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ヤマハ、「YAMAHA RACING TEAM」の鈴鹿8耐参戦を発表 2019年以来6年ぶりファクトリー体制復活

2025年3月20日 発表
ライダーの中須賀克行選手(左)と吉川和多留監督(右)。吉川和多留氏は1999年に「YZF-R7」で鈴鹿8耐に出場。同年、全日本の最高峰であったスーパーバイクでは「YZF-R7」でチャンピオンに輝いた1990年代を代表するヤマハのファクトリーライダーを務めた

ファクトリー体制の「YAMAHA RACING TEAM」が鈴鹿8耐に参戦

 ヤマハ発動機は3月20日、鈴鹿8耐「2025 FIM世界耐久選手権 "コカ·コーラ" 鈴鹿8時間耐久ロードレース 第46回大会」(鈴鹿サーキット:8月1日〜3日開催)に、2019年以来6年ぶりにファクトリー体制を復活して参戦すると発表した。

 チーム名は「YAMAHA RACING TEAM」で参戦車両は「YZF-R1」、チーム監督は吉川和多留氏。ライダーラインアップは、鈴鹿8耐で4度の優勝経験を持つ中須賀克行選手を日本代表として起用。残る2人はMotoGP世界選手権やスーパーバイク世界選手権に参戦するヤマハライダーから選抜する予定で、決定次第発表される。

YZF-R1の画像はレース用のベース車両をもとに制作したイメージ画像

ヤマハ発動機の創立・レース活動70周年を記念する取り組みに

 3月20日、東京都内で2025年のレース活動を紹介する「YAMAHA MOTORSPORTS MEDIA CONFERENCE」が開催され、モーターサイクル車両開発本部MS統括部長 竹田祐一氏、モーターサイクル車両開発本部MS統括部 MS戦略部長の小野哲氏が出席。

ヤマハ発動機株式会社 MC車両開発本部MS統括部 統括部長 竹田祐一氏

 鈴鹿8耐へのファクトリー参戦については、世界が注目する日本の鈴鹿8耐で、日本メーカーであるヤマハが勝利を目指しチャレンジする姿を通して、世界中に感動を届けることを目的とするとともに、2025年は1955年7月1日の同社創立から70周年、そして1955年7月10日に「第3回富士登山レース」で開始したレース活動が70周年を迎え、これを記念する活動の1つであるといった狙いが語られた。

会場では鈴鹿8耐参戦マシンのカラーリングが公表された。ヤマハ発動機株式会社 モーターサイクル車両開発本部MS統括部長 竹田祐一氏(左)、同モーターサイクル車両開発本部MS統括部 MS戦略部長の小野哲氏(右)

 会場では、参戦車両の「YZF-R1」のカラーリングイメージも公開され、1964年のロードレース世界選手権で初めて使用し、ヤマハのレーシングマシンの伝統的なカラーリングの1つであるホワイト×レッドを採用。デザインは1999年、世界500台限定で発売し、同年の鈴鹿8耐に参戦した「YAMAHA RACING TEAM」の「YZF-R7」にインスパイヤされて新たにリデザインした特別なものとする。

「YAMAHA RACING TEAM」のチーム名は1990年代後半のヤマハファクトリーチームが使用したもので、チームロゴも当時のロゴをモチーフにアップデートしたデザインを採用。さらにライダーやチームスタッフが着用するウエアやチームガレージも1999年のデザインをベースにトータルコーディネートするという。

 同発表会に出席した中須賀選手は、鈴鹿8耐への参戦について「素直にまずは自分でいいの?って思ったのですが、日本の代表ということで、それを聞いた時には気が引き締まる思いになりましたし、2019年になし得なかったことをしっかり取り戻したいなという気持ちで今はここに立っています」と、ファクトリー体制で挑む以上、優勝をもぎ取りに行きたいとの意気込みを話した。

モトクロス、トライアルといった2025年シーズンの全日本選手権に参戦するヤマハのライダーラインアップも発表された