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トヨタ博物館、「第35回 トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル」を4月20日開催 ホンダ、日産、マツダ、三菱自動車、ダイハツ、スズキも企画展示に協力

2025年4月20日 開催
第34回開催の会場

 トヨタ自動車の文化施設であるトヨタ博物館は、「第35回 トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル」を4月20日、愛・地球博記念公園(愛知県長久手市)で開催する。

 同イベントは自動車文化の醸成と継承を目的に、地域に根ざしたイベントとして開催されるもので、日米欧の個人オーナー所蔵のクラシックカー約120台による公道パレードや企画展示、走行披露、乗車記念撮影などのプログラムが展開される。

 公道パレードでは、「トヨタ 2000GT ロードスター」を先導車に、1995年以前の日米欧の個人オーナー車両約120台が長久手市内の公道をパレード。トヨタ博物館を出発点に、ゴール地点の愛・地球博記念公園まで約14kmを走行する。

第34回の公道パレードのようす

 企画展示では、2024年秋にアジア初開催となる世界自動車博物館会議日本大会をオールジャパン体制で企画・運営し、連携を強化した国内自動車メーカーも協力。「日本のクルマ文化の発展」をテーマとし、同館所蔵車両だけでなく、トヨタ博物館と国内自動車メーカーの本田技研工業、日産自動車、マツダ、三菱自動車工業、ダイハツ工業、スズキといった6社所蔵の車両13台を展示。メーカーやブランドの垣根を越えて車両展示や走行披露が行なわれる。

企画展示ゾーン「日本のクルマ文化の発展」展示車両

・トヨタ「AB型フェートン」(1938年)
・トヨタ「パブリカ コンバーチブル UP10S」(1965年)
・トヨタ「2000GT ロードスター」(1967年)
・レクサス「LFA スパイダー」(2012年)
・ホンダ 「プレリュード」(1978年)
・日産「スカイライン 2000GT」(1970年)
・マツダ「ロードペーサー AP」(1975年)
・三菱自動車「パジェロ」(1982年)
・三菱自動車「ランサーエボリューション」(1992年)
・三菱自動車「ディアマンテ」(1990年)
・ダイハツ「シャレード デトマソ」(1984年)
・ダイハツ「ハイゼット バン」(1961年)
・スズキ「アルト」(1979年)

トヨタ AB型フェートン(1938年):1936年に当時の豊田自動織機製作所自動車部から発表された、トヨタの第1号乗用車「トヨダAA型」と同時に開発されたオープンモデル。353台製作されたうちの1台で、現存するトヨタの車両のうち、走行できる最も古い車両
トヨタ 2000GT ロードスター(1967年):高速道路が開通した1960年代はスポーツカーのニーズが高まり、海外輸出も見据え、ヤマハ発動機の協力を得て高性能グランツーリスモとして開発された。超高速耐久トライアルや、人気スパイ映画への登場などで話題となり、海外から見る日本車のイメージを大きく変えるきっかけとなった
レクサス LFA スパイダー(2012年):軽量高強度のカーボン繊維強化樹脂ボディや、スムーズに吹けあがるエンジンなどあらゆる面で最高の技術が投入されたレクサスのスーパースポーツ。世界第一級の運動性能に加え、運転がもたらす感動やエンジン音などの官能的な性能は海外からも称賛を浴びた
トヨタ パブリカ コンバーチブル UP10S(1965年):政府の国民車構想に合わせて開発され、1961年に発売された大衆車で、車名を公募し話題を集めた。空冷2気筒のエンジンを搭載するなどシンプルな作りだったが、豪華さを求める時代に合わせてコンバーチブルモデルを設定することで売れ行きを伸ばし、日本のモータリゼーションのきっかけになった
日産 スカイライン 2000GT(1970年):日産・プリンスの合併を経た1968年に3代目へ進化したスカイライン C10型は、のちに「ハコスカ」の愛称でも知られる。「愛のスカイライン」のイメージ広告も一世を風靡した。展示車は愛知県のユーザーからの寄贈車を日産で再生した2000GTで、元オーナーによる独自の変更も見られる
ホンダ プレリュード(1978年):クルマの個性化をリードしたスペシャリティクーペ。ロングノーズショートデッキのスタイルが特徴。集中ターゲットメーターや国産車初の電動式サンルーフを採用し、居住空間は先進的で快適。軽快でスポーティなハンドリングと優れた乗り心地を実現した
スズキ アルト(1979年):クルマ本来の基本機能を追求した軽ボンネットバン。物品税のかからない4ナンバー商用規格とした上、当時として画期的な全国統一価格47万円を実現し、大ヒット商品となった。エンジンは2サイクル3気筒550cc
マツダ ロードペーサー AP(1975年):国際分業により1975年から発売を開始したマツダ乗用車のフラグシップ。豪GMホールデン社から中型セダンのボディ部品などを購入し、13B型ロータリーエンジンを搭載した。1.9m近い全幅を活かし、前席を3人がけベンチシートとした6人乗り仕様も設定しており、当時の販売価格は368~371万円
ダイハツ シャレード デトマソ(1984年):シャレードターボをベースに機能性重視の内外装備品で仕上げた日伊共同開発車で、高性能CB50型4サイクル3気筒1.0リッターターボエンジンを搭載。スポーティかつ大胆なエアロを装着し、空気抵抗軽減と高速安定性を追求した個性あふれるスタイルで人気を博した
三菱自動車 パジェロ(1982年):1980年代のスキーやサーフィンといったアウトドアブームの高まりとともに登場。卓越したオフロード性能と乗用車並みの扱いやすさを兼ね備えた「本格4WD」としてRV/4WDブームのけん引役となった。パリ・ダカールラリーで活躍し、お茶の間を沸かせた

 2025年のトヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバルは、愛知万博20周年記念事業「愛・地球博20祭」の盛り上げに協力して4月開催とした。クラシックカーの歴史を後世に残すだけではなく、クルマ文化が現代におけるスポーツや芸術のように人々に認知され楽しんでもらえるよう、クルマを愛するすべての人とともにクルマ文化を育み、楽しめる1日にするとしている。