ニュース

フォルクスワーゲン、新ブランドディレクターのマーティン・ザーゲ氏があいさつ 「ID.2all」に加え「ID.2X」「ID.EVERY 1」も日本導入?

2025年6月20日 発表
新フォルクスワーゲンブランドディレクターのマーティン・ザーゲ氏

新ブランドディレクターのマーティン・ザーゲ氏が登場

 フォルクスワーゲン グループ ジャパンは6月20日、新型EV(電気自動車)ミニバン「ID.Buzz」の発表会を六本木ヒルズアリーナ(東京都港区六本木)で開催した。

 発表会ではフォルクスワーゲン グループ ジャパンでフォルクスワーゲンブランドディレクターを務めるイモー・ブッシュマン氏が登壇し、フォルクスワーゲンブランドの現況や戦略、ID.Buzzの紹介などを行なった。

 そのブッシュマン氏は、8月1日付でポルシェ ジャパンの代表取締役社長に就任することが決定しており、発表会では後任となる現フォルクスワーゲンAG ストラテジック プライス プランニング 本部長のマーティン・ザーゲ氏が登壇してあいさつを行なった。

「ID.Buzz」の発表会で登壇したフォルクスワーゲンブランドディレクターのイモー・ブッシュマン氏

 ブッシュマン氏ははじめに「私たちは皆さまの人生の一部になりたいと、日本では70年にわたりそれを実践してまいりました。ピープルズカーとしてのフォルクスワーゲンブランドのポジショニングは、日本中の多くのお客さまに評価していただいています。これまで日本中のお客さまからいただいたご支援と信頼に心より感謝申し上げたいと思います」と述べるとともに、国内販売台数について2024年度は供給不足に悩んだものの、2025年に入って加速モードに入り、1月~5月は対前年比で+33%の1万4322台となったことを報告。その台数の成長は、昨夏に発表したゴルフ/ティグアン/T-Cross/パサートといった新型モデルが大きくけん引したといい、その受注は「大きく予想を上まわるもの」と評価。

 また、日本市場においてはICE(内燃エンジン)と電動モデル(mHEV[マイルドハイブリッド]/PHEV[プラグインハイブリッド]/BEV[バッテリ電気自動車])の2本柱で展開していくことを改めて説明したほか、ID.Buzzについては「ワーゲンバスのDNAを電気モビリティの時代に復活させたモデルです。レトロなデザインと最新鋭のEV技術、そして進化したドライバーアシスタンス機能を備え、ID.Buzzはおそらくフォルクスワーゲンがこれまで世に送り出した数々のクルマの中でもとりわけエキサイティングなモデルでしょう。フォルクスワーゲンファンの方々にフォルクスワーゲンとはどんなブランドなのか、秀でたデザイン、イノベーション、そして画期的な時代を超えたコンセプトを改めてアピールすることを目指しています」と説明した。

ブッシュマン氏は2本柱戦略などについて説明した

 そしてブッシュマン氏とザーゲ氏をつなぐ役目として、フォルクスワーゲンAG 上席 副社長 インターナショナル セールス担当のマイケル・マイヤー氏が登壇。マイヤー副社長は「フォルクスワーゲンはピープルカーのブランドです。私たちフォルクスワーゲンとして、“クルマのビジネスは人のビジネス”だということをよく知っております。私たちにとってブランドをグローバルで率いる適任者が必要です。フォルクスワーゲンはさまざまなアイコン的なブランドがございます。ですから、イモー・ブッシュマンのこれまでの任期に感想を申し上げたいと思います。フォルクスワーゲンブランドの日本市場での復活を率いてくれました。そして第2フェーズが始まります」と述べ、ザーゲ氏を引き入れた。

ブッシュマン氏とフォルクスワーゲンAG 上席 副社長 インターナショナル セールス担当のマイケル・マイヤー氏
ブッシュマン氏に感謝の意を述べるマイヤー氏

2026年~2027年にかけて「ID.2all」「ID.2X」「ID.EVERY 1」を追加?

マイヤー氏(左)とザーゲ氏(右)

 そのザーゲ氏は現在47歳で、フォルクスワーゲンで20年以上のキャリアを持つ人物となり、「今回フォルクスワーゲンのブランドディレクターに就任しますことをとてもうれしく、また誇りに思います。日本市場というのは非常に競争が激しいということも存じ上げておりますが、誇らしい歴史のあるマーケットでもあります。日本は本当にクルマが好きな方がたくさんいらっしゃいます。私も本当に子供のときからカーガイでした。日本の市場はいつも関心を持って私は見てまいりました。フォルクスワーゲンにとって日本は戦略的に重要な市場です。そしてぜひ成功を収めたいと思っている市場でもあります。ですから、ブランドをこれから築いていくことを楽しみにしております」と抱負を述べている。

 その後バトンタッチしてふたたび登壇したブッシュマン氏は、2本柱の戦略を強調しつつラインアップの拡充を今後も図り、「日本でも新しいエキサイティングな商品をお客さまに提供してまいります」と宣言するとともに、「お客さまがフォルクスワーゲンブランドに対して示してくださる情熱には感謝しかございません。私たちにとっても、今後さらに優れた商品を皆さまにお届けしたいという気持ちがさらに高まりました。皆さま、これまでのご支援、特にこの1年間のご支援、誠にありがとうございました。そして、新規・既存を問わずすべてのお客さまがフォルクスワーゲンブランドのパッションを共有してくださることを願っています。献身的なディーラーネットワークが皆さまをお迎えします。ぜひ皆さま、フォルクスワーゲンの店舗でお会いしましょう」としてプレゼンテーションを締めくくった。

 なお、ブッシュマン氏が示した最後のスライドでは、2026年~2027年にかけてBEVのラインアップに「ID.2all」「ID.2X」「ID.EVERY 1」が追加することが予告された。ID.2allに関しては2024年7月の発表会の場で日本市場に導入することを明らかにしているが、ID.2X、ID.EVERY 1については初めての予告。これについてブッシュマン氏は特に触れなかったが、このあたりのコンパクトなBEVを導入しようとしていることは明らか。ザーゲ氏が今後どのような戦略をもって日本市場でのモデル展開を行なっていくか、続報を待ちたい。

ブッシュマン氏が示した最後のスライド