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トヨタも応援する「スペシャルオリンピックス2026東京」開会式レポート
2026年6月8日 14:52
- 2026年6月5日 開会式
- 2026年6月5日〜6月7日、9月4日〜6日 開催
スペシャルオリンピックスは、知的障がいのある人たちに、スポーツトレーニングとその成果の発表の場である競技会を年間を通じて提供している国際的なスポーツ組織だ。1994年、国内に設立されたスペシャルオリンピックス日本では、成果を発表する場として4年に1度、夏季・冬季の全国大会を開催している。
第9回となる今期の夏季ナショナルゲームは、「2026年第9回スペシャルオリンピックス日本夏季ナショナルゲーム・東京」として、2026年6月5日〜6月7日と9月4日〜6日に分散して開催される。入場は全会場無料となっている。
6月5日に、その開会式が「TOYOTA ARENA TOKYO」にて開催されたので、その様子をお伝えする。
参加する選手はアスリートと呼ばれ、競技の結果を問わず、参加した全アスリートが表彰されるのも特徴。知的障がいのあるアスリートと知的障がいのないパートナーがチームメイトとなり、ともにスポーツをするユニファイドスポーツというスペシャルオリンピックス独自の世界大会公式種目として実施される競技もある。全国47都道府県にある地区組織に属する、アスリート約1200名が参加する国内最大規模の競技大会となっている。
また、ドリームサポーターと呼ばれる、スペシャルオリンピックスを盛り上げ、活動を広く発信するための応援団、アンバサダー的な役割の人々も多く参加する。トヨタ自動車は、2016年からスペシャルオリンピックス日本とナショナルパートナー契約を結んでいる。障がい者を雇用するトヨタループスからは6名の選手も参加するほか、パートナーやコーチ、スタッフとして、トヨタ自動車から14名が参加している。
観客席は、ほぼ満席となり、まずはオープニングのパフォーマンスから開幕した。
アリーナにいる各地区に分かれたアスリートたちを、司会のEXITの2人が会場を巡って紹介していった。アスリートの熱量がとても高く、メッセージや声援などで声をあげ、盛り上がっていたのがとても印象的だった。
来賓として来場した高円宮妃久子殿下から、ごあいさつをちょうだいした。ごあいさつの中では「さあアスリートの皆さん、日頃の成果を存分に発揮し、それぞれのベストなパフォーマンスを披露してください。最後に皆さんに聞きます。アスリートの皆さん精一杯力を出して、勝利を目指して頑張る勇気はありますか?」とアスリートにエールを送っていた。
そして、スペシャルオリンピックス日本 理事長 大会会長 平岡拓晃氏による開会宣言と宣誓が行なわれた。
最後に歌手MISIAさんの圧巻のステージがあり、ラストには、大会公式応援ソングとなる新曲「太陽のパレード」を、柏市立柏高等学校吹奏楽部の演奏と共に歌い開会式は終了した。曲は大会PR映像内で聞くことができる。
限界に挑戦するアスリートをささえるトヨタに聞いた
終了後には、スペシャルオリンピックス日本 ドリームサポーターでもある、トヨタ自動車 社会貢献部 スポーツリレーションシップG 副グループ長 寺尾悟氏に話をうかがうことができた。
ドリームサポーターの寺尾氏は、元男子ショートトラックスピードスケート選手。1994年リレハンメルで男子1000mで4位入賞、2006年のトリノオリンピックまでに4度の冬季オリンピックに出場した経歴を持ち、現在トヨタ自動車スケート部アドバイザーをまかされている。
はじめてスペシャルオリンピックスを見たときは、ドリームサポーターとしてではなくスケート競技委員長としてだったという。その時に「人ががんばる姿が、これほどまで感動するものなのか、と感動しました。自分がはじめてオリンピックに出た時、目指していた時とまったく同じ感じがしたのです。そのさらに上、その先に何があるのかを見たいのでがんばっている、そういうチカラを強く感じました。この時、原点に戻ったような気持ちになれたんです。ドリームサポーターのお話を頂きとても嬉しかった」と、その関わるきっかけを語ってくれた。
