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ニトリが新充電サービス「ホンダチャージ」導入 「お値段以上の価値を提供」とSDGs推進室奥田理氏

2026年3月3日 実施
島忠 ホームズさいたま中央店の立体駐車場2階に設置されている急速充電器「ホンダチャージ」

 本田技研工業は、2025年9月からサービスを開始しているBEV(バッテリ電気自動車)向けの新たな充電ネットワークサービス「Honda Charge(ホンダチャージ)」の体験会を、埼玉県大宮にあるニトリグループの「島忠・ホームズさいたま中央店」にて実施した。

 体験会に出席した本田技研工業 コーポレート戦略本部 エネルギーサービス事業開発部の木村英輔部長は、「入社当初はホンダ技術研究所にて、開発エンジニアとして環境対応型パワーユニットの研究や商品開発に従事し、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン、ハイブリッドや燃料電池、F1用レースエンジンまで多岐にわたる開発を経験してきました」と自己紹介。

本田技研工業株式会社 コーポレート戦略本部 エネルギーサービス事業開発部 部長 木村英輔氏は、9代目と10代目アコードのパワーユニット開発責任者も務めたという

 現在は、モビリティの楽しさを後世に伝えるためにも、カーボンニュートラルと持続可能なモビリティの実現に向け、電動化の普及のみならず、環境社会に必要となる新たなエコシステム事業の開発に携わっているという。また、現在鈍化しているBEVの普及については、国内ではインフラ整備を同時に進める必要があると言及した。

BEV普及に向けたホンダの事業展開
ホンダが目指す充電における提供価値

 また木村氏は、「BEVの普及において重要なのは移動不安の解消と、単に充電する環境提供だけでなく、その操作の機能を簡単にしてユーザーの負担を減らすことと、充電待機時間に関するストレスを軽減することが必要」と説明。

 特に体験会の会場となった大宮地区は集合住宅が多く、「自宅で充電できないからBEVを買えない」と語るユーザーや、「BEVを買ったけれど充電が不便」と嘆くユーザーもいるとのことで、ホンダは出先に急速充電器を設置することが理想であると考えているという。

簡単、便利で、使いやすい充電システムを開発

 そこで新たな充電ネットワークサービス「ホンダチャージ」は、専用スマートフォンアプリで充電器の検索から予約、BEVに充電プラグを差し込むと自動でユーザーを認証して、充電を開始。充電状態の管理や決済までを行なえるCHAdeMO規格に準拠したものでは日本初となる「プラグアンドチャージシステム」を採用。従来の認証用カードやスマホによるユーザー認証、充電開始のボタン操作が不要になり、ユーザーの手間を省き、時間の短縮につながる、“簡単、便利で、使いやすい”シームレスな充電体験を実現した。

 ホンダチャージはすでに2025年度内にディーラーであるホンダカーズに50基ほど設置しているが、現在は商業施設を含めて200基まで拡大。また、「協力パートナー企業であるプラゴとの連携により普通充電器も含めると900基まで増えている」と木村氏。設置場所はホンダの持つ車両移動データを分析して、多くのユーザーが日常の暮らしの中で訪れて時間を過ごす最適な立地を検証し、優先的に設置を進めていくとしている。

ホンダチャージの登録は4STEPで完了する。また現在は50kWで55円/分と90kWで77円/分の基本プランのみ。月額会員費などはなく、充電した分を支払うだけ
プラグアンドチャージを利用するには、さらに車両情報との紐づけが必要となる。ただし、現在このサービスを利用できるのは「N-ONE e:」のみ。また、2026年発売予定の「スーパーワン」も対象車両となる

BEV充電のインフラ的存在を目指すニトリホールディングス

 家具やインテリア用品を扱うニトリ(ニトリホールディングス)は、北海道を起点に成長してきたが、現在はホームセンターを展開する島忠も傘下に加え、国内859店舗、海外203店舗、2025年3月期の売上高は9289億円を誇る。

 ニトリホールディングス SDGs推進室 奥田理室長は、「ニトリグループでは2050年に向けて7つの目標を掲げており、そのうちの1つがカーボンニュートラルの実現であり、BEVの普及はカーボンニュートラル実現に必要不可欠であると考えています。ホンダさまの普段よく行く場所で充電を気にすることなく過ごせる体験、日常の動線に自然になじむものにしていきたいという意向にとても感銘を受け、賛同した次第です。導入することでお客さまにお値段以上の価値を提供できると考えています」とホンダチャージ導入の経緯を説明。

株式会社ニトリホールディングス SDGs推進室 室長 奥田理氏

 続けて、「お客さまの買い物時間も1時間程度と充電時間との親和性が高く、ニトリグループの店舗は、普段の買い物や用事の合間に充電が完結する環境が整っているので、充電のために行く場所ではなく、生活動線の中で充電できる場所、いわゆるインフラ的な存在を目指していきたいと思います」と抱負を語った。

ニトリホールディングスの2050年に向けた企業目標

 最後に奥田室長は、「この取り組みでニトリホールディングスは、店舗滞在時間の価値向上、お客さまの利便性が上がるというのが1番のメリットで、他にもBEVユーザーの来店機会の創出、新たな顧客獲得、さらには企業の価値向上にもつながると考えています」と締めくくった。

ニトリホールディングスは生活動線の中で充電できる場所になることを目指すとしている

島忠・ホームズさいたま中央店に急速充電器1基、普通充電器2基を設置

充電器は島忠・ホームズさいたま中央店の立体駐車場の2階に設置されている

 体験会では実機を使っての説明も実施され、スマホを使った検索、予約、充電など一連の流れを体験できた。スマホの位置情報から近隣の充電設備を検索できるのは一般的だが、「ホンダチャージ」アプリでは、60分間の取り置き(予約)ができるのも特徴となっている。これは充電設備に到着したが別の人が使っていて充電できなかったというユーザーの困りごとから導入した機能。

 また、大型ショッピングモールやホームセンターは駐車場も広大なため、初めて足を運んだ施設だと充電器がどこにあるか迷うことが多いというユーザーの声から、ホンダチャージアプリでは充電器がどこに設置してあるかも細かく表示するようにしているという。さらに、急速充電器の利用上限は一般的には30分が多いが、ホンダチャージは買い物や食事などユーザーの施設滞在時間を考慮して60分としているのもうれしいポイントだろう。ただし、他の充電設備と同様に利用時間を超過して、車両がそのまま停車し続けている場合、利用開始から75分を超えると超過料金が発生するので利用者は注意が必要という。

スマホアプリではアイコンを色分けしていて、普通充電や急速充電、空き状況などをひと目で認識できる
広い駐車場だと充電器の設置場所が分かりにくいので、ホンダチャージアプリでは詳細を表示するようにしているのが特徴
ホンダチャージアプリでは60分間の取り置き(予約)も可能で、到着した際に充電器が空いてなかったという心配を解消している
充電プラグを差し込んで「充電を開始」を押せば充電がスタート。一般的な急速充電器の利用上限時間は30分が多いが、ホンダチャージではユーザーの利便性を考慮して上限を60分としているのもポイント
島忠・ホームズさいたま中央店の立体駐車場2階には普通充電器も2基設置されている。 なお、ホンダチャージはホンダ車以外のユーザーでも利用可能となっている
ホンダチャージ体験会の会場となった島忠・ホームズさいたま中央店は現在一部改装中で、4月3日にはニトリもオープンする