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レクサス、V型8気筒5.0リッターエンジン搭載の新型スポーツセダン「GS F」

価格は1100万円。TVDや上下加速度センサー付ABSなどを備えてサーキット走行まで対応

2015年11月26日発売

1100万円

 レクサス(トヨタ自動車)は、高性能スポーツセダン「GS F」を11月26日に発売する。価格は1100万円。

モデルエンジン変速機駆動方式価格
GS FV型8気筒DOHC 5.0リッター8速AT(8-Speed SPDS)2WD(FR)11,000,000円
GS F

 GS Fは2007年に発売された「IS F」以来8年ぶりとなる「Fモデル」の新型セダン。富士スピードウェイの頭文字である「F」を冠し、サーキット由来のスポーツモデルであることを主張するレクサスの「LFA」「RC F」などの系譜に名を連ねる1台となる。

 外観ではフロントバンパー両サイドのエアダクトを大きく広げ、冷却性能を高めつつワイド感による低重心なスタンスを強調。レクサスモデルのアイデンティティである「スピンドルグリル」では専用の漆黒メッキグリルモールを採用し、メッシュの格子にもFモチーフを忍ばせて“Fのスポーツマインド”を表現する。

 このほか、フロントグリルのロアモール、リアスポイラーなどにカーボン素材を使用。末広がりの4連エキゾーストなどによってFモデルならではのスポーティテイストをアピールしている。ボディーカラーは「ヒートブルーコントラストレイヤリング」「ラヴァオレンジクリスタルシャイン」など8種類を設定。

3眼フルLEDヘッドライトやLEDクリアランスランプ、フルLEDリアコンビネーションランプなどにレクサスモデルのデザインアイコンとなっているL字形状を使用
高い剛性と軽量さを合わせ持つカーボン素材をグリルロアモールやリアスポイラーに採用。グリルメッシュではフィン配置の工夫でFを連想させるデザインとしている
ムーンルーフ(チルト&スライド式)はオプション設定
「ラゲージドアイージークローザー」を全車標準装備。ボタン操作で開閉できるようになる「パワートランクリッド」もオプション設定する
ヒートブルーコントラストレイヤリング
ラヴァオレンジクリスタルシャイン
ホワイトノーヴァガラスフレーク
マーキュリーグレーマイカ
ソニックシルバー
ソニックチタニウム
グラファイトブラックガラスフレーク
レッドマイカクリスタルシャイン
最高出力351kW(477PS)/7100rpm、最大トルク530Nm(54.0kgm)/4800-5600rpmを発生するV型8気筒DOHC 5.0リッター自然吸気エンジン「2UR-GSE」

 パワートレーンにはV型8気筒DOHC 5.0リッター自然吸気エンジンの「2UR-GSE」と、8速AT「8-Speed SPDS(8速スポーツダイレクトシフト)」を組み合わせて採用。最高出力351kW(477PS)/7100rpm、最大トルク530Nm(54.0kgm)/4800-5600rpmを発生して後輪を駆動する。また、走行状況に応じて左右のタイヤに配分する駆動力を変化させて旋回性や車両の挙動安定などを図る「TVD(Torque Vectoring Differential)」を標準装備。「STANDARD」「SLALOM」「CIRCUIT」の3モードを用意し、切り替えることでTVDの駆動力制御を変更できる。

 また、電子制御デバイスではVSC、ABS、TRCの協調制御で車両の挙動を制御する「スポーツモード付きVDIM」も装備。新たにサーキット走行時などで車両と自分のスキルの限界に挑戦したい人に向けて、基本的にVDIM制御をOFFとしつつ、車両の挙動が破綻状態に陥らないよう緩やかに制御する「EXPERTモード」を設定。上下加速度センサー付ABSやTVDなどとも協調制御させて車両安定性と走りの楽しさを両立させる。

