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三菱自動車、倉敷市や倉敷市民病院と災害時の一時避難に関する協定締結
「全国初の取り組みが今後広がっていくことに期待」と倉敷市長の伊東香織氏
2025年8月28日 21:37
- 2025年8月28日 発表
三菱自動車工業は8月28日、倉敷市、大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院、倉敷市立市民病院、西日本三菱自動車販売と「災害時における医療的ケアが必要な避難行動要支援者のための一時避難に関する協定」を締結した。
同日、倉敷市役所において協定締結式が行なわれ、倉敷市長の伊東香織氏、三菱自動車工業 取締役代表執行役社長 兼 最高経営責任者の加藤隆雄氏らが出席した。
倉敷市では「平成30年7月豪雨災害」での経験をもとに、大規模災害が発生した際、最も困難に直面すると考えられる人工呼吸器などの医療機器を使用しての生命維持を必要とする避難者の対応について2023年度から検討会を立ち上げ、医師や医療機器メーカーと3年にわたって検討を重ねてきた。
その中で、医療機関にできるだけ近い場所にすること、専用避難施設を確保すること、そしてその施設において停電時でも使用できる電源を確保することについての検討を行なった結果、倉敷中央病院、三菱自動車工業、西日本三菱自動車販売、倉敷市立市民病院の全面協力のもと、行政・医療機関・自動車メーカーが連携した全国初の協定締結に至ったという。
協定締結式の冒頭、あいさつを行なった伊東香織市長は倉敷市の防災・減災への取り組みとして防災所備蓄倉庫の設置、耐震性貯水槽の設置、防災危機管理などの設置を進めていることを説明し、「その中で何よりも大切なのは、避難される方々のその避難を安心してしていただける、そういう場所の確保です。倉敷市内には指定緊急避難場所を小学校や中学校をはじめ各地区に設けているわけですけれども、災害時に最も心配されるのが停電が起きた場合、生命維持に電源が必要な方々への避難場所の確保です。特に24時間、人工呼吸器をつけていらっしゃらないと生命維持に困難が生じる皆さま方に対しての避難場所ということについて、私どもの生水哲男副市長を先頭に、市内の病院、関係機関の皆さま方と相談を申し上げてまいりまして、今回このような形で協定を結ばせていただくこととなりました」。
「生命維持のために電源が必要。そして安心して避難できる場所、通常の小学校や中学校といった指定緊急避難場所に行っていただくわけにはなかなかまいりません。それゆえ、倉敷中央病院付属予防医療プラザ、そして私ども市民病院のフロアを貸していただき、ここにあらかじめご登録をいただいた方々に緊急的に避難いただき、そして電源については三菱自動車さん、西日本三菱自動車販売さんのアウトランダーPHEVをはじめとする電動車からの電源供給ということで、この安心して避難していただける、そういう仕組みを作らせていただきました」と説明し、この医療機関、電源供給、避難場所運営を一体化した全国初の取り組みが、今後全国に広がっていくことに期待すると述べた。
また、三菱自動車の加藤社長は近年の自然災害の広域化・激甚化を背景に、特に人工呼吸器などの電源を必要とする機器を使用する方々の不安解消のため、PHEVの特徴を活かした災害時の医療機器への電源供給支援を行なうことを表明。同社は地域との共生を大切にしながら、防災・減災の取り組みを推進し、誰もが安心して暮らせる地域社会の形成に貢献していく意向を示した。