また「スペシャルオリンピックスは、特別な競技とか異なるスポーツという見方をしてしまいがちですが、単純に人ががんばる姿を応援して、感動を共有してみて欲しいです。現代社会では、とかく感情表現をガマンしてしまうことが多いですが、アスリートの皆さんは素直で、競技で感情をストレートに表現される方が多いです。そういった姿を見て応援することで、こちらでも感じたり学ぶことが多々あるはずです。ぜひ、応援に来てみてください」とのメッセージをくれた。
さらに、トヨタ自動車 渉外広報本部 副本部長 松山洋司氏からも、スペシャルオリンピックスとトヨタ自動車との関わりについても詳しく話を聞くことができた。
トヨタ自動車とスペシャルオリンピックスの出会いは、2015年開催のアメリカ ロサンゼルス大会に、前副会長だった早川茂氏が視察に行ったことがきっかけだという。2016年からは、スペシャルオリンピックス日本のスポンサーとなっている。その後、2018年にスペシャルオリンピックスのインターナショナルともパートナーシップを結んだ。調印の時に、豊田章男会長がスペシャルオリンピックス インターナショナル シュライバー会長と会談するなかで、トヨタとしてとても大切にしていきたいという思いを強くして、今に至っているとのことだ。豊田会長はその時、従業員がアスリートと触れあったり、ボランティアに関わることで、気づきや成長のきっかけを得たり、仕事にいきることがあると確信を持ったそうだ。
今回会場となったTOYOTA ARENA TOKYOは、豊田会長のいう“可能性にかけていこう”をコンセプトとして、すべてのアスリートの挑戦の場としてこの施設は作られた。「今回スペシャルオリンピックス日本に使って頂いたのは、豊田会長の思いとも合致していて、とてもありがたいと思っています」とのこと。
スペシャルオリンピックスと関わる意義などを尋ねてみると、「一度ボランティアに応募して頂くと、継続性を持って参加される方が多くいます。一度やるとハマるみたいですね。自分自身が誰かのために行動するという意義もあり、アスリートから得る学びやエネルギーがあります。自らこういった行動を起こす人が増えてきているのは、とても素敵なことです」と、多くの社員が、その影響を受けているという。
特定子会社のトヨタループスでは、知的障がい者だけではない広く障がい者が、トヨタのオフィスサポート業務をしている。社内便や印刷、清掃などのほか、最近ではAIの機械学習で使うデータのアノテーション(正解の注釈を付ける)という、AI活用において 重要な作業も行なっているそうだ。「トヨタループスは仲間のような存在で、スペシャルオリンピックスの競技にも出場します。トヨタでは“Mobility for ALL(すべての人に移動の自由を)”をよく掲げていますが、“For All”よりも“With All(みんなとともに)”(スペシャルオリンピックスでは“Sports with all”を掲げている)という表現の方がピッタリくるのが、スペシャルオリンピックスの特性かと思います。さまざまな個性のあるダイバーシティ、すなわち多様性があることは、とても強みになるのです」という。
実は、限界に挑戦するという姿勢は、自動車開発やカーレースなどとも重なる、意外とストイックなチャレンジの連続だ。話の中で、「クルマを開発するエンジニアで他社と比較するエンジニアは一人もいない、自分のクルマをいかによいものにするか、限界を超えるかだけに集中する。この点でエンジニアとアスリートはとても似ている」という、佐藤恒治副会長の発言が印象に残っているといい、教えてくれた。「例えば、レースドライバーはドライビングの限界を求めていくと思います。マシンもガンガン動かし壊して、わるいところを直していくことで鍛えられる。スペシャルオリンピックスのアスリートたちを見れば見るほど、自分の限界を超えよう、自分自身のためにチャレンジし続けよう、という気持ちを強く感じます。アスリートたちの自身の可能性を信じて勇気を持って挑戦している、その姿にすごく励まされます。我々は、ともすれば自分をワクにはめ、気持ちに制限をかけてしまいがちですが、そのワクを外してみようという、強い気持ちになれるはずです。せっかくの東京での開催です。ぜひ、実際に応援に訪れて体感してみてください」と語ってくれた。入場は全会場無料だ。ぜひ足を運んでみてもらいたい。


