GS Fの走行イメージ
GS Fのホワイトボディー

 ボディーでは剛性強化に向け、レーザー溶接、レーザースクリューウェルディング、溶接スポットの打点増し打ちなどのほか、高剛性ガラス接着剤を採用。また、フロントブレース、リアボディーブレースなどを設置して剛性を高めている。これに加え、ボディーではフロア下の空気の流れにも注力。フラットなエンジンアンダーカバーを装着するほか、リアフロアアンダーカバーでは床下切り上げ角の最適化も実施。それぞれのアンダーカバーには整流効果をもつ「エアロスタビライジングフィン」を設定し、空気の流れを積極的に活用することで操縦安定性を向上させている。

 フロント ダブルウイッシュボーン式、リア マルチリンク式のサスペンションはパーツを新設計。ジオメトリーを最適化するほか、サスペンション剛性を高め、ロール剛性の適正化などによって操舵レスポンスを高めている。このほか、サーキット走行も視野に入れて開発を行っているGS Fでは、ブレーキにフロント アルミ対向6ピストン、リア アルミ対向4ピストンのモノブロックキャリパーを標準装備。高摩耗パッドとの組み合わせで高い剛性と耐フェード性を確保するほか、マスターシリンダーの大径化、ペダル比の最適化などによって応答性の高さとリニアなフィーリングを実現する。

カバー類の設置でフロア下のフラットさを高め、車両後方部分の切り上げ角の最適化、「エアロスタビライジングフィン」の設定などにより空気の流れをコントロールする
サスペンション形式はフロントがダブルウイッシュボーン式、リアがマルチリンク式となる
フロントブレーキにアルミ対向6ピストンのモノブロックキャリパーを採用。標準仕様のブラック塗装のほか、オプションでオレンジブレーキキャリパーも用意している
タイヤサイズはフロント255/35 ZR19 92Y、リア275/35 ZR19 96Y。BBS製の10本メッシュスポーク鍛造アルミホイールは、通常のガンメタリック塗装(左)に加えてポリッシュ仕上げ(右)もオプション設定

 先進装備では、歩行者検知機能付きの衝突回避支援タイプ「プリクラッシュセーフティ」、車線逸脱の可能性をドライバーに知らせる「レーンディパーチャーアラート(ステアリング制御付)」(LDA)、ハイビームの光を先行車や対向車に影響を与える部分だけ遮光する「アダプティブハイビームシステム」(AHS)、先行車との車間距離を一定内に保ちながら追従走行できる「レーダークルーズコントロール(ブレーキ制御付)」などをまとめた予防安全パッケージ「Lexus Safety System+」を標準装備。さらにドアミラーの死角位置に車両などが走行しているときにミラー鏡面内のインジケーターを光らせて警告する「ブラインドスポットモニター」(BSM)、バンパーコーナーと障害物などの接近を知らせる「クリアランスソナー&バックソナー」をオプション設定して安全性を高めている。

「プリクラッシュセーフティ」の作動イメージ
「レーンディパーチャーアラート」(LDA)では車線内に戻る方向に電動パワーステアリングのアシスト力を発生させる
「アダプティブハイビームシステム」の作動イメージ
「レーダークルーズコントロール(ブレーキ制御付)」の作動イメージ
純正装着の12.3インチワイドディスプレイに車両後方の状況を映すバックガイドモニターも標準装備する
メーターパネル内にはタイヤ空気圧警告も表示できる
標準装備する「ヒルスタートアシストコントロール」の作動イメージ
「ブラインドスポットモニター」(BSM)はオプション装備となる

 ベースとなる「GS」で機能美と上質さの融合を表現したインテリアでは、ラグジュアリー感を持つ大人のスポーツセダンであることの演出でFモデルならではのテイストを強調。フロントシートは「アスリートのボディースーツ」をモチーフに形状をデザインし、表皮一体発泡成形を採用したハイバックスポーツシートとして、サーキット走行までカバーする高いホールド性と日常的な走行時の快適性を両立させている。また、メーターフード、インパネアッパー部、センターコンソール、ドアトリムなどの表皮にはアルカンターラを使い、各所にブルーのステッチを設定して質感を高めており、LFAでも装着された「LEXUSロゴ入り飾り鋲」を4個所に用いている。

