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「Modulo THANKS DAY」初開催 大勢のモデューロファンとチームと開発スタッフが触れ合い・笑い・体感した充実の1日
2025年2月25日 11:24
- 2025年2月24日 開催
ホンダアクセスは2月24日、モビリティリゾートもてぎ（栃木県芳賀郡茂木町）にて、ファン感謝イベント「Modulo THANKS DAY 2025」を開催した。
Modulo THANKS DAYは、ホンダアクセスが30年にわたり手掛けてきたホンダ純正カスタマイズブランド「Modulo（モデューロ）」ファンに向けたコンテンツや、ホンダアクセスがスポンサードしているレーシングチーム「Modulo Nakajima Racing」のファンに向けたコンテンツを併催し、来場者に“Modulo”をもっと身近に感じてもらうことを趣旨に、今回が初めての開催となる新イベント。
これまでにも群馬サイクルスポーツセンターや、ホンダの本社があるウエルカムプラザ青山、書店の蔦谷が運営する代官山T-SITEなどでイベントを開催してきたが、今回はモビリティリゾートもてぎの「ロードコース」の半分（西コース）と、パークにある「レーシングカート場」や乗り物「ワイルドレーサー」、第1パドックに設けた「特設ステージ」やピットなど、過去最大規模のスペースとコンテンツが用意された。
イベントの総合MCとなるファシリテーターは、モータースポーツアナウンサーのピエール北川氏と、Car Watchなど自動車メディアに試乗記やコラムを寄稿しているカーライフジャーナリストまるも亜希子氏と、Moduloイベントではおなじみの2人が担当。息の合った司会進行で会場を盛り上げた。
開会式では、Modulo開発アドバイザーを務める土屋圭市氏が、自身が初めてModuloの開発に携わったという思い入れのあるホンダ「シビックTYPE R（FD2型）」に“実効空力”を初めて提唱したエアロパーツを装着した「Sports Modulo CIVIC TYPE R」で登場。さらに、前日の夜に御殿場でカラーリングが完成したばかりという、「Modulo Nakajima Racing」のSUPER GT GT500クラス参戦マシン「シビック TYPE R-GT」で伊沢拓也選手が登場。レーシングサウンドを響かせながらストレートを2周走って来場者を歓迎した。
さらに、Modulo Nakajima Racingの中嶋悟監督と大草りき選手や、ホンダアクセスが手掛ける純正アクセサリーのアンバサダーを2025年も務める大津弘樹選手、ホンダアクセスOBで元Modulo開発統括の福田正剛氏、現行シビックのテールゲートスポイラーの開発を担当したホンダアクセスの山崎純平氏、レースアンバサダー「Moduloスマイル」の池永百合さんと根岸しおりさんも登壇して、笑顔で来場者とあいさつを交わした。
開発当初の話やModuloの歩み、発明品などが語られたトークショー
大型トラックの荷台を使った特設ステージでは、「Moduloトークショー」や「＃64 Modulo Nakajima Racingトークショー」「＃64 レーシングアンバサダー紹介トーク」「Modulo X ＃64 ドライバートークショー」「Moduloクイズ大会」「＃64 チームトークショー」などが、時間を別けて行なわれた。
Moduloトークショーでは、Modulo開発アドバイザーの土屋圭市氏と元Modulo開発統括の福田氏が出会ったころの話や、土屋氏が初めてModuloのデモカーを見たときの感想、初めて手掛けたシビックTYPE Rの開発秘話などに加え、日常の速度域で体感できる空力効果「実効空力」の概念などが中心に語られた。大津選手も「最初は本当に効果があるのか半信半疑でしたが、実際に乗ってみたらすぐに分かる程の違いがあったので、ぜひ皆さんも試してみてほしい」と語りかけた。
また、ホンダアクセス開発担当の山崎氏は、「実効空力が分かるようになるまで3年ほどかかりました。ひたすら乗り続け、福田さんに教えてもらい続けたことで、やっと理解できるようになりました」と振り返った。OBの福田氏は、「運転していて、これだって感じたときって思わずニンマリしちゃうじゃないですか? Moduloはそこを目指しています」と開発方針を紹介したほか、「しなるアルミホイールですが、竹をイメージをしてもらえると分かりやすいかと思います。竹は部分的にはしっかり固いけれど、全体に力を加えればしなりが発生し、反発力も出る。ホイールの縦（スポーク面）と横（タイヤのある面）の剛性を最適化することで、タイヤの接地面圧を高め、タイヤのパフォーマンスを使い切る狙いがあります」と説明。
