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日産と英Wayveが協業 AI採用の次世代「プロパイロット」搭載モデルは2027年度に国内で販売開始
2025年12月10日 18:44
- 2025年12月10日 開催
日産自動車と英Wayveは12月10日、開発を進めている次世代運転支援システム「プロパイロット」を幅広い車種に搭載していくための協業契約を締結したと発表。同日、日産自動車 社長 兼 最高経営責任者のイヴァン・エスピノーサ氏と、Wayve 共同創設者 兼 最高経営責任者のアレックス・ケンダル氏が調印式に臨んだ。
日産は9月にWayveの最先端エンボディドAI技術を自動運転に適用したソフトウェア「Wayve AI Driver」と、次世代のLiDARを活用した日産のGround Truth Perception技術を組み合わせた次世代「プロパイロット」の開発試作車を公開。今回、両社は「Wayve AI Driver」を日産の次世代プロパイロットシリーズに採用していくことで合意した。
日産は今後、「Wayve AI Driver」の技術を活用することで次世代プロパイロットシリーズの機能や利便性をさらに向上し、日本や北米をはじめとするグローバルな市場に投入していく。WayveのAIを採用した次世代「プロパイロット」を搭載した最初のモデルは、2027年度に日本国内で販売する予定という。
すでに日産では2016年に高速道路の単一車線でドライバーの運転を支援する「プロパイロット」を初めて市販車に搭載し、2019年には高速道路の複数車線での運転支援と同一車線内でのハンズオフを可能とする「プロパイロット2.0」を実用化している。このようにプロパイロットもシリーズ化されているわけだが、今回の発表は次世代「プロパイロット」はもとより実用化されている「プロパイロット」「プロパイロット2.0」にもWayveのAIを活用し、さらに能力を高めていく構え。
調印式ではWayveのアレックス・ケンダル氏がはじめにあいさつを行ない、WayveのAIについて「このAIは現実世界での経験から直接学習し、人間の運転の仕方を理解するという考え方に基づいています。人の動きを理解し、安全で直感的な運転を実現するAIであり、運転すればするほど上手になるという特徴があります」と述べるとともに、日産が同社のドライバーソフトウェアを採用する初のグローバル自動車メーカーであることを強調し、今後多くの車種に同技術が導入されることへの期待感を示した。
また、日産のイヴァン・エスピノーサ氏は今回の提携が両社にとって記念すべき日であり、インテリジェントモビリティの実現に向けた重要な一歩であることを強調するとともに、次世代プロパイロットは「Wayve AI Driver」と日産の技術を組み合わせたもので、熟練ドライバーのような運転を複雑な都市環境でも実現すると自信をのぞかせた。
加えて「Wayveの技術を駆使し、日産は幅広いソリューションをご提案し、運転支援システムの普及に努めてまいります。実証実験から生産へ、プレミアムから主流へ。スマートな運転支援技術は、ラグジュアリーなモデルに限定するべきではありません。次世代プロパイロットが国内の量販モデルに採用するのは2027年度になる予定です。AIの革新は業界の想定を超えるスピードで進んでおります。Wayve社との協業は単なる技術の融合を超える取り組みです。Wayve社とのパートナーシップは経営再建計画『Re:Nissan』の着実な実行を示すもので、イノベーションを加速化するパートナーシップの強化を進めてまいります」。
「次世代プロパイロットはその一環であり、Wayve社はよりスマートかつ、より安全なモビリティを、より早く、大きな規模で推進するための重要なパートナーです。人を中心として事業開発するという理念のもと、当初は自動運転だけではなく人々の生活を豊かにすることを目指しています。人を中心とする技術をお届けすることが日産の約束です。複雑な道でも穏やかにシンプルなものにしてくれます。WayveとともにAIを活用したモビリティの新たな可能性を開き、インテリジェントな未来を実現してまいります」とも述べた。






