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鈴鹿8耐、ポールポジションは4連覇狙う30号車Honda HRC、6年ぶり復活の21号車YAMAHA RACING TEAMは0.026秒差で2番手

2025年8月1日〜3日 開催
ポールポジションを獲得した30号車Honda HRC(高橋巧/ヨハン・ザルコ、CBR1000RR-R SP、BS)

 鈴鹿サーキットで開催されている鈴鹿8耐「2025 FIM世界耐久選手権 "コカ·コーラ" 鈴鹿8時間耐久ロードレース 第46回大会」は8月2日、最終予選となるTOP10トライアルが行なわれ、30号車Honda HRC(高橋巧/ヨハン・ザルコ、CBR1000RR-R SP、BS)が2分4秒290でポールポジションを獲得した。

 2位は6年ぶりにファクトリーチームとして復活した21号車YAMAHA RACING TEAM(中須賀克行/ジャック・ミラー/アンドレア・ロカテッリ、YZF-R1、BS)、3位は76号車AutoRace Ube Racing Team(津田拓也/ロリス・バズ/デイビー・トッド、M1000RR、BS)。

 決勝レースは8月3日11時30分、ライダーがマシンに駆け寄ってスタートを切るル・マン式で開幕し、日没後の19時30分頃にチェッカーが振られる。

予選は2分4秒台を巡る争いに

 前日8月1日に行なわれた公式予選における各チーム2人のベストタイムを平均し、その上位10チームで争われる「TOP10トライアル」。前半は下位5チームのライダー2人が順番に単独でタイムアタックし、後半は上位5チームのライダー2人が同様にアタックする、という流れとなる。

 前半の段階ですでに2チームが2分5秒台中盤を記録し、ハイレベルな戦いが予想されるなか、6年ぶりにファクトリーチームとして参戦した21号車YAMAHA RACING TEAMがまずは魅せる。MotoGPライダーでもあるジャック・ミラー選手が同チーム1人目のライダーとして登場すると、2分4秒台前半、あるいは2分3秒台に迫るかというペースで飛ばし、最終シケインへ。ところが、その最後の最後の立ち上がりで痛恨のスリップダウンを喫してしまう。

21号車YAMAHA RACING TEAM

 一方、4連覇を目指す30号車Honda HRC、1人目の高橋巧選手は流れるような走りで2分5秒223をマークしトップに。それに対し、前日の予選で2分4秒台を記録するなど好調の76号車AutoRace Ube Racing Teamが、2分5秒001で上回るタイムを叩き出す。

76号車AutoRace Ube Racing Team

 21号車もファクトリーチームとしての意地を見せる。続いて登場したアンドレア・ロカテッリ選手が、76号車のタイムを0.9秒上回る2分4秒316とし、これでポールポジションは決まったと思われた。が、最後、30号車2人目のヨハン・ザルコ選手が2分4秒290でポールを奪取。2024年王者の貫禄を見せつけた。

ピットアウトする30号車Honda HRC
ポールポジションを決めたHonda HRC。今年は2人体制で挑む

各チームのコメント

TOP10トライアル後の記者会見に臨んだ3チーム
30号車Honda HRC

 30号車Honda HRC ヨハン・ザルコ選手:2分4秒500を切れるとは思っていなかったが、2分4秒500ではポールポジションには足りないとも思っていたので、この結果は素晴らしいサプライズ。ニュータイヤでいいタイムを出すライダーがたくさんいて大きな差を付けるのが難しいなか、今日この場にいられるのはうれしい。明日の準備はしっかりできている。

21号車YAMAHA RACING TEAM

 21号車YAMAHA RACING TEAM ジャック・ミラー選手:(シケインでの転倒について)バイクも良く、ラップも良かったが、興奮しすぎて最後のシケインで転倒してしまった。幸いにも(チームメイトの)ロカテッリが非常に頼もしい存在になってくれたが。(2分3秒台は)達成できれば素晴らしかったが、今日は無理だったと思う。トラックは本当に高温だった。パフォーマンス自体は良く、プラクティスでのラップタイムや最終コーナーで出せていたであろうタイムには満足している。気温が非常に高い中でこれを成し遂げたというだけでも十分。日々バイクに順応できるようになっているので、明日が楽しみ。

76号車AutoRace Ube Racing Team

 76号車AutoRace Ube Racing Team 浦本修充選手:僕らも使ってるのはファクトリーバイクですけど、これだけの(数の)ファクトリーチームが参戦している中、まだ予選ですけど、この(記者会見の)場に来られること自体はすごくいいアピールになっているだろうと思うし、満足しています。

TOP10トライアルの最終結果

順位:チーム(選手、車両、タイヤ)
1:30号車Honda HRC(高橋巧/ヨハン・ザルコ、CBR1000RR-R SP、BS)
2:21号車YAMAHA RACING TEAM(中須賀克行/ジャック・ミラー/アンドレア・ロカテッリ、YZF-R1、BS)
3:76号車AutoRace Ube Racing Team(浦本修充/ロリス・バズ/デイビー・トッド、M1000RR、BS)
4:73号車SDG Team HARC-PRO. Honda(名越哲平/阿部恵斗/國井勇輝、CBR1000RR-R、BS)
5:37号車BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM(マーカス・ライターバーガー/マイケル・ファン・デル・マーク/スティーブン・オデンダール、M1000RR、BS)
6:7号車YART - YAMAHA(カレル・ハニカ/マーヴィン・フリッツ/ジェイソン・オハロラン、YZF-R1、BS)
7:1号車YOSHIMURA SERT MOTUL(グレッグ・ブラック/ダン・リンフット/渥美心、GSX-R1000R、BS)
8:3号車SDG-DUCATI Team KAGAYAMA(水野涼/マーセル・シュロッター/レオン・ハスラム、Panigale V4R、BS)
9:40号車TeamATJ with docomo Business(岩田悟/鈴木光来/国峰啄磨、CBR1000RR-R SP、BS)
10:17号車Astemo Pro Honda SI Racing(野左根航汰/荒川晃大/山中琉聖、CBR1000RR-R、BS)

【お詫びと訂正】記事初出時のチーム表記に誤りがありました、お詫びして訂正させていただきます。