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【鈴鹿8耐】予選「トップ10トライアル」は、ヤマハファクトリーが驚異のタイムでポールポジション

新型マシン「YZF-R1」でポル・エスパルガロ選手が2分6秒000

2015年7月23日~26日 開催

ポールポジションを獲得したポル・エスパルガロ選手の走り

 7月26日までの日程で開催されている「2015 FIM世界耐久選手権シリーズ第2戦“コカ・コーラ ゼロ”鈴鹿8時間耐久ロードレース 第38回大会」(以下、鈴鹿8耐)で、25日に最終予選「トップ10トライアル」が行われ、YAMAHA FACTORY RACING TEAM(YZF-R1)が2分6秒000のタイムを叩き出し、ポールポジションを獲得した。2位はTeamGREEN(ZX-10R)、3位は元MotoGP世界チャンピオンライダーのケーシー・ストーナー選手を擁するMuSASHi RT HARC-PRO.(CBR1000RR)。

YAMAHA FACTORY RACING TEAM(YZF-R1)
2位に入ったTeamGREEN

 前日の予選で上位10チームのみ進むことが許される「トップ10トライアル」は、翌26日の決勝レースにおける1~10番手までのグリッドを決める最終予選に位置付けられる。各チームのライダー2名もしくは3名のうち、前日の予選においてチーム内で遅かったライダーと速かったライダーの2名が出走し、予選結果の逆順で順次1台ずつ出走する形式だ。

 具体的には、前日予選の10位~6位のチームで遅かったライダー1人が最初に出走し、次に10位~6位のチームで速かったライダー1人が走る。その後、5位~1位のチームの遅かったライダー、5位~1位のチームの速かったライダーと続く。タイムを出すチャンスは各ライダーたったの1周のみだ。

 トップ10トライアルでは、前日予選で2分6秒656のトップタイムをマークしたTeamGREENに注目が集まるかと思われたが、前日3位で13番目に登場したYAMAHA FACTORY RACING TEAMのポル・エスパルガロ選手が、精密なライン取りで鈴鹿を駆け抜け、それまでに走行を終えたチームのトップだったMuSASHi RT HARC-PRO.高橋巧選手(2分7秒697)を大幅に上回る、驚異の2分6秒000でゴールラインを通過。

 その後、YOSHIMURA SUZUKI Shell ADVANCE(GSX-R1000)のアレックス・ロウズ選手が2分7秒144の好タイムで2位に入ったが、完全にポル選手のスーパータイムにかすむ形となってしまった。期待されたMuSASHi RT HARC-PRO.の元MotoGPライダー ケーシー・ストーナー選手は、かつてMotoGPで見せたスムーズな走りでポル選手に迫るものの、0.3秒遅れの2分6秒335で、この時点で2番手に。

ピットで他のライダーの結果を見るMuSASHi RT HARC-PRO.ケーシー選手
ケーシー選手の走り

 ポル選手の後を継いだYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行選手は、チームメイトの記録を塗り替える勢いでリアタイヤをスライドさせながらの立ち上がりを見せるが、惜しくも2分6秒059の僅差でトップの座は獲得できず。最後、前日予選で1位のTeamGREEN渡辺一樹選手は、「それがうまくいっていれば5秒台に入れたはず」というセクター1でのミスが響き、2分6秒287で2位に滑り込むのがやっとだった。各ライダーの記者会見でのコメントは以下の通り。

ピットから飛び出すYAMAHA FACTORY RACING TEAM 中須賀選手
中須賀選手の走り
走り終えた中須賀選手。最高の結果に顔もほころぶ
出走を待つTeamGREENの渡辺選手
渡辺選手の走り
トップ10トライアルを終え、観客の声援に応えるポル選手
YAMAHA FACTORY RACING TEAM ポル・エスパルガロ選手

 とってもとっても、とってもハッピー。大きなチャレンジで、期待以上の結果が出た。トレーニングが少なかった中でも3人頑張ったと思うし、タイムもみんな近いし、いいチームメイトに恵まれて本当に幸せ。でも、これはまだまだ始まりで、明日は長い大変な1日になるだろう。3人とも速くてバイクもすばらしいので、頑張りたい。

YAMAHA FACTORY RACING TEAM 中須賀克行選手

 (チームメイトのタイムを抜くことができず)非常に悔しい思いと、うれしい思いがある。先にタイムを出されてプレッシャーだったが、自分の走りをしっかりして、タイムを出せたことはうれしく思っている。

TeamGREEN 渡辺一樹選手

 とりあえず2番手ということで、自分としては8耐のグリッドとしてはベスト。正直、セクター1でミスをしたので、それがうまくいっていれば5秒台に入れられたのかな、という悔しい思いはあるが、明日の決勝が何よりも大事なことなので、今夜しっかり休んで、明日の8時間にしっかり備えたい。

MuSASHi RT HARC-PRO. ケーシー・ストーナー選手

 実は朝、練習走行に出ようとしたところでリアブレーキに問題があって、それを直してから出たので時間がなく、1ラップくらいしか走れなくて、ぶっつけ本番のような状態でタイムアタックした。このタイムアタックのシステムは初めての経験だけれど、すばらしいショーだと思う。結果も良くて、チーム全員よく頑張った。明日に向けて全力を尽くしたい。

(安田 剛/日沼諭史/Photo:Burner Images)