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液体水素GRカローラの液体水素タンク交換は、超電導モーター一体のAssy交換に トヨタならではの考え方で交換作業簡素化
2026年6月6日 22:13
トヨタ自動車が富士24時間レースで走らせている液体水素GRカローラ。2026年は液体水素燃料の送り出しポンプに京都大学と協業した超電導モーターが使われていることが大きな進化ポイントになる。
この進化に伴って変更されたのが、液体水素燃料の送り出しポンプの交換方法。2025年以前は、液体水素タンクから液体水素燃料の送り出しポンプのみ抜き出して交換していたが、今回の新しい300Lタンクでは、モーターが超電導モーターとなったため(というより、超電導状態で駆動するため)に、液体水素燃料の送り出しポンプがタンクの中に沈められている(下部に取り付けられている)。
そのため、超電導モーターや、超電導モーターが組み込まれた超電導液体水素ポンプのみを取り出すことが難しく、作業的にも困難。そこで、トヨタの技術陣が採用したのは、液体水素燃料タンクごとAssy交換(モジュール単位でのアセンブル交換)してしまう方法になる。
このAssy交換であれば、作業の確実性を保証しやすく、さらに交換ポイントを限定できるため、各種の誤接続も防げ安全性の飛躍的な向上にもつながる。レースでは1分1秒を争っている中での作業の確実性が必要なので、作業スタッフの負荷(でっかいタンクを交換するのは大変だが)も減らすことができる。
ただ、大作業には違いなく、豊田章男会長によると3時間を見込んでいるとのこと。トヨタ自動車で水素エンジンプロジェクト統括する伊東直昭主査は、タンクそのものの富士スピードウェイ周回能力は40周あるものの、容量が増えたことによりスロッシングも発生しやすくなっており、1スティントで安全を見込んだ32周を周回していくという。チームは、この周回数に挑んでいくのではないかとしていた。
また、このポンプ交換が必要な理由だが、マイナス253℃の極低温環境下で油脂類を用いずベベルギヤを超電導モーターで回しているためで、どうしても歯の部分が摩擦により減ってしまうという。ベベルギヤは寿命を延ばすために、正回転、逆回転をして歯の当たる位置を変更しているが、それでも12時間程度で交換に踏み切る必要があるという。
そのため、交換予定は土曜日深夜を予定しており、この24時間レースにおける一つのトピックになるようだ。
ちなみに今後水素GRカローラでは、回転型の超電導モーターに代わって、超電導リニアモーターの採用を予定しており、そのモーターではギヤのかみ合わせがないことからポンプ無交換になる予定だという。
ポンプ交換という大作業が見られるのは、この富士24時間が最後になるのかもしれない。
なお、掲載した写真はポンプ交換テストを行なった際に、ドライバーである石浦宏明氏が撮影したもの。