 デザインをフロントシートと合わせたリアシートは可倒式センターアームレスト部分にトランクスルー機構を設定。さらにセンターアームレストにはエアコンやオーディオ、電動リアウインドーサンシェードなどを操作するコントロールパネルを用意している。

GS Fのインテリアイメージ
内装色を多彩にラインアップ

 ステッチの色にホワイト、ブラック、ブルーの3色を使った本革ステアリングは、テストドライバーがサーキット走行を繰り返し実施して理想的なタッチとグリップ径を追究したものとなっている。メーターはデジタルとアナログのコンビネーションタイプで、右側にアナログの340km/hスピードメーター、中央に大口径で表示切換式のデジタルメーターを採用。左側にカラーマルチインフォメーションディスプレイを配置している。大口径デジタルメーターは8-Speed SPDSの「ドライブモードセレクト」のモードごとに、「NORMAL」「ECO」「SPORT」「SPORT S+」の各モードで異なるデザインに変化する。また、オプション設定となるカラー式のヘッドアップディスプレイでも3種類の表示を設定。車速と簡易ナビ画面の「ノーマル表示」、車速とシフトポジション+タコメーターの「スポーツモード表示A」、車速とシフトポジション+レブインジケーターの「スポーツモード表示B」を使い分けできる。

本革ステアリングに操舵中でも変速操作できるよう大型化したパドルシフトを装備
8-Speed SPDSのシフトセレクター後方に「ドライブモードセレクト」の切り替えダイヤルとTVDのスイッチなどを配置
“F専用アルミペダル”には、踏み込む軌道にリンクするよう設定したスリットが入る。パーキングブレーキはインパネのスイッチで操作する電動タイプ
インテリアの要所にアルカンターラ表皮を使ってスポーティさを演出。LFAでも使われた「LEXUSロゴ入り飾り鋲」も装着している
オーナメントパネルに日本の伝統工芸技術「名栗(なぐり)」の切削加工技術を再現した本アルミ材を使用
インパネ中央にGPS時刻補正機能付きのLEDアナログクロックを装着
エアコンやオーディオなどを操作するコントロールパネルを備えたセンターアームレストを引き出すと、トランクスルー機構のリッドにアクセスできるようになる
デジタルとアナログを組み合わせた特徴のあるメーターパネル。大口径デジタルメーターは表示切換式
「NORMAL」モード
「ECO」モード
「SPORT」モード
「SPORT S+」モード
大口径デジタルメーターにはTVDの選択モードや作動状態なども表示可能
オプション装備のヘッドアップディスプレイは、「ノーマル表示」「スポーツモード表示A」「スポーツモード表示B」の3種類に表示変更可能
オーディオは標準装備する「レクサス GS F プレミアムサウンドシステム」のほか、GS F専用チューニングとなる「“マークレビンソン”プレミアムサラウンドサウンドシステム」をオプション設定
microSD、USB、Bluetoothなど多彩な外部入力に対応する

主要諸元

GS F
駆動方式2WD(FR)
乗車定員5名
全長×全幅×全高4915×1855×1440mm
ホイールベース2850mm
トレッド(前/後)1555/1560mm
重量1830kg
エンジンV型8気筒DOHC 5.0リッター「2UR-GSE」
エンジン最高出力351kW(477PS)/7100rpm
エンジン最大トルク530Nm(54.0kgm)/4800-5600rpm
トランスミッション8速AT(8-Speed SPDS)
JC08モード燃費8.2km/L
サスペンション(前/後)ダブルウイッシュボーン/マルチリンク
ブレーキ(前/後)ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ(前/後)255/35 ZR19 92Y/275/35 ZR19 96Y
ホイールサイズ(前/後)19×9J / 19×10J

(編集部:佐久間 秀)