歴代Modulo XやModuloアイテム装着車などを多数展示、同乗走行にも活用
会場のピットには歴代Modulo Xをはじめ、「Sports Modulo CIVIC TYPE R」やModuloアイテムを装着した「S660」「BEAT」「シビックRS」「S660ネオクラシック」に加え、若手開発スタッフが実効空力を感じるために使用しているテスト車両の「フィット」まで、数多くのデモカーが展示され、自由に見て、乗って、触れられた。
展示車両はすべてきちんとメンテナンスされ実走できる状態であることから、イベントでは、中嶋悟氏、土屋圭市氏、大津弘樹氏、伊沢拓也氏、大草りき氏ら出演者やインストラクターによる同乗デモ走行も実施。普段はなかなか走る機会のないモビリティリゾートもてぎの西コース走行を助手席で楽しんだ。
自分でステアリングを握って感じるパーツ体感試乗会
過去にメディア向け試乗会を行なったこともある「パーツ体感試乗会」を来場者向けに実施。シビック専用テールゲートスポイラーのマイチェン前の製品と現行製品との効果を比較する試乗では、助手席にシビック用テールゲートスポイラーを開発した山崎純平氏が同席し、開発者の解説付きのスペシャルな試乗となっていた。
また、強力なマグネットで製作したギザギザのシェブロン（鋸歯）形状の実効空力デバイスの簡易版を、N-BOXのルーフエンドに装着することで、実効空力デバイスの有無が乗り比べられる「実効空力比較体験試乗会」も実施。こちらは開発の湯沢氏が同乗して実況解説。湯沢氏によると「初めてのサーキット走行で先導車についていかなくてはいけない状況と、サーキットは路面状態がいいのでちょっと効果が一般道よりも分かり難かったかもしれませんが、皆さん楽しそうに乗っていただいたのでよかったです」とコメント。
さらに、幻となってしまった「ヴェゼルModulo X」用に開発された、“しなる”18インチアルミホイール「MS-050」の効果を試せる試乗会も行なわれ、抽選で当たったラッキーな人はパーツの効果を体感していた。もちろん、標準ヴェゼルに装着することは可能。
2025年仕様のSUPER GTマシンが激走＆ドライバーの仲良し小芝居も披露
オープニングで登場した2025年仕様のModulo CIVIC TYPE R-GTが、再びコースに登場してデモランを実施。大草りき選手が西コースを3周まわってドライバー交代のためにピットインすると、そこには今季ライバルチームARTAの16号車 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTのドライバーである大津弘樹選手が待機。過去にはModulo号のステアリングを握っていただけに、「久々にコクピットに乗れてうれしかったです」とコメントしつつも、同時に待機していた伊沢拓也選手にコクピットから引きずり出され渋々シートを交代。
やっとシートに座れた伊沢選手は、実際のレースだったら間違いなくペナルティになるバーンアウト＆超速度オーバーでコースイン。ピットロードには30m～40mほどのブラックマークが残り、戻ってきた伊沢選手は、「正直ピットロードであんな速度を出したことがなかったので、ちょっと怖かったです」と告白。また「あ、路面は後できちっり掃除してから帰ります」と会場の笑いを誘った。
今期について伊沢選手は、「この中嶋チームは、スポンサーも含めて本当に家族みたいに仲がいいチームで、レースが終わって撤収するときも、なぜかスポンサーさんたちまでがテントの撤収を手伝ってくれているようなチームなので、今ここにいる皆さんもファミリーだと思って、今年1年間一緒に戦っていきましょう」とコメント。また大草選手は、「今年のテストは昨年よりも調子よくきているので、ここにいる皆さんと一緒に、伊沢選手と中嶋監督とメカニックさんと一緒に頂点に立てるように精一杯頑張りたいと思いますので、応援よろしくお願いします」と健闘を誓った。
来場者と観客とが一緒に盛り上がったファン参加型（ハチャメチャ）カート大会
