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ピレリ、タイヤの状況をリアルタイムで車両と連携する「サイバータイヤ技術」を搭載したパガーニ・ウトピア・ロードスターが1500km完走
2026年5月26日 11:06
- 2026年5月19日(現地時間) 発表
ピレリ、パガーニ・アウトモビリ、ボッシュ・エンジニアリングの3社は5月19日(現地時間)、Cyber Tyre(サイバータイヤ)技術を搭載したタイヤを履いた「Pagani Utopia Roadster(パガーニ・ウトピア・ロードスター)」が、ヨーロッパを横断する総走行距離1500km以上の旅に成功したと明かした。
サイバータイヤ技術は、タイヤ内に組み込まれたセンサーからのデータを収集し、ピレリ独自のソフトウェアとアルゴリズムを通じて処理し、車両の電子機器とリアルタイムで通信する、世界初の統合ハードウェアとソフトウェアシステム。このシステムにより、運転と制御システムが統合された新しい機能の開発が可能になり、運転体験を向上させ、安全性を高めるとしている。
3社はピレリのサイバータイヤ技術を車両ダイナミクスシステムと統合した初の企業で、今回構築したデジタルエコシステムによって、タイヤの役割は受動的な部品から、タイヤおよび路面状況に関するリアルタイムデータを送信できる能動的なセンサーへと進化し、運転安全性の向上という最大のメリットをもたらしたいう。
1500km以上の旅を実施
車両ダイナミクスを制御する電子システムと、統合されたサイバータイヤ技術を搭載したタイヤを初めて装着したパガーニ・ウトピア・ロードスターは、車両の設計・製造が行なわれるイタリアのボローニャ北部、サン・チェザリオ・スル・パナーロにあるパガーニ・アウトモビリ本社を出発。
最初の目的地はボッシュ・エンジニアリングの拠点があるドイツのシュトゥットガルト北部アプシュタット。今回のタイヤとABS、ESP、トラクションコントロールなどのシステム間の通信は、ボッシュ・エンジニアリングとの協業により実現したという。その後はイタリアのミラノへと戻り、サイバータイヤ技術が構想・開発されたピレリ本社へ到着。
旅の各ステージでは、パガーニ・アウトモビリ創業者であり同社を牽引するオラチオ・パガーニ氏、ボッシュ・エンジニアリングCEOのヨハネス=ヨルグ・リューガー博士、ピレリCTOのピエロ・ミザーニ氏、そしてピレリ・サイバー部門責任者のコラード・ロッカ氏がサイバータイヤ技術について解説を行なったという。
サイバータイヤの今後の展開
パガーニ・ウトピア・ロードスターに初採用されたサイバータイヤ技術は、幅広い車両への普及を通じて安全性への貢献を最大化することを目指し、プレミアムおよびプレステージセグメントのほかの車両への実装を始めているという。
同時にセンサーフュージョン技術による追加センサーの統合は、自動運転やADAS(先進運転支援システム)への進化に向けて開発を進めているほか、コネクテッドカーの普及によってインフラとの連携も現実のものとなりつつあるとしている。
今後は車両同士の接続にとどまらず、周辺インフラとも相互に接続される環境が整いつつあり、イタリアの高速道路網にサイバータイヤ技術を活用した道路インフラ監視に関する新たな契約を締結。システムを搭載した個々の車両に対して安全性と性能の向上機能を提供するだけでなく、道路状況のモニタリングも可能にし、道路の安全性を効率的に高める予測保全ソリューションの実現を支えるとしている。
また、こうした取り組みの一環としてピレリは先日、車載カメラとAIアルゴリズムによって道路や垂直標識を読み取れる、スウェーデンのコンピュータビジョン会社Univrsesの株式30%を取得している。
サイバータイヤ技術の生産を、米国ジョージア州ローマにある工場で間もなく開始する予定で、すでに高付加価値製品やモータースポーツ関連製品の生産に特化しているローマ工場は、サイバータイヤシステムに代表されるピレリ技術の頂点を担うという。
パガーニ・アウトモビリ創業者 オラシオ・パガーニ氏のコメント
20年以上にわたり、私たちの研究はレオナルド・ダ・ヴィンチの「芸術と科学」という理念に導かれてきました。ハイパーカーは単に速いだけでなく、ドライバーに信頼と安全性をもたらす“芸術作品”でなければなりません。ピレリのサイバータイヤによって、タイヤはまるで人間の手のような感覚を備え、路面を感じ取り、その情報をパガーニ・ウトピア・ロードスターの電子的な心臓部である制御システムへと伝えます。これにより、あらゆる瞬間の走行が完全なコントロールのもとにある体験へと昇華されるのです。私たちにとってピレリはパートナーであり、友でもあります。安全性への同じ情熱を共有することで、私たちは夢と道路が交差するその一点に“声”を与えました。
ボッシュ・エンジニアリング CEO ヨハネス=ヨルク・リューガー氏のコメント
ピレリのような革新的企業と提携できることを誇りに思います。彼らの先進的なサイバータイヤ技術と、当社が培ってきた車両ダイナミクスに関する深い知見を融合させることで、この協業はインテリジェントタイヤの潜在能力を最大限に引き出します。さらに、それがパガーニ・ウトピア・ロードスターという自動車芸術の結晶の中で具現化されることで、性能、安全性、そして比類なきドライビング体験において新たな基準を打ち立てられるのです。
ピレリ 最高技術責任者(CTO) ピエロ・ミザーニ氏のコメント
サイバータイヤ技術の進化は、20年以上前に描かれた、タイヤを受動的な要素から能動的なセンサーへと変革し、単に力を伝達するだけでなくデータ生成を可能にするというビジョンを具現化したものです。パガーニ・アウトモビリやボッシュとの協業により、デジタルを通じた安全性と性能の新時代を切り拓き、その先見性の正しさを証明しました。
ピレリ・サイバー部門責任者 コラード・ロッカ氏のコメント
ウトピア・ロードスターへのサイバータイヤの統合と、ボッシュと共同で開発した機能の実装は、当社のソリューションの技術的成熟度を裏付けるものです。私たちは、車両に装着したタイヤの実際の特性に基づくパラメータを提供することで、車載電子システムのより精緻な制御を可能とし、その結果として安全性と性能の向上に貢献しています。



