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スズキ、“コンパクトクロスオーバーのパイオニアとして市場を切り開く”新型「イグニス」発表会
コンパクトカー「バレーノ」の導入も予告
(2016/1/21 21:24)
- 2016年1月21日開催
スズキは1月21日、コンパクトクロスオーバー「イグニス」を発表し、同日都内で発表会を開催した。発表会ではイグニスの特徴が説明されたほか、イグニスの投入で販売店の活性化を図り、登録車の販売を強化することも示された。また、イグニスと同様に東京モーターショーで展示されたコンパクトカー「バレーノ」の導入も予告された。
小型車10万台計画に取り組むためイグニス、バレーノを投入
最初に登壇したのは代表取締役社長の鈴木俊宏氏。現在、軽自動車市場は2015年4月の軽自動車税の増税と、その前の駆け込み需要の反動により厳しい状況が続いている。一方の登録車はソリオ、SX4 S-CROSS、エスクードに続いてイグニスを投入して、活性化を図る。
鈴木社長は「バレーノも近いうちにご披露できると思っている」と話し、これらの車種を併せて「中期経営計画で掲げた小型車10万台に取り組む」と目標を語った。また、新年最初の発表の場ということで、今年の取り組みについても披露。「社員とコミュニケーションを深め、熱い気持ちやアイデアを引き出して、皆さまの期待を超える商品づくりを営業、技術、生産、購買の四位一体で進める」とした。
3つの特徴を持つコンパクトクロスオーバーを新提案
イグニスの説明を行なったのは、四輪技術本部 第四カーライン イグニス担当チーフエンジニアの石渡雅之氏。
世界的にSUVやクロスオーバー車の人気が高まっている中、2015年3月のジュネーブ・モーターショーに出展した「IM4」に大きな反響があり、その後の東京モーターショーでは「イグニス」として参考出品。「コンパクトなクロスオーバー車の登場を待ち望むお客様の声があった」と経緯を説明した。
石渡氏は、「スズキはコンパクトクロスオーバーの市場に向けて、日常の使い勝手のよいサイズ、ラフロードも雪道も安心して走れる行動範囲を広げる走行性能と燃費性能を持つ新型イグニスを提案します」と宣言。ターゲットは「年齢、性別を問わず、クロスオーバーの利便性とスタイリングを小さなクルマにも求める方」とした。
また、イグニスの主な特徴としては「コンパクトなボディに存在感のあるデザイン」「マイルドハイブリッドによる優れた燃費性能と力強い走り」「充実した安全装備と使い勝手の良い機能」という3点を掲げ、中でも強調したのはデザイン。「シンプルアイコニック」をテーマとして、コンパクトカーにふさわしいプロポーションを持ち、随所にスズキのデザインを継承したこと。そしてフロントグリルやCピラーに歴史的なスズキ車のデザインを採用したことについて、「最新手法で現代風にアレンジすることで、過去と未来を結びつける」と説明。
さらにマイルドハイブリッドシステムにより最高で28.8km/Lの燃費を実現したことや、ソリオと共通化したプラットフォームによる軽量で高剛性化したこと、ボディの50.1%に高張力鋼板を採用して軽量化したこと、さらに自動ブレーキなど安全装備の充実などを挙げた。
最後に石渡氏は、イグニスについて「コンパクトカーの使い勝手のよさに加え、いざというときにも頼もしい走行性能、さらにマイルドハイブリッドをはじめとしたスズキの技術を凝縮。欧州市場で培った高い操縦安定性や印象的なデザインは、コンパクトクロスオーバーのパイオニアとして新しい市場を切り開いていく」とまとめた。
月販1500台目標、期末商戦へむけて販売店を活性化
販売面については、常務役員で国内営業本部長の鈴木敏明氏が解説。TV-CMでは「コンパクトカーの使いやすさと、SUVの楽しさを併せ持ったクルマであること、全車がマイルドハイブリッドを搭載していることをしっかり訴求したい」とし、販売店では「試乗会を開催し、広い室内など実際に体験して特徴を感じてもらいたい」とした。
また、スズキの軽4輪は前年比77%と厳しい状況が続いている中、「登録車は前年比100.3%と若干回復の兆しを見せている」と説明するとともに、「イグニスの投入により、期末商戦での販売店の活性化を図り、1台1台を大切に売っていく、こういったことを徹底させ、活気のある国内販売にしたい」と語った。