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パナソニック エナジー、米ハービンジャーの中型商用EVトラック向けにリチウムイオン電池の供給開始
2025年4月24日 12:30
- 2025年4月23日 発表
パナソニック エナジーは4月23日、米国の商用EV(電気自動車)メーカーのハービンジャー(Harbinger Motors Inc.)向けに、車載用円筒形リチウムイオン電池の供給を開始したと発表した。
パナソニック エナジーが供給する最新世代の2170セルは、ハービンジャーが米国で生産する中型EVトラック全モデルのバッテリシステムに標準搭載される。
リチウムイオン電池は800Wh/L超の業界トップクラスのエネルギー密度を有し、パナソニック エナジーの日本国内の工場で製造され、カリフォルニア州ガーデングローブにあるハービンジャーの本社工場に納入。将来的にはパナソニック エナジーのカンザス州デソトの新工場からのセル供給も検討している。
両社は協業を通じ、ハービンジャーの米国での生産拡大を実現し、商用車市場の電動化の推進によって持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。
2021年設立のハービンジャーは、配送用トラックや緊急・災害対応車両など中型EV 商用車用途に特化した米国の自動車メーカーで、カリフォルニア州の自社工場で電動シャシーの設計から生産まで手掛けている。
同社独自のストリップド・シャシーには、自社開発の電動ドライブトレインやバッテリシステムなど主要システムがすべて搭載されており、業界でも特長的な垂直統合型のアプローチにより、コストを抑えつつ、性能、安全性、耐久性の向上を実現。同社は2025年初頭に生産を開始し、食品メーカーのBimbo Bakeries USA やレジャー用車両(RV)メーカーのTHOR Industriesをはじめとする米国大手企業からの受注を含め、約5000台の予約注文への対応を進めている。
パナソニック エナジーの車載用円筒形リチウムイオン電池は、優れたエネルギー密度に加え、EV搭載の実績に裏打ちされた高い安全性と信頼性を備えています。2025年3月時点で、EV約370万台分に相当する約190億個のセルを供給しており、これまで同社の電池に起因する車両リコールは一切発生しておらず、ハービンジャーは、この高い安全性と耐久性を持つ電池技術を活用することを選択した。
パナソニック エナジー社長執行役員の只信一生氏は、「本パートナーシップは、両社が協業してバッテリ技術を進化させる革新的な一歩となります。ハービンジャーが設計するシャシーや電池パックは業界でも高い安全性と耐久性を備えています。本協業により、ハービンジャーの生産体制の強化を支援するとともに、当社ミッションである『幸せの追求と持続可能な環境が矛盾なく調和した社会の実現』を目指します」と述べている。
ハービンジャーCEOのJohn Harris氏は、「当社の安全性や技術開発へのこだわりが、パナソニック エナジーとの協業を実現しました。パナソニック エナジーのセルは、主要EVメーカーに搭載されている高い実績と業界トップクラスの安定品質が他社と一線を画しており、採用の大きな決め手となりました。ハービンジャーのシャシーに世界最高水準のバッテリが搭載されることを嬉しく思います」と話している。