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「パジェロ」復活に向け三菱自動車の「販売特化型店舗」を都市部に展開 約2年ぶりの新規店舗「関内店」オープン

2026年6月11日 開催
東日本三菱自動車販売の「関内店」としてオープンする新規店舗で取材会が開催された。この会では店舗の撮影のほか、東日本三菱自動車販売 取締役社長の大平容禄氏(右)と、三菱自動車 代表執行役副社長(営業担当)の五十嵐京矢氏(左)によるあいさつが行なわれた

 三菱自動車工業は約2年ぶりとなる新規店舗「関内店」を6月11日にオープンし、6月13日から一般営業を開始する。

 これに合わせ、店舗では、東日本三菱自動車販売 取締役社長の大平容禄氏と、三菱自動車 代表執行役副社長(営業担当)の五十嵐京矢氏が出席する報道向け発表会が開催された。

 まずは関内店の概要から紹介していく。三菱自動車は現在、日本を「重点国」と位置づけ、国内での新車販売および中古車販売などバリューチェーンの強化に取り組んでおり、既存店舗のリニューアルなどを行なうと同時に、新たな販売拠点を作ることも検討されていた。

 しかし、自動車販売店はショールームのほかにサービス工場を併設するのが一般的なため、広い敷地が必要となる。これは郊外の店舗であれば問題は少ないのだが、今回優先されたのは都市部での出店だったため、条件に合う土地や物件がなかなか見つからない状態が続いていた。

 そうしたところに出てきたのが今回の場所。物件的にサービス工場を持つことができないため、新たなスタイルの「販売特化型店舗」として展開することになった。そして、6月11日に三菱自動車として約2年ぶりの新規店舗となる関内店をオープンすることになったのだ(直近では2024年5月に兵庫三菱自動車販売が「神戸空港店」をオープンしている)。

 関内店ができたことで三菱自動車の国内新車販売店舗数は519店舗となり、うち東京23区と関東圏の政令指定都市の販売店数は39店。さらに細かく見ていくと、東京23区が17店舗、神奈川県横浜市が7店舗、神奈川県川崎市が3店舗、埼玉県さいたま市が5店舗、千葉県千葉市が6店舗、神奈川県相模原市が1店舗となっている(5月末時点)。

 関内店の所在地は神奈川県横浜市中区長者町1-4-14 ベイサイドヒルズ関内1階。交通量の多い「長者町一丁目交差点」に面している。

 一般ユーザー向けの営業開始日は2026年6月13日からで、営業時間は10時~18時。定休日は火曜日・木曜日(祝日などにより変更あり)。店舗スタッフは営業責任者1名、セールススタッフ1名、アシスタント2名の計4名となる。

神奈川県横浜市中区長者町1-4-14 ベイサイドヒルズ関内1階にオープンした東日本三菱自動車販売の関内店。長者町一丁目交差点に面している
本格的な営業開始日は2026年6月13日からとなる。販売した車両のアフターサービスは近隣店舗にて行なう。近くには神奈川店(5.3km)、戸塚店(7.3km)、港南店(7.2km)がある(カッコ内は関内店からの距離)
「関内店」の内装。当初の展示車は「アウトランダーPHEV」で、その後、「デリカミニ」も展示される予定。販売特化型の店舗であるが、三菱自動車が今後展開を予定しているハイブランド店としての位置づけではないという
店内の作りはシンプルにまとめられている
キッズコーナーも設けられている。遊び場だけでなく、子供向けの映像を流すモニターも設置されていた
来客用の駐車場は6台分用意
電動車用の充電器も設置されていた

 ここからは東日本三菱自動車販売 取締役社長の大平容禄氏と、三菱自動車 代表執行役副社長(営業担当)の五十嵐京矢氏のあいさつを紹介していく。

 最初にスピーチを行なったのは東日本三菱自動車販売の大平氏。大平氏によると東日本三菱自動車販売は関東地区の1都8県をカバーする広域ディーラーであるとのこと。そして今回オープンした「関内店」はサービス工場を持たない「販売特化型」の店舗であることが改めて紹介された。

東日本三菱自動車販売 取締役社長の大平容禄氏

 三菱自動車に限らず、自動車販売店はショールームとサービス工場が併設されていることが一般的となっている中、関内店のような販売特化型の店舗は珍しいものとなるが、この点について大平氏からは「都市部は用地や物件の確保が難しくなっていて、建設にかかる費用も高騰している」など現在の都市部において大きな敷地を有する販売店を新規で作ることの難しさが語られた。

 そうした中オープンした関内店は、販売特化型店舗として周辺の状況が整っていることも説明された。店舗周辺は国内メーカーの販売店だけではなく、輸入車販売店も多くあるため、クルマの購入層が集まるところである。また、周辺の住宅事情は富裕層向けのものが多いことも、自動車販売において重要なポイントになるという。

