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ダイハツメタルとダイハツ、キュポラ溶解炉でバイオマス燃料「バイオブリケット」を使用開始
2025年11月14日 11:49
- 2025年11月13日 発表
ダイハツメタルとダイハツ工業は11月13日、ダイハツメタル出雲工場の鋳造設備であるキュポラ溶解炉において、両社共同で製造技術を開発・確立したバイオマス燃料「バイオブリケット」の使用を開始したと発表した。
バイオブリケットは、木材や植物繊維などのバイオマス資源を圧縮して作られる固形燃料で、ダイハツメタルでは、今後バイオブリケットの置き換え率を段階的に引き上げながら、将来的には多様なバイオマス燃料の活用にも取り組み、2035年には置換率100%(コークス不使用)を目指して取り組んでいくとしている。
ダイハツメタルとダイハツは、2035年工場の生産カーボンニュートラル実現に向けた取り組みの一つとして、鋳造工程からのCO2排出量削減に取り組んでいる。
ダイハツメタルはキュポラで鉄を溶かす際に排出されるCO2削減を目的に、2023年3月に有志企業・団体で構成された「キュポラCN共創ワーキンググループ」に参加し、バイオマス燃料の研究開発や製造法の確立および原料調達に関する情報交換と調査を行なっている。2024年からは、石炭由来のコークスに代わるバイオマス燃料として、地域資源である廃菌床やバーク(樹皮)を使用したバイオブリケットの研究を共同で実施し、ワーキンググループの一員であるコヤマにて確立した技術を用い、この度、製造工場を立ち上げた。
「バイオブリケット」製造工場の各工程流れ
(1)バイオマス資源の収集と加工準備
バーク(樹皮)は木から剥いだ状態で納品されるため、破砕機で細かくし、乾燥させる。廃菌床は破砕、乾燥された状態で納品される
(2)バイオマス資源のバイオブリケットへの加工
混合機の槽に、加工準備をしたバーク(樹皮)と廃菌床を投入し、混ぜ合わせる。圧縮機で固形化させ、成形機で棒状に形を整え、規定のサイズにカットして加工完了。
今回、地元の自治体や企業と連携することで、安定的に地域からの資源を調達できる体制を整え、資源調達からバイオマス燃料の製造と活用までを一気通貫で行なうエネルギー循環モデルを構築したという。
今後、ダイハツメタルとダイハツは、地域の活性化と環境にやさしい鋳造工場の実現を目指して、カーボンニュートラルに向けた取り組みを推進することで、持続可能な地域社会づくりに貢献していくとしている。


