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自動車安全性能2024で「クラウンセダン」が最高得点 「ファイブスター大賞」受賞
2025年5月27日 21:24
- 2025年5月27日 開催
国土交通省とナスバ(自動車事故対策機構)は5月27日、2024年度の自動車アセスメント「自動車安全性能2024」において、優れた成績を収めた車種を表彰する「自動車アセスメント表彰式」を開催。自動車安全性能2024で最高得点を獲得した、トヨタ自動車「クラウンセダン」が「ファイブスター大賞」を受賞した。
2024年度の自動車アセスメント「自動車安全性能2024」では、クラウンセダンのほか、マツダ「CX-80」、本田技研工業「シビック」「WR-V」「フリード」、スズキ「フロンクス」の全6車種を評価し、そのうちクラウンセダン、CX-80、シビック、WR-Vの4車種が、「自動車安全性能2024」の最高評価にあたる「ファイブスター賞」を受賞している。
トヨタのクラウンセダンは、総合評価で184.30点(193.8点満点)となり、2024年度における最高得点を獲得。歩行者との万が一の衝突時に備えた歩行者傷害軽減ボディ構造や、ポップアップフード(フード後方を瞬時に持ち上げることで、歩行者の頭部への衝撃を緩和)の採用により歩行者頭部保護試験等で優れた成績を収めた。
表彰式に登壇したクラウンシリーズの開発責任者を務めるトヨタ自動車 MS統括部 製品企画 ZS チーフエンジニアの清水竜太郎氏は「クラウンは今年、1955年の初代誕生から70年の節目を迎える年でございます。そうした節目の年に、こうした栄えある賞をいただきましたことで、あらためましてこのブランドに少し花が添えられたのかなということで、関係者を代表して喜びを申し上げたいと思います」と受賞の喜びを述べるとともに、「トヨタが目指す究極の世界は事故のない交通事故ゼロ社会です。そのためには、衝突安全、予防安全のレベルアップに加え、インフラ協調、つまり通信技術を活用して、人、クルマ、道路を三位一体でつないで事故を減らす取り組みが不可欠と考えております。クラウンブランドとしては、安全技術開発を牽引していき、皆さまから信頼されるブランドを目指しております」と、交通事故ゼロ社会の実現に向けた意気込みが語られた。
また、表彰式であいさつをした国土交通省 物流・自動車局次長 久保田秀暢氏は「近年、わが国における交通事故死者数は減少傾向でございますが、依然として痛ましい事故の報道を目にすることも多く、昨年は2663人の方がお亡くなりになるなど、さらなる安全対策を推進することが必要となっております。こうした状況を踏まえまして、国土交通省では今年いっぱいまでで死者を2000人以下にするという政府目標を掲げておりますが、この目標に向けて各種対策を講じております。その中でも重要な対策の1つがこの自動車アセスメント事業でございまして、この自動車アセスメント事業では、市販されている自動車の安全性を評価し、その結果を公表することで、ユーザーの皆さまの先進安全技術に対する関心と理解を深め、より安全な自動車を選んでいただく際の参考としていただく。また、それによりまして、自動車メーカーによる、より安全な自動車の開発を促すことを目的として実施しております」と、自動車アセスメント事業に取り組む狙いを話した。
2024年度の評価項目については、新たに相手車両への影響を考慮した新しいオフセットの前面衝突試験や交差点での被害軽減ブレーキの評価を導入するなど、事故の実態に踏まえてより効果的な内容に見直しがされた。
ナスバ(自動車事故対策機構) 理事長の中村晃一郎氏は「昨年度のアセスメントの1つのトピックスとしましては、自動車の安全性能を、より正しく判断するために、新オフセット前面衝突試験を導入いたしました。これは、対向車に見立てた台車を衝突させることで、より実際の正面衝突事故に近い形で安全性の評価をするものであります。これによりまして、自車の衝突による被害を防ぐと同時に、ぶつかった相手側のクルマの被害を防いでいく、いわゆる共存性能というものを評価するいうことが可能になりました。私どもといたしましては、とにかくこういったアセスメントの結果を、これから自動車を購入しようとされている方が見て、参考にしていただくことで、より安全なクルマの普及が進んでいくということを願っております」と述べるとともに、「自動車の安全性能そのものは、自動車メーカーのご尽力とたゆまぬアセスメントの積み重ねによって、大きく高度化してきてはおりますけれども、自動車の安全、予防安全装置というのはあくまで自動車の運転者を補助するものであって、決して万能ではないということであります。よって、ハンドルを握られる運転者の方におかれましては、自動車の安全性能に頼ることなく、“決して自動車事故を起こさない”という思いのもとで、自らの手で安全運転に努めていただきたいということを、本年もこの場を借りてお願いをしたいと思っております」との思いを話した。