 特に最近の三菱自動車は「アウトランダーPHEV」「デリカD:5」「デリカミニ」など、人気車の存在により、ブランド価値が高まっている状態である。それに伴い、既存の店舗では新規の来店がかなり増えているとのこと。また商談についても他銘柄との競合ではなく「指名買い」であることも多く見られるとのこと。

 このような状況から、関内店も拠点の存在を知ってもらえるようになれば、同様の集客があると見ているそうだ。また、この秋に予定されている新型「パジェロ」が発売されることで、流れはさらに強くなることが予想される。

人通りもクルマ通りも多い。大きな交差点に面している立地のため、立ち寄りやすいお店にしていくとのこと

 しかし、全くの新規店舗ということで独特の難しさもある。従来のように既存店舗をリニューアルする場合、お店は新しくなっても、以前からの顧客はそのまま引き継いでいるものである。

 それに対して全くの新規オープンである関内店は、お店が抱えている顧客がゼロの状態からスタートすることになる。現在の新車販売ではサービスでの来店や顧客管理などをきっかけとする商談が多い中、関内店ではそれができないのである。

 ただ、この点について大平氏は関内店の立地のよさを上げて集客力の高さを説明した。先に紹介したように店舗周辺は自動車販売店が多く、富裕層が多く住むこともまさにそれにあたるが、そのほか、店舗のある地域は多くの会社が集まる勤務地エリアであることもメリットで、この地域で仕事をする人が少し時間ができたときなどに立ち寄ってもらうことで、商談の発生が期待できるとのこと。

 三菱自動車らしい商品をそろえることで、今後ますます販売台数を増やしていくことを目指す上では、人が集まるところでの販売拠点の補強は必要なことである。そういった意味からも、関内店は単に新しいお店ができたというだけでなく、新たな販売拠点スタイルのモデルケースとしての役割も持つ店舗でもあるそうだ。

三菱自動車 代表執行役副社長(営業担当)の五十嵐京矢氏

 続いて三菱自動車 代表執行役副社長(営業担当)の五十嵐京矢氏があいさつに立った。五十嵐氏は、関東圏の三大政令指定都市(横浜市・川崎市・さいたま市)における新規出店は約24年ぶりとなり、三菱自動車が新しいお店を出すことについての理由を説明した。

 五十嵐氏によると、三菱自動車は日本の自動車メーカーとして国内のマーケットを非常に重要視している。これは先日の中長期ビジョンでも発表されたことである。しかし、ただ単にマーケットとして重視しているだけでなく、ブランドの発信の基盤として見ているとのことだ。

 そうした状況の中で、ここ数年は三菱自動車らしいとがった商品を市場に送り出してきていて、それはユーザーからも好評を博しているという。そして結果として5年連続で国内での販売台数、および販売シェアを伸ばしているそうだ。

 そして、先日発表したパジェロシリーズという新しい商品群も出てくることから、そうしたことも含めて、さらに国内での販売を伸ばしていくことを考えているとのことだった。

 その上でユーザーから「三菱のクルマを購入したいのだけど、自分の近くに販売店がない」という声があったのも事実。五十嵐氏によると郊外の店舗は比較的多めだが、都市部には店舗のない空白地域が存在していた。そこで、この空白をしっかりと埋めていくことで、2030年までに販売台数18万台に引き上げることを目指している。そのためには首都圏や愛知、大阪など都市部を中心に30店舗ほどお店を増やしていく計画があるそうだ。そして今回の関内店は、その流れの中の1号店となる存在と紹介された。

 一方、都市部だけでなく、地方をどうしていくかというのも重要なものと捉えているとのことで、地方部では、現在積極的に店舗のリニューアル、あるいは大型化を進めているという。

 ただ、都市部でも地方でも「店舗で働く人を集める」ことが三菱自動車に限らず、業界全体で難しいことになっているそうだ。それをうまく調整を取りながら販売体制での強化を進めていくとのこと。またその際には、業務のデジタル化やAIの活用などを取り入れていくことも語られた。

 そしてさらに直営店だけでなく、登録販売店との連携をさらに強いものにしていくことで、地方部での販売体制の強化、およびサポートの充実を図っていくそうだ。

30店舗ほど増やすといった話について、店舗の数ありきではなく、三菱自動車がマーケットとして捉える地域のうち、空白のエリアが30ほどあるということだそうだ。また、今後は販売特化型の店舗を増やしていくということでもなく、ユーザーにとって便利な従来型の店舗が軸となるが、都市部では場所の確保の問題から、販売特化型店舗としての展開もあるとのこと