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日産、2025年度上期決算を発表 「Re:Nissan」の一環として本社ビルを売却
2025年11月6日 17:59
- 2025年11月6日 発表
日産自動車は11月6日、2025年度上期決算を発表した。
上期のグローバル販売台数は148万台、連結売上高は5兆6000億円となった。営業利益はマイナス277億円、経常利益はマイナス779億円、当期純利益はマイナス2219億円で、それぞれ損失となっている。
また、同日に経営再建計画「Re:Nissan」の進捗状況も合わせて報告され、2026年度末までに自動車事業の営業利益とフリーキャッシュフローの黒字化を目指して着実に推進しているとした。
その中で、ノンコア資産の最適化として横浜グローバル本社ビルのセールアンドリースバックを実施すると発表。970億円でMJIに売却し、20年間のリースバック契約を行なうことで、従業員や事業運営に影響を与えることなく、今後も横浜で事業を継続するとのこと。調達した資金は設備の刷新やRe:Nissanの今後の成長を加速させるために活用するとした。
変動費の削減はこれまでに数千件のアイデアが検証段階、実行段階へと進んでおり、2000億円分の効果を見込んでいるとのこと。これらのアイデアは品質や安全性、性能を犠牲にすることなく、持続可能な方法でコスト削減を実現していくとした。
固定費の削減も順調に進んでいるとして、上期は800億円以上を削減。年度末までに1500億円以上の削減を目指し、2026年度までには2500億円以上の固定費削減を達成できる見込みとした。グローバル生産体制の再編も進んでおり、計画していた7拠点のうち6拠点が決定。時間あたりのエンジニアリングコストの低減は、目標値の20%に対して12%進捗しており、部品種類の削減も着実に進んでいるとした。
今後は、Re:Nissanの次のフェーズとして商品・市場戦略の再定義や戦略的パートナーシップの強化に注力していくとのこと。「リーフ」「ルークス」といった新モデルの市場反響は好調で、2027年度までにさらなる新型車の投入を予定し、主要市場でのイノベーションと、魅力ある商品の提供を推進し、持続的な成長を目指していくとした。
日産自動車 代表執行役社長兼最高経営責任者(CEO)のイヴァン・エスピノーサ氏は「上半期の業績は私たちが直面する課題を示していますが、同時に日産が確実に回復の道を歩んでいることも表しています。下半期も課題はあるものの集中力と規律、そして現在進めている施策により、より良い結果を出せると確信しています。Re:Nissanのもと、前向きな姿勢を維持しながら慎重なリスク管理を徹底し、将来に向けて新車の投入、主要市場への取り組みと革新的な技術の開発を加速させていきます」とコメントしている。

