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宝塚渋滞を解消するトリプルネットワークを実現する新名神高速 高槻~神戸間で初のトンネル貫通
「(仮称)猪渕トンネル(上り)」貫通式を開催。2016年度の開通を目指す
(2014/5/1 11:54)
NEXCO西日本(西日本高速道路)は4月11日、兵庫県川辺郡猪名川町猪渕において、「(仮称)猪渕トンネル(上り)」貫通式を開催した。猪渕トンネル(上り)は全長193mのトンネルで、新名神高速道路(高槻~神戸間)で予定されている20トンネルとして初のトンネル貫通となった。
新名神高速 高槻~神戸間 40.5kmは、中国自動車道 宝塚付近~吹田JCT(ジャンクション)で起きる渋滞を解消する道路として工事が進行中で、当初の開通目標は2018年度末。しかしながら、前倒し開通を目指しており、2016年度の開通を目指している。この区間の開通で、2014年7月に開通する舞鶴若狭自動車道(中国道 吉川JCT~北陸自動車道 敦賀JCT間)とあわせ、トリプルネットワークが完成することになる。
●NEXCO西日本 関西支社 パンフレット(PDF)
http://corp.w-nexco.co.jp/activity/branch/kansai/infomation/construction/shinmeishin/vol23/pdfs/pdf_02.pdf
猪渕トンネル(上り)貫通は、その新名神開通への1つのステップとなるもので、ロックボルトを壁面へ打ちつけつつ掘削するNATM(ナトム)による上半先進ベンチカット工法を採用。内壁などが完成した際には2車線の道路が走ることになる。
貫通式は地元 猪名川町の福田長治町長はじめとする住民代表、工区を担当するNEXCO西日本関西支社、西松建設、北新建設などの関係者が多数出席して開催された。
貫通式は開式の辞から始まった。次に行われるのは貫通の儀。これは、トンネルを最後に貫通するための発破(ダイナマイト)の点火を行うもので、貫通発破の秒読み(カウントダウン)は西松建設 猪名川東出張所 所長 中川薫氏が担当。発破の点火ボタンは、猪名川町 町長 福田長治氏、兵庫県宝塚土木事務所 所長 松本正利氏、NEXCO西日本 関西支社 新名神兵庫事務所 所長 真伸行氏、西松建設 西日本支社 関西支店長 塚田昌基氏、北新建設 代表取締役社長 樋渡裕俊氏が担当。中川所長のカウントダウン発声後、「点火!!」の声とともに点火ボタンが押され、爆発音がなり響いて無事貫通した。
もちろん、この点火ボタンで最後の発破が爆発するわけではなく、爆発音がスピーカーから流れ、貫通部の除幕が行われた。その後、この貫通を西松建設 猪名川東出張所 副所長 佐伯好治氏が確認。NEXCO西日本 関西支社 新名神兵庫事務所 猪名川工事長 富田貴敏氏に報告が行われた。
貫通後に最初に行うのはトンネルの清め。貫通点清めの儀というのがそれで、北新建設 常務取締役 桐谷敏昭氏が塩を、同社 工事部長 竹本茂氏が米を、同社 工事主任 太田好彦氏が酒をトンネルに振る舞う。
清めが終わった後は、貫通点の通り初めを実施。通り初めと行っても、トンネルを端から端まで歩くわけではなく、猪渕トンネルの東側代表(猪渕側)と、西側代表(広根側)が、トンネル中央部で握手を行う。各4名が握手を行った。
通り初めの後、発注者を代表してNEXCO西日本 新名神兵庫事務所 真所長が挨拶。貫通式列席者にお礼を述べた後、日本の大動脈の一部となる猪渕トンネルの意義について述べた。最初に挙げたのは、中国道で起きている慢性的な渋滞で、この新名神の開通によって渋滞緩和に寄与するという。また、地域の発展や災害時のネットワーク増強効果もあるという。開通目標については2016年度とし、2017年3月末までには地域の交通は大幅に改善されていくことになる。
発注者代表挨拶の後、猪名川町 福田町長、加茂忍兵庫県議、しの木和良兵庫県議、越田謙治郎兵庫県議、西谷八郎治 猪名川町議会議長が祝辞を述べ、道路の開通に対する期待を語った。
その後、西松建設と北新建設のスタッフによる樽神輿が入場。樽がトンネル中央に設置され、関係者代表らによる鏡開きが行われた。鏡開きが行われたものの、道路のイベントとあってか、酒ではなく水で乾杯。乾杯の発声は福田町長が行い、施行者代表謝辞として西松建設 西日本支社 関西支店長 塚田昌基がお礼を述べた。最後に南初男 猪名川町議会議員の発声によって万歳三唱が行われ、貫通式は終了した。
7月の舞鶴若狭道の開通によって、宝塚近辺の渋滞がある程度緩和されると思われるが、この新名神 高槻~神戸間の開通によって抜本的な手が打たれることになる。