今回のコンテンツでいち早く事前申し込み枠が埋まってしまったのが、レーシングカートを使った「ファン参加型カート大会」だ。当日のレーシングカート場では、選ばれし参加者と中嶋悟監督、伊沢選手、大草選手、大津選手の4人が代表となりチームを結成。
ルールは紆余曲折がありその場で決定（!?）。各チームごとにタイムアタックを行ないトップタイムを出した選手が、なぜか中嶋監督の影武者となって、伊沢選手、大草選手、大津選手とガチバトルを行なうことに。
ガチバトルでは、中嶋監督の影武者選手が序盤から飛び出して先行。大津選手に途中でトップを奪われてしまうものの、最後までくらいつき見事逆転して優勝を飾った。
中嶋悟監督トークショーからのサプライズ誕生日ケーキ登場！
モビリティリゾートもてぎ内にあるコレクションホールにて、15分だけの中嶋悟監督トークショーも実施された。現役時代にドライブし、1986年にシリーズチャンピオンを獲得した「マーチ ホンダ 86J」と、F1最後の年となった1991年の「ティレル・ホンダ020」を前に思い出を語った。
また、自身のトレーニングについて、「今みたいにシミュレータなんかないし、実際にサーキットを走るのは時間もお金もかかるから大変。自分はだいたい1回1時間と決めて走っていた。それでも月に1回走れるかどうかのレベル。でも逆に考えると、少ない練習時間で結果を出していた訳だから効率はいいかもね。当時の体力トレーニングでもコーチに、うまくサボってるねと褒められた」と当時を振り返った。
現在F1に参戦中の角田選手については、「頑張っていると思う、本当にすごいと思う」と応援するとともに、今期PONOS NAKAJIMA RACINGからスーパーフォーミュラに参戦することになったイゴール・オオムラ・フラガ選手については、「彼もすごいよね。スーパーフォーミュラのテストでトップレベルのタイムを出しつつ、まったくスピンもクラッシュもしない。と思っていたけど先日やっちゃったみたいね。ただ、eモータースポーツでも世界チャンピオンを獲っているというから、モータースポーツに関しては天性の才能があるのかもね」と期待をのぞかせた。
また、イベント前日2月23日に、72歳の誕生日を迎えた中嶋監督に、スタッフからサプライズで誕生日ケーキの差し入れが登場。まったく聞いていなかった中嶋監督は、「毎年この時期にこのイベントをやってくれれば、毎年お祝いしてもらえるのか！ でも誕生日くらいはゆっくり過ごしたいから、やっぱり来年はもう少し日程をズラしていいよ」とコメント。
今後もファンとの交流を続けて商品開発につなげたいとModuloスタッフ一同
ホンダアクセスの未来を担う完成車性能担当の湯沢峰司氏は閉会式で、「今日一緒に皆さんとお話をさせていただくと、すごくやってきてよかったなっていうのを、しみじみと感じるようなお言葉をたくさんいただきました。また、会社の中にいるとなんか忘れちゃうんですけれども、こうやって皆さんと一緒にいると、また思い出させていただいてエネルギーをもらった気がします」とコメント。
続けて、ホンダアクセス開発部でModulo Xの足まわりなどを担当している清松邦人氏は、「本当に皆さんから多くのご要望や、今までの製品に対しての感想とか、多くのコメントいただき、1日楽しめました。これからも開発としては、より技術を磨いて、皆さんに楽しんでいただけるような商品を開発していきたいと、改めて思わせていただきました」と感謝を述べた。
最後はホンダアクセス代表取締役社長の酒井富志也氏が登壇。来場者をはじめイベントを支えてくれたModulo Nakajima Racingや関係者に感謝を述べるとともに、「30年を機に開発が福田から湯沢と清松をはじめ、会場にいた開発スタッフたちに引き継がれていますが、実効空力や剛性調律といった開発品は、社内では発明品と呼んでいまして、これからも開発スタッフがいる限り、発明品をどんどんと生みだしていきたいと思っていますのでご期待ください」と来場者へさらなる発展を誓って閉会式を締めくくった。
イベントの最後は集合写真を撮り、オーナーズミーティング参加者によるパレードランを行ないつつ解散。スタッフ全員で来場者を見送った。ちなみにこの日のモビリティリゾートもてぎの来場者は2000人、Modulo/Modulo Xオーナーズミーティング参加者は212台（514人）。実際の事前申し込みは303台だったが、最大級の寒波到来の影響でキャンセルせざるを得ない参加者がいたとのこと。
