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NEXCO中日本、7月20日15時に全線開通する舞鶴若狭道の開通直前現場を公開
琵琶湖を挟むダブルネットワークで、宝塚渋滞の減少や災害避難路確保を見込む
(2014/7/10 14:14)
NEXCO中日本(中日本高速道路)は7月8日、20日15時に開通をひかえた舞鶴若狭自動車道(以下、舞若道)小浜IC(インターチェンジ)~敦賀JCT(ジャンクション)間約39kmの全線を報道陣向けに公開した。この区間の開通により中国自動車道 吉川JCT~北陸自動車道 敦賀JCT間を結ぶ舞若道 約162kmが全線開通となる。
これにより近畿エリアと日本海側に位置する敦賀を結ぶルートは琵琶湖の北側を通る既存の名神高速~北陸自動車道と今回開通する日本海側を通る舞若道の2つの選択が可能となり地域経済発展の効果はもとより交通量の多い名神高速 宝塚エリアの渋滞緩和や災害時の避難路確保など様々な面でメリットが期待できる。
今回は開通を間近にひかえた舞若道を敦賀JCT(ジャンクション)から小浜IC(インターチェンジ)までの全線をバスで移動しながら見学した。この舞若道に関しては、5月1日に建設途中の事前公開が行われており、ロードヒーティングの敷設状況などを取材している。そちらの取材記事とあわせて読んでいただければ幸いだ。
●NEXCO中日本、7月に全線開通する舞鶴若狭道 小浜IC~敦賀JCT間の事前見学会を実施
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20140502_646891.html
舞若道と北陸道との接点、敦賀JCT
今回は敦賀JCTから小浜ICへ向かう上り線を見学した。この敦賀JCTの建設では、接続する北陸道を通行止めにすることなく舞若道は開通を迎える。敦賀JCTの敷地内には、福井県の県の木であり敦賀市の市の木でもある松が植えられていた。
39kmの区間に14ものトンネルが連なる舞若道
今回の開通区間だけで14ものトンネルがある舞若道だが、そのすべてに1/14~14/14の番号が付けられている。番号は上り側となる小浜ICから敦賀JCTの順に付けられているので今回は14/14~1/14の順に途中の橋やトンネル、PA(パーキングエリア)を挟みながら紹介していく。
重要インフラをまたぐ敦賀衣掛大橋
最初の中郷トンネルを抜けるとまもなく敦賀衣掛大橋に差し掛かる。ここにはJR北陸本線の上下線、同ループ線、国道8号、国道8号バイパス、北陸電力の高圧送電線という重要インフラがあり、橋はそれらをまたぐ形で架けられている。しかも地下水位が高いので、インフラへの影響を避けるニューマチックケイソンという本四連絡橋など海への設置時に使う特殊な工法で造られた橋だ。積雪地かつ4%もの勾配があるためロードヒーティングも施されている。
トンネルのさまざまな安全対策
トンネル番号13/14、12/14、11/14を通過し10/14 矢筈山トンネルで舞若道におけるトンネルの安全対策を見学した。
美浜町の標識には町のシンボルキャラクターにしてゆるキャラアワード2009でグランプリを獲得した「へしこちゃん」が描かれている。高速道路の行政境標識にゆるきゃらが描かれているのは非常に珍しいとのこと。なお下の茶色の標識にある「若狭さとなみハイウェイ」は舞若道のうち福井県内区間の愛称。
トンネル内に設置された消火栓は消防隊専用ではなく誰でも使用が可能だ。トンネル火災において初期消火は大変有効だが、まずは何より自分自身の安全の確保が最優先。その上で余裕があれば臆せず使用してほしいとのことだ。
観光客に配慮した三方五湖PA
三方五湖PAは上下線共用のパーキングエリアで、一般道からも施設が利用できる「ぷらっとパーク」だ。夏の海水浴客が多いことを想定し、女性用といれにはパウダーコーナーを設置し、子供用トイレや着替えの出来るスペースも設けてある。
積雪地ならではの装備を有するインターチェンジ
除雪車や散水車などの車庫を持ち冬季の雪氷対策の要となる若狭上中ICの基地は小浜ICから若狭三方ICまでの約20kmを担当。若狭三方ICから敦賀JCTまでの約19kmは、同様の設備を持つ若狭三方Iの基地が受け持つ。
ETCでの通行におけるトラブルのほとんどがカードの差し忘れによるものだという。何らかの理由でバーが開かなかったときには路面に記されたグリーンの部分に車を停めてインターホンで係員と通話し、カードの差し忘れならば挿し直した後に係員を待たずに遠隔操作で再通信すれば通行が可能とのこと。これらのシステムは今回開通した区間の3つのインターチェンジすべてが同機能を備えている。