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スバル/STI、2025年のSUPER GT参戦車両「SUBARU BRZ GT300」シェイクダウン 「新しいマシンで次のステップへ」と澤田稔監督
2025年2月28日 11:55
- 2025年2月26日 開催
スバルとSTI(スバルテクニカインターナショナル)は2月26日、富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)にて2025年のSUPER GT参戦車両「SUBARU BRZ GT300」のシェイクダウンを行ない、その模様を報道陣に公開した。
2025年シーズンのSUBARU BRZ GT300は2021年に投入し、昨シーズンまで使ったマシンのコンセプトを踏襲しながら新規で製作されたもので、4年の間に変更されたBOPなどにより約150kgもの重量増に対応するためにシャシ剛性のアップを図ったとのこと。また外観ではボンネットのエアアウトレットの形状が大きく変化しているのが見てとれる。これまでは排出される空気を真っ直ぐにルーフを通過させ、後方へ流すセンターフローという方式をとっていたが、今回のマシンよりサイドウィンドウの横を通すサイドフロー方式への変更によるもの。すでに行なわれた開発テストでもリアウイングへの風の流れの変化によりダウンフォースの改善が見らているという。
チーム総監督の小澤征弘氏によると、この方式は従来からトライしてきたものの、なかなか想定どおりのダウンフォースが得られず採用を見送ってきたもので、今回やっと結果が出たため採用に踏み切ったとのこと。また、リアの下端に位置するディフューザーの両端の形状も変更しており、こちらでもダウンフォースの向上がなされている。
そのほか、今シーズンのレギュレーション変更によりフロントのタイヤサイズは幅が従来の330から300、直径が710から680(単位はmm)となった。全体的に小さく接地面積が減ったタイヤのパフォーマンスは、ダンロップタイヤのアイディアを織り込みながら現在も改良を重ねテストを繰り返しているとのこと。横幅が狭くなったホイールの剛性に関してはBBSが開発した。総合的なタイヤパフォーマンスは路温が上がっていくこれからさらに開発を続け、最終的なセットアップを決めていくという。
カラーリングはルーフに描かれたゼッケン61はそのままに、サイドはこれまでの直線的なものから柔らかな流れのデザインに変更された。
ドライバーは2024年同様、井口卓人/山内英輝選手の2名。井口選手は「昨年シーズンは本当につらく苦しいシーズンになってしまったが、その分これまで以上に深い絆が生まれた年でもあった」と振り返った。そんなメンバーでチャンピオンを獲得した2021年のようなシーズンにし、みんなで喜び、チームを支えるスポンサーやファンと喜びを分かち合いたいと語った。
一方、山内選手は昨シーズン苦しかったからこそ得られたものを、記録でもしっかりと残していきたいと今シーズンの決意を述べた。決勝レースでの優勝回数とともに最多ポールポジションなど個人的な記録も狙っていくという。
なお、このシェイクダウン走行の公開に合わせて、チームとともに2025シーズンを戦うSUBARU BRZ GT GALS“BREEZE”のメンバーも発表された。メンバーは水上ききさん、立華理莉さん、青山水咲さん、桜田莉奈さんの4名。
また、監督の澤田稔氏は「2024シーズンは想定できなかったようなトラブルも多く悔しさどころかチームがバラバラになってしまうのではないかと思うようなこともあった。そんな中で今回のマシンはみんなで一丸となって作ってきた。それだけにこの新しいマシンで次のステップへ進んでいきたい」と語った。
これまでに起こった数々の苦しい想いを踏まえ、さまざまな対策を行なってきたニューマシンは応援してくれるスポンサー企業やファンの方々に絶対うれしい知らせを届けられると語ったのは、STI代表取締役社長 賚寛海氏。基本コンセプトを踏襲しながら4年ぶりのニューマシンでSUPER GT GT300クラスに挑むSUBARU BRZ GT300。開幕戦にどのような走りを見せてくれるだろうか。今から楽しみだ。