれた

 激励に訪れた上地市長は日産の復活を待ち望み、選手の初々しさとたくましい姿に言葉が詰まりそうと述べるとともに、「初めての公開練習にお招きをいただきましてありがとうございます。16年ぶり(の活動再開)、お待ちしてました。ぜひ皆さんにはその雄姿を横須賀市とともに日本に向けて発信していただきたいと思います。このように横須賀の地域とともにということでブルー、そしてブルーバードがここ(ユニフォーム)にあること大変うれしく思います。ぜひそのブルーバードで大空に羽ばたいていただき、横須賀にすばらしい運をもたらしてくれるように望んでいます。(選手)22名が横須賀市の追浜寮で寝食をともにして切磋琢磨し、そして社会人、野球という二刀流で励まれることを横須賀市民、そして子供たちは大変勇気をいただき、感謝しております。ぜひ頑張っていただいて、1日も早く栄光ある日本一にもう1回復活していただきたいと思います。“ミスター日産”伊藤(祐樹)監督、四之宮(洋介)コーチをはじめ、全員一丸となってすばらしい野球を展開をしていただきますように望みます」とコメント。

横須賀市長の上地克明氏

 日産側を代表して登壇した日産自動車 渉外担当理事の後藤収氏は「弊社野球部は2009年に休部して以来、実に16年ぶりに活動を再開することができました。活動再開に当たり、横須賀市さまとはスポーツ振興に関する連携協定を結ばさせていただいて、今回の再開にもさまざまなご支援をいただいているということで心から感謝申し上げたいと思います。練習環境につきましても、横須賀市さまのご支援のおかげで今月末にはクラブハウス、それから室内練習場もできるということです。グラウンドも来年の夏の完成を目指して進めておりまして、さまざまな手続きについてもご尽力いただいていると伺っております。誠にありがとうございます。またその間、ここ横須賀スタジアムを貸していただけることになってございますので、併せて御礼申し上げたいと思います」と感謝の意を述べた。

 また、「市長からもお話がありましたように、選手は近くの寮に入り横須賀市民として、また地元の商店街のご支援もいただきながら、12店舗の方から野球部の応援割ということもいただくと伺っております。大変ありがたく思っております。さまざまな活動を通じて、ここ追浜の街を選手の皆さまがしっかりと貢献し、活性化できるということを期待しております。フレッシュなチームで、まさにルーキーなチームでありますが、神奈川県は強豪チームがたくさんありますけれども、厳しい戦いの中で本戦を目指して頑張っていただきたいと思っております。休部以前には市民の皆さまに大変応援をいただいておりますし、市内でパレードもさせていただいたと伺っておりますが、ぜひとも予選が始まるときには市民の皆さま方にも応援をしていただければと思っておる次第です。監督、コーチ、マネージャー、そして選手の皆さんが日産の代表として、また横須賀市の代表として活躍できるように本社一体となってサポートさせていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。ぜひ頑張ってください」とコメントした。

日産自動車株式会社 渉外担当理事 後藤収氏

 加えて上地市長に記念品のユニフォームを贈呈した伊藤監督は1月14日から練習をはじめ、チーム活動が順調に進んでいることを報告するとともに、「フレッシュなメンバー22名、北は北海道から南は石垣島出身の選手まで、全国津々浦々から集まって活動を続けていますけれども、これから競合ひしめく神奈川において、昨年度のディフェンディングチャンピオンである三菱重工Eastさん、それから都市対抗最多優勝のENEOSさん、2位の東芝さん、こういった相手にわれわれは挑んでいくわけですけれども、全員の力を合わせて、また会社も元気に、そして横須賀市を元気にできるように全員で頑張っていきますのでこれからも応援よろしくお願いします」と力強くあいさつした。

 なお、厳しい経営環境となっている日産で野球をする中で、どのように会社に影響をもたらしたいかと問われた伊藤監督は、「これから日産自動車が復活していく中で、いろいろとチャレンジしていかなければいけないこともあるでしょうし、いろいろと苦労することが多いかと思うんですけども、そういった中でわれわれもフレッシュなメンバーで強豪相手に戦っていくと。そういった姿も見ていただきながら会社を元気にしていければと思いますし、勝つことで皆さんにも喜んでいただけますでしょうし、力にもなってくるかと思いますので、そこをみんなでしっかり意識を共有してやっていきたいと思います」とし、戦う姿勢を見せることで社内を盛り上げていきたいとの見解を示した。

日産自動車本社公式野球部 監督の伊藤祐樹氏
伊藤監督から上地市長に記念品のユニフォームが贈呈された